第2036回 ヒタキとツグミの仲間
①https://karakoto.exblog.jp/28396013/より引用のオレンジツグミ(体長約23.5㌢)
この①の写真のオレンジヒタキを見ていますと、身体の色がまず眼に飛び込んできますので、私にはコマドリを頭に思い浮かべてみました。そして、その次には身体の大きさと身体の輪郭から、ツグミを思い浮かべました。この鳥は中国南部からインド、タイ、ベトナムにかけて生息し、頭がオレンジ色、翼と尾が明るい灰色でメスは翼に白斑があるのが特徴です。これまで鹿児島県トカラ島で一度撮影記録があり、久米島への飛来が確認されました。写真のようにメスの迷鳥の様です。
②-1.https://blog.goo.ne.jp/yonyonsama7/e/f442b4dc2e713eb078fca9e6fc85274aより引用の雌雄のツグミ(左がメス、右がオス共に体長約24㌢)
②-2a.https://er-animal.jp/pepy/24512より引用のオスのクロツグミ(体長約22㌢)
②-2b.https://okaelin.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/415-4b7e.htmlより引用のメスのクロツグミ
日本にも①の写真のオレンジツグミのようなツグミがいます。日本には冬鳥のツグミや漂鳥のアカハラ、シロハラ、をはじめとする留鳥のトラツグミや地域によっては旅鳥や冬鳥のハチジョウツグミ、日本固有種で留鳥のアカコッコ、夏鳥のクロツグミがいます。②-1.の写真はツグミです。この鳥は地上採食の鳥で、歩く姿をよく目にします。歩いては止まり、歩いては止まることから「達磨さんが転んだ」と良く揶揄されます。また冬鳥なのでさえずらないことから、名前の由来が「口をつむぐ」ことからツグミと名付けられたようです。日本でさえずるのは②-2a.と②-2b.の写真のクロツグミです。この鳥は日本で繁殖する夏鳥ですので、透き通った大きな鳴き声で、多種多様な「キーキー」「キョコキョコ」「キャアキャア」「キョキョ」と鳴く以外にも、他の鳥の鳴き声を真似て自分のさえずりに織り込む事もあります。
③-1a.https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1711/spe171127/より引用のオスのアカハラ(体長約24㌢)
③-1b.https://zukan.com/jbirds/question/7296より引用のメスのアカハラ
オレンジツグミのようなオレンジというか赤みの帯びたツグミの仲間はどの鳥かといいますと、②の項で紹介致しましたツグミの仲間の全7種の中で、赤みの帯びた鳥はといいますと、③-1a.と③-1b.の写真の漂鳥のアカハラと伊豆諸島に生息するアカコッコがいます。しかしアカコッコは頭部が黒くて、オレンジツグミの身体の色に似ているのは、体型も似ているアカハラということになります。クロツグミと同じく透き通った大きな鳴き声で春から初夏の繁殖期には、オスは震えるような声で「キャランキャラン、チー」などとさえずります。またさえずりは三音節で「カモンカモン、チュー」という聞きなしもあり、有名です。
④-1.http://www.tabata-tumugi.co.jp/fuubutu/backno/fuu1105.htmより引用のつがいのイソヒヨドリ(左がオス、右がメス共に体長約25㌢)
④-2.https://www.birdfan.net/2018/06/01/62842/より引用のつがいのコマドリ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)
日本には最近になって街中に進出してきましたツグミの仲間とされます④-1.の写真のイソヒヨドリがいます。写真をご覧になってお分かりのように、性的二型のオスが綺麗で派手な出立ちに対して、メスは地味な色合いで目立ちにくく、雌雄共にやはり、透き通った大きな鳴き声で、さえずるのが特徴です。名前の由来はこの鳥のメスの体色が、ヒヨドリの色合いに似ていることから、このようなイソヒヨドリの名前となりました。オスの体色はツグミの仲間にはない、青い色合いをしています。そして、オレンジツグミの赤みのある色合いの鳥は④-2.の写真のコマドリです。コマドリはウグイス、オオルリと並んで日本の三鳴鳥と呼ばれます。コマドリはツグミの仲間でないです。
⑤-1.kamotori2020.comより引用の雌雄のジョウビタキ(左がオス、右がメス共に体長約14㌢)
⑤-2.https://www.birdfan.net/2009/10/23/4511/より引用のつがいのキビタキ(手前がオス、奥がメス共に体長約14㌢)
ではコマドリはツグミの仲間でなければ、どの種属に当たるのかといいますと、ヒタキの仲間で、ツグミに近いということになります。同じく⑤-1.のジョウビタキやルリビタキ、ノビタキはコマドリと同じく、ツグミに近いです。日本では正式にキビタキ、マミジロキビタキ、ムギマキ、オジロビタキ、オオルリ、サメビタキ、エゾビタキ、コサメビタキの8種のみがヒタキの仲間ということになります。以前の分類の仕方では体長が20㌢を超える鳥がツグミの仲間であり、体長が14㌢前後の鳥がヒタキの仲間でありました。⑤-2.の写真のキビタキは夏鳥で、ジョウビタキは冬鳥という分類からヒタキ、ツグミの仲間という分類です。④の項でのイソヒヨドリはヒタキ仲間です。ヒタキ科もツグミ科もヒタキの仲間に違いありません。