第633回 「原始的な原語」を使う野鳥
①https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/050100236/より引用のイメージ的なイラスト
原始的という単語から私なんかは、原始時代に繋がり、一般的には、第二次世界大戦前に西洋社会で広まったネアンデルタール人類像、すなわち、毛皮をまとい、石斧もしくは棍棒を武器として使用する狩猟民族なんかを頭に描いてしまいます。また野鳥においては、私は原始的という表現から、「始祖鳥」の印象が深くましてや「原始的な原語」を使用している野鳥が現れたと言います。この世の中にはいろんな野鳥がいて、犬や猿より知能か高いとされるカラス類もいたりして…
②https://petnokoe.com/alex-1259.htmlより引用の世界一有名だったヨウムのアレックス
このタイトルに似たような鳥として、飼鳥にはインコ類、九官鳥など人間が教えれば、人の言葉を覚えて真似る鳥たちがいます。その中で、世界的にも有名な飼鳥が、非常に知能の高いインコとして知られるヨウムです。このヨウムの中でも世界的に有名なヨウムが今回紹介するアレックスという鳥です。アレックスは、百以上もの単語を理解し、応用して伝えることができら人の様々な言葉を「意味を理解した上で」覚えることができる鳥でした。でもここは人の言葉ではないのです。
③https://matome.naver.jp/m/odai/2140339385724380901より引用の物真似のチャンピオンのコトドリ
じゃあ飼鳥しか物真似を人間から教えてもらい、それを覚えて理解まで出来るのは、インコの仲間のヨウムしかいないのかということになりますが、その通りヨウムはその高い知能を利用して、人の言葉を覚えて理解まで出来る飼鳥かもしれませんが、人から教えてもらわなければ、そういう人の言葉を覚えることはないと思います。自然界には③の写真はコトドリというスズメの仲間です。オーストラリア固有種で国鳥のコトドリは自然界であらゆる物真似。しかし何か違います。
④-1.文法を操るシジュウカラ
日本には④の写真のシジュウカラがいます。お馴染みの身近な野鳥です。野鳥のシジュウカラが文法の規則を当てはめることで、初めて聞いた文章(鳴き声の組み合わせ)であっても正しく理解できることが明らかになりました。
④-2.http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170728_1.htmlより引用の図解
この図解のように、シジュウカラは異なる意味を持つ鳴き声(単語)を文法に従って組み合わせて文章をつくることが知られる人間以外で唯一の生き物としての野鳥です。でもこのシジュウカラでは違い「原始的な言語」を使用する野鳥とは…
⑤https://www.afpbb.com/articles/-/3053135?cx_amp=all&act=allより引用の原始的な言語を使うクリボウシオーストラリアマルハシ
⑤は、オーストラリアに生息するクリボウシオーストラリアマルハシは、音を繋いだり組合った鳴き声を様々な意味を伝えているといいます。
例えば、研究班がAとBと名付けた二つの鳴声が組み合わされてABとなると飛翔中の鳴き声になり、BABとなるとヒナに餌を与える時の鳴き声になります。これらの音を再生すると、異なる反応で、餌を与える時の鳴き声を聞いた時は自分の巣を見て、飛翔中の鳴き声を聞いた時はこちらに向かう仲間を探すように目をやったといいます。
意味のない音を組み合わせて新しい意味を生み出す能力が人間以外に認められたのはこのクリボウシオーストラリアマルハシが初めてで、この研究によって、私たちが現在使っている複雑な言語体系出現の初期段階と思われるものが明らかにされたとしています。