第932回 鳥の耳
①https://jp.123rf.com/photo_10419133_鳥の音楽ファンは、耳を携帯電話で音楽を聴きます%E3%80%82.htmlより鳥がヘッドホンをしているイラスト
生き物には、見るために眼があり、食べるために口があり、匂いを嗅ぐための鼻があり、そしてもの音を聴くための耳があります。また水の中に棲んでいる魚にさえ耳はあります。その魚同然に、鳥類にもあることが間違いないのですが、その耳は鳥は羽毛に覆われているので、どこにあるのかわからないのが実情です。人や犬、猫のような哺乳類には外耳はありますが、外耳孔は鳥類と哺乳類だけにあります。両生類や魚類は中耳と呼ばれる耳しかなく、内耳は脊椎動物に全てあります。
②https://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10610003290よりミミズクの耳と間違われる羽角
②の写真はミミズクです。ミミズクと言うほどですから「耳が付く」ということでミミズクです。しかしそれは見た目であって、本当の耳ではありません。 ②の写真で耳のように見えてしまいうのは、羽角という羽の形です。私たちには外耳という耳が頭の横の位置から出ていて、また犬や猫など哺乳類もその種により違いますが、外耳という飛び出た耳を持っています。鳥は飛行に適応するため、余分な空気抵抗を生む外耳は持ちません。
③https://www.google.co.jp/amp/s/satipon.exblog.jp/amp/17989441/より引用のスズメの耳
③〜⑤は様々な野鳥の耳の位置の写真です。大概の鳥の耳は眼の後端近くの下側にあります。耳羽はその周囲の羽毛と構造が異なる場合が多いです。マナヅルは赤い顔の下後方、灰色の部分に耳があり、ミフウズラは頬の部分、カラフトフクロウは右耳が眼の上、左耳が眼の下と左右非対称。
スズメは頬の黒い部分に耳があり、ユキホオジロは頬の茶褐色の部分。ヒヨドリは茶色の羽の、特に濃い部分に耳があり、ヤマシギは目より前に耳があると、まさに種別により様々な位置です。
④https://www.walkerplus.com/article/158662/より引用のダチョウの耳
④のダチョウの耳の位置などは頭部の後ろ側に位置しており、また眼も真横から前に向かって位置していて、サバンナという天敵から身を守るため、なるべく全方向に向けての位置だと思います。潜水する鳥には、筋で外耳孔を閉じることができたり、フクロウ類には耳にイヤーフラップという蓋があり、反射板の役をし、後ろからの音を聞くことができます。耳の開口部の大きさを調節し、感度を5倍以上高めることができます。また睡眠時に、耳栓の役目をするという説もあります。
⑤https://kakegawakachouen.hamazo.tv/index_16.htmlより引用のフクロウの耳
⑤の写真のフクロウなど夜行性の鳥は、暗いなかでの狩を行う必要があり、そのためにフクロウの耳は左右非対称になっている種が多いです。夜の狩りでのネズミなどは、枯れ葉などの下に隠れて夜行性に富むフクロウでも聴覚に頼るしかないのです。左右非対称で音差に立体感をつけて、眼に見えない獲物を狩りします。またアマツバメは聞き取ることのできる周波数は人より狭いが、感度が良く、超音波も聞こえます。高い分解能を持ち、仔細な違いを聞き分けることができます。