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第2256回 どこかの夫婦みたいな鳥 ⑷

①https://www.irasutoya.com/2014/12/blog-post_524.html?m=1より引用の同性婚のイラスト

   人間社会でジェンダーとは、生物学的な性別に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のことです。たとえば「料理は女がやるもの」って考えている人と、昔は「男子厨房に入るべからず」みたいに、料理は女性の仕事。男でも料理の好きな人はいます。この性別がジェンダーだと解説されますが、①のイラストはここで言う「ジェンダー」は同性愛の事です。人間社会だけではなく、鳥の世界にも存在します。

②-1.http://ujita.co.jp/blog-diary/より引用の伝書鳩(体長約33㌢)

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②-2.https://bait4crawl.exblog.jp/28195582/より引用の同性婚?のコクチョウ(体長約110〜140㌢)のカップル

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   人間だけでなく、鳥の世界にも「同性婚」の存在を知らしめたのが②-1.の写真の伝書鳩もそのひとつです。伝書鳩はドバトなどの鳩を飼い馴らし鳩の磁覚を使った帰巣本能を利用して遠隔地から鳩にメッセージを持たせて届けさせる通信手段の一種として改良された鳩です。原因はわからないのですが、同性愛は、メス同士が多く、オス同士は稀みたいです。そんな伝書鳩とは反対にオス同士が多いのは②-2.の写真のハクチョウの仲間のコクチョウです。もちろん雌雄のつがいの方が多いのですが、オス同士のペアが5~6%もいます。もちろん子供は産めませんが、メスを誘惑して一時的につがいとなり、卵を産ませ、ヒナが羽化しますと、メスを追い出しオス同士で郁雛します。その時に他のつがいの巣を乗っ取ることもあります。
抱卵はオスでもできるからです。人なら犯罪です。繁殖成功率は普通のペアで三割ですが、オス同士のカップルでは八割。この理由はオスの方が強いので、一番良い場所で繁殖できるからです。

③-1.https://koyomidori.net/2017/03/06/post-2703/より引用のつがいのマガモ(左がオス、右がメス共に体長約59㌢)

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③-2.https://www.photolibrary.jp/img476/305266_4549692.htmlより引用のつがいのアヒル(手前がメス、奥がオス体長約50〜80㌢)

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   人間でも鳥でも性欲の強い生き物は当然います。③-1.の写真はカモの仲間の代表的な種でありますマガモです。冬鳥として北海道から南西諸島まで全国的に渡来し、非繁殖期は、湖沼、河川、海岸に生息する。群れを形成して生活します。越冬中の10月末から12月につがいを形成し、春には雄雌が連れ立って繁殖地へ渡っていきます。繁殖期は湖沼、池、湿地の周辺の草地などに生息します。一夫一妻の性的二型のオスが派手な色合いで、メスはオスより地味で目立たない容姿です。しかし性欲が激しく、水上で数羽のオスが一羽のメスに群がり、メスを溺死させることもあります。そのマガモを改良致しましたのが、③-2.の写真の家禽のアヒルです。野生のマガモを飼いならして家禽化するうち、個体や品種にもよりますが、体が大きく重くなり、翼は小さくなって数㍍ほどしか飛ぶことが出来なくなりました。また、体形も太ったもの、直立して歩くものなど色々変化しました。その変化のうちに一夫多妻があります。やはり性欲が強く、血は争えないのか、発情期は早春から秋にかけてであり、水上や陸上など場所を問わず交尾します。メスを巡ってオスどうしが激しく争う事もあり、人間模様が垣間見る習性です。

④https://2ndart.hatenablog.com/entry/2022/04/24/221717より引用のエゾムシクイ(体長約12㌢)

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   ④の写真のウグイスの仲間のエゾムシクイは日本では夏季に繁殖のため北海道や本州、四国に飛来します夏鳥です。その仲間にはセンダイムシクイメボソムシクイキマユムシクイヤブサメです。 この仲間は非常に似通っており、姿だけではなかなか識別することが困難です。身体の目玉つ特徴はメジロよりやや小さな鳥で、眼上部にある眉状の斑紋の眉斑は細く黄白色です。急な傾斜があり崖が多い亜高山帯のブナ林や広葉樹と針葉樹の混合林等に生息し、食性は動物食で、昆虫類、クモ等を食べます。繁殖期につがいになりますと、巣作りはメスが行います。その時に、オスはメスの後ろをついてまわるみたいです。この時期、メスは受精可能な状態なので、浮気防止の様です。ツバメのオスから、浮気を聞いたのかも。

⑤-1.https://www.daily-tohoku.news/archives/37049より引用のオオセッカ(体長約13㌢)

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⑤-2.https://www.naturingnews.jp/?p=19524より引用のイワヒバリのつがい(左がメス 、右がオス共に体長約18㌢)

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   ⑤の項の鳥のつがいは人間にはいないかもしれませんが、鳥の世界には生息致します。夏季に青森県、茨城県、千葉県などで繁殖し、関東地方から瀬戸内海沿岸にかけての太平洋側で越冬し、雪の少ない葦原に広く分布していると考えられている留鳥の⑤-1.のオオセッカは、海岸や河口、湖沼の周辺にある湿性草原、アシ原などに生息します。分布域も限られた所ですが、一応に繁殖形態は一夫多妻と言われますが、実は一夫多妻は30%で、通常の一夫一妻は40%、オスの未婚は30%と、生息域によって変わるのではないかと言うことです。ヒナへの給餌はオスも行いますが、一夫多妻のオスでは繁殖ステージの先行している巣のみです。なんかありそうでなさそうだと思います。最後の⑤-2.の写真の留鳥のイワヒバリは日本では北海道と本州中部以北に周年生息いたします。繁殖地では岩場や残雪、草地などを歩き回り、樹木に止まることはあまりないと言う落ち着きのなさです。オスは群れの高順位のメスを中心に、全てのメスと交尾します。その回数は100回以上になることもあるようです。メスは群れの複数のオスと136回交尾した記録もありますということは、何もオスだけがハーレム状態ではなく、全体的に乱婚。

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