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第1138回 新・妖怪青鷺火(あおさぎのひ)

①https://ja.m.wikipedia.org/wiki/青鷺火より引用の青鷺火(あおさぎのひ)

   青鷺火(あおさぎのひ)は、サギの体が夜間などに青白く発光するという日本の怪現象。別名五位の火(ごいのひ)または五位の光(ごいのひかり)ともいいます。「青鷺〜」とありますが、これはアオサギではなくゴイサギを指すとされています。題名が題名だけに間違えるのは無理ありません。江戸時代の妖怪画集として知られる鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』や『絵本百物語』にも取り上げられ、江戸時代にはかなり有名な怪談であったことがわかります。この時代においては優秀作です。

②https://ja.m.wikipedia.org/wiki/青鷺火より引用の竹原春泉画『絵本百物語』より「五位の光」

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   この怪談話は化け柳と呼ばれる柳の大木に毎晩のように青い火が見えて人々が恐れており、ある雨の晩、一人の男が「雨の夜なら火は燃えないだろう」と近づいたところ、木全体が青く光り出し、男が恐怖のあまり気を失ったとあり、この怪光現象がアオサギの仕業とされていました。ある話によると、梅の木に毎晩のように龍燈(龍神が灯すといわれる怪火)が飛来しており、ある者が弓矢で射たところ、正体はサギであったという伝説もあります。青く光るのはアオサギだけではないです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/omoriohi.exblog.jp/amp/18839170/より引用の怖い顔のアオサギ(体長約93㌢)

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   題名が「蒼鷺」と冠名がついています③の写真のアオサギは、サギの仲間では最大級の体長約93㌢あり、夜中にその姿が蒼白く光れば、それは恐ろしい光景だと思います。しかしこの物語の主役は醍醐天皇より正五位の位を授かったというゴイサギです。豊臣秀吉が出世毎に名前を変えたように、ゴイサギになる前はホシゴイと言う幼名でした。野鳥で唯一成鳥になると名前が変わるのがゴイサギです。ゴイサギやカモ、キジなどの山鳥は夜飛ぶときに羽が光るという伝承があります。

④http://kurome.asablo.jp/blog/2013/10/10/7005285より引用の青鷺火は本当はゴイサギ(体長約58㌢)

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   ゴイサギが青白く光って見えた話などは、青鷺火のように青白く光るアオサギゴイサギの多くの目撃談が述べられているようです。サギは火の玉になるともいわれ、火のついた木の枝を加えて飛び、口から火を吐くという伝説もあり、多摩川の水面に火を吐きかけるゴイサギを見たという目撃談もあるようですが、ここまでくると怪談そのものです。実際に③のアオサギの写真や④のゴイサギの写真をご覧頂いても、この二種のどちらのサギが青鷺火の犯人かはどうでもよくなります。

⑤手前ゴイサギと向こう側アオサギ

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   実際のゴイサギアオサギの違いの様子はこの⑤の写真がわかりやすいと思います。なぜ犯人がゴイサギかと言いますと、アオサギは昼夜行生で、よく夏の夜中に私が住むマンションのベランダ向こうに飛びながら、大きな声で「グェー」と鳴かれたら驚いてしまうことがあります。ゴイサギは夜行性で、昼間は木陰で休んでいて、夜間水辺を徘徊しながら獲物を捕食します。この行動から考えると、やはりゴイサギが犯人なのかと言う気もします。しかし普段は可愛い顔をしています。

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