第1718回 長生きの鳥
①https://phoenix-311.com/with-the-phoenix-scienceより引用の「不死鳥」のイラスト
①のイラストは手塚治虫の「不死鳥」でも有名な英名を「フェニックス」ともいう内外問わずしての死んでも蘇ることで永遠の時を生きるといわれる伝説上の鳥です。まさか、そんな永遠不死の野鳥は、どんなに世界が広くても存在知るわけかありません。しかし、この日本でも盛んに言われる言葉の中に「鶴は千年、亀は万年」と『鶴と亀は、千年、万年の寿命を保つ』という中国の伝説から長寿でめでたい事を表した言葉もあります。この生き物たちはあながち嘘ではありません。
②https://www.birdfan.net/2017/06/30/53856/より引用のつがいのタンチョウ(左がメス体長約130㌢、右がオス体長約140㌢)
その鶴の代表的な存在である②の写真のタンチョウは「鶴は千年…」に当たります。ある科学者はタンチョウヅルの寿命は25年程度で、最長寿記録を持つソデグロヅルでも61年といい、一方ではタンチョウの最高寿命は65年とされ、自然界と飼育下なのかでは随分と変わります。ここでは自然界で紹介します。タンチョウでの標識調査2020年3月現在での総数629羽の最高齢は29歳のオス2羽です。因みに身近な野鳥のスズメは標識調査の最高年齢は8年1ヶ月らしく、平均寿命は1年3か月。
③-1.https://www.birdfan.net/2010/10/01/5908/より引用のオオミズナギドリ(体長約49㌢)
③-2.http://www.yamashina.or.jp/hp/ashiwa/news/201207oomizunagidori.htmlより引用のオオミズナギドリに付けられていた足輪標識
この③-1.のオオミズナギドリは有名です。足環経過の観測で最高年齢が26.0年といままで言われていたのが、③-2.の写真で、2012年1月26日にマレーシアのボルネオ島沖ラブアン島で、衰弱して保護されたもので、金属製の足環から、36年8ヶ月前の1975年5月16日に鳥類標識調査のため、京都府舞鶴市の若狭湾にある冠島で捕獲し、足環をつけて放鳥された個体である事がわかりました。1961年から2010年の50年間で、コアホウドリの33年1ヶ月、ウミネコの32年10ヶ月があります。
④https://www.piqsels.com/ja/search?q=レイサンアホウドリより引用のコアホウドリ(レイサンアホウドリ、体長約80㌢)
米国ハワイ州ホノルルの北約1600キロメートルにあるミッドウェー環礁国立自然保護区に、また1956年に足環を取り付けられたコアホウドリの「ウィズダム」が2020年11月下旬にまた卵を産み、2月1日に卵が孵化して、70歳のコアホウドリが産卵、記録を更新したことがわかりました。自然界は自然界でも国立自然保護区です。しかしほとんど自然界と同じ環境であると思います。毎年秋になると100万羽ものコアホウドリが戻って、島々には白い海鳥たち抱卵しヒナが孵化します。
⑤http://www.yamashina.or.jp/hp/ashiwa/news/202011saichoju.htmlより引用の自然界の長生き野鳥の観測記録
この⑤の山階鳥類研究所の「鳥類標識調査」によりますと、やはりオオミズナギドリの36年8ヶ月は日本の野鳥では最長です。次いでアホウドリの34年4ヶ月、ハワイの自然保護区のコアホウドリの「ウィズダム」が2020年の時点で70歳かもしれませんが、日本ではコアホウドリは33年1カ月のようです。日本では長寿の「鶴は千年」の鶴はやはりナベヅルで、26年9ヶ月と自然界では60年は越す事が出来ません。身近な野鳥のハシブトガラスで調べてみますと、19年4ヶ月が最長寿記録です。
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