第1096回 野鳥と俳句(3)
①https://www.nacsj.or.jp/2018/12/13985/より引用
②https://www.iyokannet.jp/ginkou/poet/detail/haiku_poet_id/8/より引用の山口誓子
9.山口誓子 (72)シギ 鴫(秋) 主にタシギ
刈跡や早稲かたがたの鴫の声 (松尾芭蕉)
(73)白鷺(夏)
美しき距離白鷺が蝶に見ゆ (山口誓子)
(74)ササゴイ(夏)
笹五位や山だの早苗やはらかに (中西悟堂)
(75)サンコウチョウ(夏)
三光鳥鳴きやみし尾を垂れにけり (秋風)
(76)サンショウクイ 山椒喰(春)
山椒喰松風絶えて鳴き澄める (水原秋桜子)
(77)シジュウカラ 四十雀(夏)
老の名のありともしらで四十雀 (松尾芭蕉)
かへるやら山陰伝ふ四十から (岡田野水)
(78)シメ(秋)
北風はげし鴲は梢よりこぼれ落つ (安田春玲)
③https://1000ya.isis.ne.jp/1247.htmlより引用の中西悟堂
10.中西悟堂 (79)ジュウイチ 慈悲心鳥(夏)
じひしんちょう(ジュウイチ別名) ジヒシンと鳴く
蚊も喰はで慈悲心鳥の鳴音哉 (高桑闌更)
(80)スズガモ 鈴鴨(冬)
鈴鴨の声ふり渡る月寒し (嵐雪)
(81)スズメ 雀(無季)
草紅葉何に飛び立つ雀かな (寺田寅彦)
雀の子(春)
雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る (小林一茶)
われと来て遊べや親のない雀 (小林一茶)
雀子や走りなれたる鬼瓦 (内田鳴雪)
(82)せきれい 鶺鴒(秋)
鶺鴒のなぶり出しけり山の雨 (小林一茶)
鶺鴒のとどまり難く走りけり (高浜虚子)
せきれい 石叩(秋)
セキレイの別名 尾を絶えず上下に動かす習性から
谷底を一つ歩けり石たゝき (原石鼎)
(83)セッカ(夏)
聞くならば 青田の雪加 夙く来ませ (川島彷徨子)
(84)センダイムシクイ(夏)
朝餉の座仙台虫喰をきくは誰 (水原秋桜子)
④http://gauss0.livedoor.blog/archives/2559150.htmlより引用の中村草田男
11.中村草田男 (85)たか 鷹(冬)
鷹一つ見つけてうれしいらご崎 (松尾芭蕉)
大北風にあらがふ鷹の富士指せり (臼田亜浪)
(86)タゲリ(冬)
畔ゆけばさとき田鳧がまず翔てり (秋湖)
(87)タヒバリ(秋)
たひばりの翔けて柴刈り来りけり (柳芽)
畔雲雀夕波あかりに見えにけり (中村草田男)
(88)タンチョウ(冬)
丹頂の朝日戴く冬至かな (吐月)
(89)ちどり 鵆
闇のや巣をまどはして鳴く鵆 (松尾芭蕉)
(90)チュウヒ(冬)
ちゅうひ翔つ朽木の白き原野より (紫蓮女)
(91)チョウゲンボウ(冬)
観音の鳩にとくなれ馬糞鷹 (小林一茶)
(92)ツグミ(秋)
鶫飛び斑雪に落す声短か (堀口星眠)
(93)ツツドリ(夏)
筒鳥を幽かにすなる木のふかさ (水原秋桜子)
⑤https://guideme.jp/pk/堀口星眠より引用
12.堀口星眠 (94)ツバメ 燕(春)
盃に泥な落としそむら燕 (松尾芭蕉)
大津絵に糞落しゆく燕かな (正岡蕪村)
海面の虹をけしたるつばめかな (宝井其角)
(95)ツミ(冬)
天辺に聴く風音やつみ翔てり (長沼末廣)
(96)トキ(秋)
鴇啼て雲に露ある山路哉 (拳白)
(97)トビ
流れ鳶ながし春日ゆるぎなし (上村占魚)
(98)トラツグミ(夏)
虎鶫累代の闇裏戸より (木村蕪城)
(99)とりくもにいる 鳥雲に入る(春)
春、渡り鳥の姿が雲間に入り、見えなくなる光景
鳥雲に入て松見る渚かな (加舎白雄)
(100)とりさかる 鳥交る(春)とか鳥の交尾など 寺山の霞の奥や鳥交む (青木月斗)