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第684回 身勝手な野鳥

①https://curazy.com/archives/227258より引用のイラスト

   世の中の私たちの身の回りには、身勝手な出来事がいっぱいありますが、野鳥の世界も同じようなことがあります。自然の知恵といえばそうなのかもしれませんが、理不尽な行為が横行しています。またその横暴な行為に対して、対抗処置をとるもの、またその対抗に対して、またも理不尽な行為に走るもの。いろんな野鳥がいますが、何か私たちの生活と照らし合わせてみると、こんなこともあるなと身につまされる思いで、この野鳥たちの出来事を感じています。

②https://www.nature-engineer.com/entry/2018/08/21/165943より引用のマガモのエクリプス

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   ②の写真はマガモのオスです。何か怖そうな顔をして、またその身体の色合いが地味で、メスのようにも思われます。マガモをはじめとするカモの仲間は、大概の種はオスが派手な体色で、メスはどちらかといえば地味な色合いです。留鳥のカルガモは雌雄同色でこのカモ類とは違います。カモのオスは繁殖期にはメスを射止めるために派手ですが、繁殖期を終えると、こんな地味なエクリプスとなり、子育てもせずにオス同士で外敵から逃れているのです。身勝手と思います。

③http://bulbulmt.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-b86c.htmlより引用のツミの営巣の近くにはオナガの営巣

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   本当なら「共存共栄」だと思います。カラスの仲間のオナガはなんと同じく仲間のカラスに営巣の育児中のヒナが襲われるのです。そこでオナガは猛禽類のツミの子育て中の巣の近くにわざと営巣するのです。ツミの巣の周りには何組かのオナガが営巣します。このオナガの役目はこの③のツミのヒナもカラスに狙われます。そこでカラスが近づくとオナガは大きな声で鳴き続け、それをツミが聞きつけ追い払います。しかしオナガのヒナを、エサがないとき、ツミはヒナに与えます。

④https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2017042600058.htmlより引用のカッコウの托卵

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   ④はウグイスの巣に托卵したカッコウですが、野鳥の世界には、このカッコウをはじめとして、ホトトギスツツドリジュウイチの四種はほかの野鳥の卵のある巣に托卵をして、托卵する側の母子で托卵相手のヒナを追い出し、托卵する側のヒナが托卵される側の親鳥から餌を独り占めにするというものです。托卵される側にとっては種が保存できないデメリットばかりです。托卵する側も抱卵する時に体温が上がらず托卵に走ります。

⑤https://matome.naver.jp/m/odai/2141675302291223501より引用のミツオシエとラーテルのイラスト

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   世界を見渡せば、こんなことをするツワモノがいるなんて思い知らされます。⑤のイラストはミツエオシエという人間にも馴染む、またイラストのラーテルにも共存共栄をしています。蜜が欲しいものに、自分では蜂の巣を壊して、中の幼虫を採餌できないから、ラーテルなどに蜂の巣の位置を教えて、壊してもらい自分も恩恵に預かります。しかし命知らずのラーテルがハチの毒にやられて死ぬこともあります。またミツオシエハチクイの地中巣に托卵するツワモノです。

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