第1728回 鳥を考える
①https://www.photolibrary.jp/img450/133569_4271062.htmlより引用の鳥のイラスト
漠然的に「『鳥』とはなんなんだ」と問われましたら、あなたならどうでしょう。やっぱり身近なスズメ、ハト、カラス、ツバメなどの家からすぐに見れる鳥。家禽ではニワトリ、アヒル、また動物園にいるダチョウやクジャク、ペリカン、ペンギン、フラミンゴ。水辺のカモ、シギ、サギ、ウ、カモメ、アホウドリ、山にはヤマガラ、シジュウカラ、キツツキ、キジ、メジロ、アオバト。猛禽類では、トビやミサゴ、ツミ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、フクロウにアオバズクとか…
②-1.https://www.pinterest.jp/fuji4633/鳥/より引用の鳥の骨格標本
②-2.http://www.rakuwa.or.jp/otowa/shinryoka/seikei/sekitsui_shikumi.htmlより引用の尾椎図
②-3.http://www.torinobyouki.com/blog/2016/12/post-1-333078.htmlより引用の大指末節骨
⑴ 鳥類的特徴
1. 羽毛を持つ
2. 叉骨(癒合鎖骨→②-1.図の骨格)の存在
3. 尾椎(②-2.図)の数が23個以下
4. 竜骨突起(②-1.図参照)のある胸骨
5. 後肢の第一趾の末節骨(②-3.図)大指末節骨参照)が他の指と向かい合う
※ 獣脚類恐竜にも羽毛や叉骨が存在しますので、1.と2.は絶対的特徴ではありません。
③-1.https://illust-zoo.com/sample/structure/bird/188/より引用の鳥の身体の図解
③-2.https://kotobank.jp/word/気嚢-51307より引用の鳥の内臓
⑵ 形態上の特徴
1. 前肢が翼となっている (③-1.参照)
2. 鱗のある脚を持つ ( 〃 )
3. 気嚢が発達 (③-2.参照)
4. 骨が中空で、軽くて丈夫
5. 歯がなく、角質のクチバシを持つ
6. 爪がとがっている(ダチョウ、カイツブリなどを除く)
7. 砂嚢を持つ (③-2.参照)
8. 腸には大腸が無い ( 〃 )
9. 皮膚は薄い
10. 皮膚には汗腺が無く、尾腺が有る
11. 鳴管で発声 (コウノトリ、トキ、ペリカンの仲間は『鳴管』がない ③-2.参照)
④-1.https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=鳥の卵より抱卵している鳥のイラスト
④-2.https://jp.123rf.com/photo_18390059_鳥の群れをシルエットします%E3%80%82.htmlより引用の渡りをする鳥の群れ
④-3.https://jp.123rf.com/photo_8654418_黄色い目とノスリの頭%E3%80%82捕食性の鳥のイラスト-色の-b-w-のバージョン%E3%80%82.htmlより引用の高視力の鳥の眼
⑶ 生態上の特徴
1. 温血動物でありながら卵を産む
(脊椎動物の綱で胎生の種が一種もいないのは鳥類だけ)
2. 強固な卵殻を持った耐乾燥卵を産む
3. 卵を温める (抱卵)
4. 長距離を渡るものがいる (渡鳥)
5. 視覚が発達
6. 昼行性のものが多い (一部に昼夜行性も)
7. 水などを吸い込めない (ハトの仲間以外)
⑤https://kage-design.com/tag/鳥/より引用の鳥の属を表すイラスト
☆ 主な野鳥の属性の変化
1. ウ(鵜)科=ペリカン目→カツオドリ目 2. カイツブリ科(カイツブリ、ハジロカイツブリ、アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリ)=近縁種なし 3. カイツブリ目=フラミンゴ目に近種 4. カッコウ目=ツル目に近縁
5. カラス科=フウチョウ科のニワシドリ類、ゴクラクチョウ類に近縁
オーストラリア地域に多いので、カラスの誕生もこの地域か
6. カワガラス科=ミソサザイ科に近いとされるが、ツグミ科に近縁とする説も 7. キツツキ=ブッポウソウの仲間であり、オオハシ科にも近い 8. コマドリ=アカヒゲとはDNAで5%程度の違い
アカヒゲ、コマドリのグループはシマゴマ、コルリのグループとの違いは10%前後
アカヒゲ、コマドリのグループはヨーロッパコマドリと15%近く違う
9. コンドル=コウノトリに近い 10. スズメ=アフリカのハイガシラスズメに近い
11. スズメ目=オウム目に近縁
12. セグロセキレイ=インドのオオハクセキレイに一番近い
かつてはセグロセキレイとオオハクセキレイとの共通の祖先が広く分布していて、その後誕生したハクセキレイが分布を広げ、日本とインドだけに残った。(遺存固有種) 13. ツメバケイ(キジ目ツメバケイ科)=ハ科ト、クイナ科、ホトトギス科、エボシドリ科などに近縁とする説も
卵白蛋白質の電気泳動による比較研究では、ホトトギス科オオハシカッコウ亜科に含まれる 14. ノゴマ=ナイチンゲールに近縁。
15. ハクセキレイ=セグロセキレイと同種とする説もあったが、現在では異種説が有力
16. ハシビロコウ=コウノトリ目
コウノトリのように嘴を打ち鳴らす
首を縮めて飛ぶのでサギにも近い
サギと同じで粉綿羽を持つ
DNA鑑定ではペリカン目に近いとされる
現在は一種単独でハシビロコウ科
17. ハチドリ=遺伝子分析でヨタカから進化した 18. ハヤブサ=解剖学的にはフクロウ類に近い
遺伝子分析ではタカとは遠く、小鳥に近い
オウム目やスズメ目に近い
インコに近縁
19. ハヤブサ科=スズメ目、オウム目に近い 20. ペンギン=ミズナギドリ目と共通の祖先から水中生活に適応して進化
DNA分析ではミズナギドリやアビに近い
DNA-DNA交雑法分類体系ではペンギン目→コウノトリ目ペンギン科
アビと共通の祖先を持つ