第1174回 鳥の棲む環境
①https://buncho-days.com/rearing008より引用のイラスト
①のイラストは文鳥が、おうちの中で暮らしているようなものですが、実際の文鳥のおうちはケージの中です。これは、インコの仲間であろうともケージが丸くて背が高いか、真四角なケージか、形こそ色々ありますが、自然の中で暮らしてはいないのです。家の中のケージで飼われていましたら、餌や飲水の心配や雨風から避難するようなこともありません。しかし、自然界に棲む野生の鳥となると、飼い鳥にはない天候のこともありますし、命の危険がある天敵の来襲もあるのです。
②https://www.photo-ac.com/main/search?q=スズメ&srt=dlrankより引用の都会で暮らすスズメとドバト
野鳥というのは野生の鳥のことを言いますが、野生と言っても、人の住む環境で共生でもないのですが、この②の写真のように、街中のスズメやドバトは人間から餌をもらったり、またそれに近いおこぼれを頂戴していることも確かです。ドバトやキジバトは地上採食の鳥ですが、スズメの棲み分けは本来なら、シジュウカラやヤマガラのように樹上採食の鳥のはずなのに、写真のように地上で採餌しています。同じようにハシブトガラスも樹上採食ですが、生ゴミ漁りに地上採食します。
③樹上採餌するヒヨドリ
また話しが前後しますが、ドバトとキジバトは地上採食しますが、同じハトでもアオバトは木の実が主食のために樹上採食します。同じように同じカラスでも山中や田畑に棲むハシボソガラスは地上採食して、菜食を好みます。以前にハシブトガラスより街中に現れていたハシボソガラスはその頃は屍肉を食べる肉食が主な雑食でした。③の写真は、春先にメジロやスズメなどと桜の花の甘い蜜を食べる菜食ですが、これらの樹上採食の野鳥は決して、地上で採食しなく、脚も細いです。
④http://photozou.jp/photo/show/145672/162318553より引用の水辺で採餌するアオサギ
同じ街中に進出した水辺の鳥にハクセキレイとイソヒヨドリがいます。ハクセキレイは河川で地上採食しており、現在ではドバトと同じようにコンビニの駐車場で、また磯辺で地上採食していたイソヒヨドリはマンションなどの人工物に現れ、これも地上採食で肉食中心。反対にヤマバトの異名を持つキジバトは街中ではドバトに習って地上採食しています。しかし④の写真のアオサギは魚採食のため水辺で、同じく魚採食のカワセミはダイブで射止めた魚類を樹上の枝の上で採食します。
⑤http://k-yatyou.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-66f9.htmlより引用のハヤブサの採餌
それでは猛禽類はどうなんでしょうか。⑤の写真はハヤブサが捕獲したツグミを採食しようと岩場に運びました。よく見るトビや、夜間に活動するアオバズクやフクロウも樹上で採食いたします。猛禽類になれなかったモズも獲物を樹上にて採食します。魚を主食のミサゴも樹上にて採食いたします。このように、自然界で暮らす野鳥では、空中で虫を採食するツバメは別として、人間が関わる餌は地上採食。また街中に来て、採食スタイルを変えるもの、変えないもの。食べ物次第です。