
第1827回 浄土の鳥たち 六鳥
①https://www.muryouji.org/2021/04/04/浄土の鳥たち/#gsc.tab=0より引用の浄土の鳥たち
仏教でいいますと、浄土には六鳥の鳥がいまして
『仏説阿弥陀経』に浄土の鳥として「また次に舎利(しゃりほつ)弗、 かの国にはつねに種々(しゅじゅ)奇妙(きみょう)なる雑色(ざっしき)の鳥あり。 白鵠(びゃっこう)、孔雀(くじゃく)、鸚鵡(おうむ)、舎利(しゃり)、迦陵頻伽(かりょうびんが)、共(ぐ)命(みょう)の鳥なり」と、六種類の鳥が名前を連ねています。これらの鳥は、罪の報いで鳥に生まれ変わったのではなく、仏法を説き弘める為に阿弥陀仏が姿を変えて現れ出て下さった鳥たちです。
②https://www.muryouji.org/2021/04/04/浄土の鳥たち/#gsc.tab=0より引用の仏説阿弥陀経

良く「浄土」はどんな所なのでしょう。俗称で「極楽の荘厳」「幸あるところの美しい風景」であると言われています。有名な舎利子など釈迦が弟子たちとやり取りします『無量寿経』の『大経』に対して、『小経』と呼ばれるのが『阿弥陀経』です。釈迦自ら説く形式の経です。浄土の荘厳を説く部分に「極楽には多くの種類の美しい鳥たち。これらは常に美しい声で鳴き尊い教えを説き述べています。その国の人々はみな、この鳴き声を聞き終わると仏法僧を念じるようになる。」とあり、仏教では鳥を含む動物は、生前の悪行の報いとして畜生道に落ちた存在とされています。
③-1.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用の白鵠(びゃっこう)

③-2.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用の孔雀

③-1.の白鵠は、白鳥または天鵞(てんが=天の鵞鳥→がちょう)ともいわれます水鳥。コウノトリともいわれますが、白い美しい鳥で声と共に姿の美しさからもお浄土と仏さまの清らかなることを象徴しています。③-2.の孔雀は、実際にご覧になられた方も多いと思います。羽を広げた孔雀の美しさは格別ですし、威容があります。毒蛇やサソリ、毒虫を好んで食べることから益鳥としても大切にされてきました。これは、煩悩を払う象徴であり、仏さまの智慧の偉大さを象徴しています。
④-1.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用のより引用の鸚鵡

④-2.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用の舎利

④-1.の鸚鵡は、頭に冠羽とよばれる飾り羽があり、人の言葉を真似る鳥として有名です。舎利と共に人の言葉を理解する賢い鳥として登場します。④-2.の舎利は、シャーリカの音写。 鶖鷺(しゅうろ→水鳥)や鸜(ははつちょう→九官鳥)、百舌鳥(もず)などとも意訳され、釈尊の教えに十悪がありますが、その中の両舌は二枚舌のことです。百舌鳥とは百枚舌かと思いきやそうではなくて、百通りの言葉を真似て理解することが出来るという事で、九官鳥なら、人間の言葉を真似する鳥です。
⑤-1.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用の迦陵頻伽(かりょうびんが)

⑤-2.http://www.joukyouji.com/houwa1704.htmlより引用の共命(ぐみょう)の鳥(ちょう)

⑤-1.の迦陵頻伽(かりょうびんが)は、カラヴィンカの音写。 好声(こうしょう)鳥、妙声(みょうしょう)鳥、美音(みおん)鳥、妙音(みょうおん)鳥などと意訳されます。卵の殻の中にいる時、 すでによく鳴き、 極めて美しい声を出すという美しく妙なる音声で鳴く鳥の象徴です。また⑤-2.の共命の鳥(ぐみょうのとり)は、命命鳥(みょうみょうちょう)ともいわれ、人面禽形(にんめんきんぎょう)といって顔は人の顔、身体は鳥をとっています。身体が一つで、頭が二つに分かれている鳥です。命を共にする鳥で、極めて美しい声を出すという鳥です。