第1744回 小さな小さな小鳥のさえずり
①https://jp.123rf.com/より引用のハミングバードのイラスト
世界で一番小さな野鳥といいますと、ハチドリがそうです。そのハチドリの中でもマメハチドリは体長約4〜6㌢、体重が一円玉二枚の約2㌘しかありません。その主食といいますと、名前が示す通りの蜜になります。花の蜜を吸うために、ハチドリはホバリングをして花弁より甘い蜜を飲むのです。ハチドリは英名をハミングバードといいます。従来は口を閉じて、鼻に抜ける様に歌うことなので、さぞ上手と思いきや、ハチドリのハミングはホバリングの「ブーン」がそうみたいです。
②https://www.birdfan.net/2018/06/08/63016/より引用のミソサザイ(体長約10㌢)
日本にはハチドリの仲間のような体長10㌢を下回るような極端な野鳥はいませんが体長約10㌢ならこの②の写真のミソサザイがそうです。童話のマザーグースの一節で、ミソサザイと結婚したヨーロッパコマドリというミソサザイが嫁になった設定があります。コマドリもミソサザイもヨーロッパでも鳴鳥です。短い尾羽を立てて、上下左右に小刻みに震わせて、高音の大変に良く響く声で「チリリリリ」とさえずります。地鳴きでは「チャッチャッ」とも鳴き、ウグイスと同じです。
③https://www.birdfan.net/2006/08/01/1291/より引用のキクイタダキ(体長約10㌢)
日本には小さな小鳥として、体長10㌢を誇るのは何もミソサザイだけではありません。③の写真のキクイタダキもその大きさです。写真のように興奮したりしますと頭頂部の冠毛が立ち上がり、ちょうど菊の花のようになりますから、菊を戴くして「菊戴」とかあまりに小さいので「鶎」の漢字表記があります。ヨーロッパの伝説や民間伝承において、本種はしばしば鳥の王とされます。またミソサザイと違って鳴鳥とは呼ばれず、その鳴き声は「ツツツツティーツィツィ」に近いです。
④https://www.birdfan.net/2016/06/24/44454/より引用のカヤクグリ(体長約14㌢)
ミソサザイは身体が小さく、さえずりは声高らか。キクイタダキは身体が小さく、さえずりもはっきり伝わらないくらい小さい。そしてこの④の写真のカヤクグリは小鳥の普通の大きさです。繁殖期には「チリチリチリ」や「チーチーリリリ」と虫のようなさえずりで、地鳴きは「ツリリリ」で、ヤマヒバリの鳴き声に似ているといいます。名前の由来は、冬は藪地に潜むように生活し、なかなか姿を見せず藪の下を潜ることに由来します。身体は普通の大きさで、虫のような鳴き声。
⑤https://www.birdfan.net/2015/05/29/35370/より引用のヤブサメ(体長約10㌢)
カヤクグリも漢字表記で「萱潜」で萱に潜むゆえに身体は普通の大きさでも鳴き声も潜んでいます。またこの⑤の写真のヤブサメは、身体はミソサザイやキクイタダキと同じく体長約10㌢。漢字表記は「藪雨」で、薮の中で聴く雨音の意です。森林や藪等に生息していまして、藪中なのに鳴き声は高く、日本語圏では「シシシ」としかわからないみたいです。野鳥の中でもイソヒヨドリなんかも聴き取りにくいはっきりした通る鳴き声ですが、ヤブサメは色んな虫の鳴き声に聴こえます。
※参考までヤブサメの色んな鳴き声が聴こえるサイトです。https://db3.bird-research.jp/saezuri/birdsong/detail/90