![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009289/rectangle_large_type_2_81d561cb79bc6e3625e0bb39e76d79f6.jpeg?width=1200)
第2246回 DNAインコハヤブサ兄弟も異端児か
①https://mag.anicom-sompo.co.jp/5174より引用の典型的な青と緑のセキセイインコ(体長約18㌢)
①の写真は飼鳥で可愛く、ひとの物真似や手乗りにもなりまして、実にひと懐っこいセキセイインコです。写真は代表的な種であります青と緑のダイプです。セキセイインコはインコの仲間で、漢字表記の和名の語源は日本に最初に来たセキセイインコの背が黄色と青だったことに由来し、漢字では「背黄青鸚哥」と表記致します。原産地はオーストラリア内陸部で、木がまばらに生えた乾燥地帯の原野に生息します。群れを作る性質が強く、大小様々な群れで行動します。食性は草食性で、主に地上で植物の種子を摂食します。真昼の日射が強い時間はあまり行動せず、採餌や水飲みは朝か夕方に行うことが多いです。そんなインコはオウム目の鳥で、オウムとインコは主として外観上の違いにすぎませんが、小形のもの、および大きさに関係なく全身が緑や赤など鮮やかな色彩に富み、尾が長いものを一般に「インコ」と呼びます。そのインコの仲間にDNA鑑定に於いて、今まで猛禽類のタカの仲間でありましたハヤブサとチョウゲンボウがくわわる結果となりました。
②-1.https://jp.freepik.com/premium-photo/blue-budgerigar-or-common-parakeet-or-close-up-of-the-face-with-cracked-beak_13526571.htmより引用のセキセイインコの顔アップ
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009308/picture_pc_cec83b47826601b0a8bf5f13c89664a6.jpeg?width=1200)
②-2.https://blog.goo.ne.jp/khp-owlets/e/810f467291513fbf92cf37b089e06141より引用のハヤブサの顔のアップ
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009318/picture_pc_291ce510c4095300fca2b4d4136ab0e0.jpeg)
日本鳥学会は、外見などからタカやコンドルに近いとしていた猛禽類の③の写真のハヤブサや④の写真のチョウゲンボウを「インコの仲間」と変更しました。特別天然記念物のトキも、コウノトリ目からペリカン目に変わりました。DNAの研究が進み、大きさや性格が異なる鳥たちの意外な間柄が分かってきました。トキと同じくコウノトリ目とされていましたフラミンゴは小型の水鳥カイツブリと、乾いた土地にすむミフウズラは海鳥のカモメと、それぞれ近い遺伝情報を持つことも分かりました。そう言われますと、本当に②-1.の写真のセキセイインコの顔のまんまるな眼と鼻筋は、確かに猛禽類としては優しい顔付きの②-2.の写真の顔にハヤブサに何処となく似ているようです。
③https://www.birdfan.net/2019/08/23/72839/より引用の凛として佇むハヤブサ(体長約42〜49㌢)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009326/picture_pc_79cf2f4206234886570696ae705a66dc.jpeg)
③-2.https://www.birdfan.net/2016/11/18/47603/より引用の飛翔するハヤブサ
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009347/picture_pc_f54dbb89b5fda26d41215ad9dad1fd48.jpeg)
③-1.の写真のハヤブサはタカの仲間でありながら、タカの仲間では以前からありませんでした。ハヤブサは「ハヤブサ」という独立した科を持っていまして、仲間には④の写真のチョウゲンボウがいます。そんなことを言ってしまえば、最初に異端児としましたミサゴは「ミサゴ」ノスリもチュウヒ、トビ、ハチクマ、クマタカもそれぞれの属を持っています。しかしながら、これらもタカという科仲間です。これらの猛禽類と違い、独立したハヤブサという科を持っているのです。その科の仲間にはやはりチョウゲンボウがいます。ハヤブサの漢字表記はすべて一字の「隼」「鶻」「鸇」で皆さんもお馴染みが「隼」です。名前の由来はハヤツバサは「早翅」「早翼」「速翼」もしくは「速羽」から転じたとも言われる程です。
④-1.https://www.birdfan.net/2019/05/31/71109/より引用のなんとなく可愛いチョウゲンボウ(体長約33〜38㌢)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009360/picture_pc_f4078f6a205b545a4d1c7eef20dae442.jpeg)
④-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32101000061より引用の飛翔するチョウゲンボウ
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009370/picture_pc_73a48017d528b9b989c850fff521d9dd.jpeg?width=1200)
可愛らしい顔をしていますハヤブサの後にご覧頂きましたのが、この④-1.の写真のチョウゲンボウでハヤブサとは兄弟かなとも思うほどです。ハヤブサ属に含まれていますので、似ていますは当たり前かも知れません。このチョウゲンボウの飛翔の姿を④-2.の写真でご覧頂いても、なるほどハヤブサの飛翔姿に似ていることをお分かり頂けると思います。チョウゲンボウの漢字表記は「長元坊」だけで、国語学者の吉田金彦は、蜻蛉(トンボ)の方言の一つである「ゲンザンボー」が由来ではないかと提唱していて、チョウゲンボウが滑空している姿は、下から見るとトンボが飛んでいる姿を彷彿とさせることがあると言われます。それゆえ「鳥ゲンザンボー」と呼ばれるようになり、いつしかそれが「チョウゲンボウ」という呼称になったと考えられています。トンボに見立てているのは、トンボはオスプレイの様なホバリングが出来ますが、チョウゲンボウもホバリングします。
⑤-1.https://www.birdfan.net/2019/05/31/71033/より引用の急降下時速390㌖の記録保持者ハヤブサ
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009385/picture_pc_a352d6908d8c97a5919a338739dd9816.jpeg)
⑤-2.https://blog.goo.ne.jp/tytomo200576/e/9d9d31a887dac057f3c129b7b20a8179より引用のホバリングして獲物を狙うチョウゲンボウ
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89009395/picture_pc_71cac9eac41f154eaa9f54ba2bd350ef.jpeg?width=1200)
ハヤブサは皆さんもご承知のギネス記録の世界最速飛行時速約390㌖を出すほどの世界一早く飛ぶ猛禽類として知られています。自然界でのハヤブサは、河川、湖沼、海岸などの周辺に生息していまして、獲物は飛翔しながら後肢で捕えたり、水面に叩きつけて捕えます。その時の水平飛行速度は時速約100㌖、また眼下の獲物を仕留めるための⑤-1.の写真のような急降下が先に出ました最速時速約390㌖で襲い掛かるわけです。獲物にとっては晴天の霹靂です。対する弟分のチョウゲンボウはハトくらいの大きさで、農耕地、原野、川原、干拓地、丘陵地帯、山林など低地、低山帯から高山帯までの広い範囲に生息致します。小さなノネズミや小型の鳥類、昆虫、ミミズ、カエルなどを捕食します。空中の一点に停まるホバリングを行った後、体を斜めにしながら急降下して地上で獲物を捕らえることが多いのが特徴で、ハヤブサの仲間ですが、飛翔速度は速くありません。しかし、その視力は紫外線を識別することが可能で、この能力は主食であるノネズミの尿が反射する紫外線を捕捉し、捕食を容易にさせていると推測されます。ハヤブサと異なり捕らえた獲物は周囲が安全ならその場で食べ、やはり違いはあります。