第1181回 難しい鳥用語 ⑵
①YouTubeより引用のイラスト
②https://www.lion-do.jp/blog/boushi/26より引用の鳥打帽士
(26) 鳥居(とりい)→神社の神域を象徴する一種の門。2本の柱の上に笠木 (かさぎ) を渡し、その下に貫 (ぬき) を入れて柱を連結したもの 笠木の下に島木 (しまぎ) のある明神鳥居の系統と、島木のない神明 (しんめい) 鳥居の系統に大別される ※1. 鳥居数(とりいかず)→稲荷大明神になるために狐が鳥居を飛び越える回数の意 経験の数 年功 場数 ※2. 鳥居障子(とりいしょうじ)→清涼殿の台盤所から鬼の間まで立て渡した衝立 (ついたて) 障子。柱の上部が鳥居の形をしている ※3. 鳥居反り(とりいぞり)→刀の反りの中心が刀身の中程にあり、全体が鳥居の笠木 (かさぎ) のような形をしたもの笠木反り 京反り ※4. 鳥居立ち(とりいだち)→両足を踏み広げて立ちはだかること 仁王立ち ※5. 鳥居棚(とりいだな)→床の間の脇に設ける棚の一種上に袋棚があり、下には、左右に低く中央に高く三枚の棚をかけたもの ※6. 鳥居旋毛(とりいつむじ)→二つ並んでいるつむじ ※7. 鳥居枠(とりいわく)→❶ 頭部を切り去った角錐形の木枠 中に石を詰めて防水工事に用いる ❷ 支柱の一種 両脚の頭部に横木を渡したもの 坑道などの支えに用いる (27) 鳥打ち(とりうち)→❶ 鉄砲で鳥を撃つこと またその人 ❷ 「鳥打ち帽子」の略 ❸ 弓の上部のいちばん反りの大きい部分の上辺部 射落とした鳥をここで打ったという ※ 鳥打帽子(とりうちぼうし)→狩猟などに用いたところから前びさしのついた丸く平たい帽子 ハンチング 鳥打ち帽 (28) 鳥占(とりうら)→卜占 (ぼくせん) の一つ 鳥の鳴き声、止まった枝の方向、飛ぶ方角などで吉凶を占った また、正月に小鳥の腹を裂いて、穀物が胃の中にあるかどうかで年占 をしたともいう (29) 鳥追い(とりおい)→❶ 農作物の害鳥を追い払うこと また、その仕掛け 鳥おどし ❷ 農村の小正月の行事の一 関東・東北地方などで行われる 多くは、子供たちが鳥追い歌をうたって、鳥追い棒と称する杓子や棒などで鳥を追うしぐさをする ❸ 門付けの一。新年に門口で、扇で手をたたきながら祝言を述べ、米銭の施しを得たもの 江戸初期、京都悲田院の与次郎が始めたという たたき たたきの与次郎 ❹ 門付け芸の一 江戸中期以降、新年に女太夫たちが、新しい着物に日和下駄・編み笠姿で三味線などを弾きながら、鳥追い歌を歌って家々を回ったもの ※1. 鳥追い歌(とりおいうた)→鳥追いの行事のときに子供たちがうたった歌のち正月の門付け芸人の女太夫の歌となった ※2.鳥追い舟(とりおいぶね)→水田に害を与える鳥を追い払うための舟 笛・太鼓などで囃し立て追い払う (30) 鳥威し(とりおどし)→農作物を荒らす鳥をおどして追い払うためのしかけ 案山子・鳴子など
③https://kurashi-no.jp/I0012767より引用の鳥兜
(31) 鳥飼い(とりかい)→鳥を飼って養うこと また、その人 ※ 鳥飼部(とりかいべ)→大化前代、鳥を朝廷に献上したり飼育したりした品部 ととりべ (32) 鳥影が射す(とりかげがさす)→鳥の影が壁などに映る 来客のある前触れという (33) 鳥頭の太刀(とりがしらのたち)→柄頭 (つかがしら) に鳥の頭をかたどった金具を付けた太刀。鷹飼いが用いたほか、儀仗 (ぎじょう) 用・奉献用ともされた とりくびのたち (34) 鳥兜(とりかぶと)→❶ 舞楽の襲装束 (かさねしょうぞく) に用いるかぶり物。鳳凰の頭をかたどり、厚紙に金襴・紅絹 (もみ) などをかぶせて作る曲により形式・色彩などが異なる ❷ キンポウゲ科の多年草 高さ約1m 葉は手のひら状に深く裂けている 秋、深紫色の冠状の花が集まって咲く また、ハナトリカブトなどを含め、トリカブト属の総称 塊根は猛毒であるが、漢方では主根を烏頭 (うず) 、側根を附子 (ぶし) といい、神経痛・リウマチなどの鎮痛薬に使用 かぶとぎく かぶとばな (35) 鳥口(とりぐち)→文杖 (ふづえ) などの尖端 (せんたん) の物を挟む所 ここに文書などを挟んで位の上の人に差し出した 鳥のクチバシに似ているところからいう
④https://www.google.co.jp/amp/s/www.saizou.net/blog/2019/03/21/post-5655/%3famp=1より引用の春先の曇り空
(36) 鳥曇(とりぐもり)→春、渡り鳥が北へ帰る頃の曇り空 (37) 鳥毛鞘(とりげざや)→鳥毛を装飾としてつけた槍の鞘 ※ 鳥毛の槍(とりげのやり)→鳥毛鞘 (ざや) の槍 ※ 鳥毛の槍(とりげのやり)→鳥毛鞘 (ざや) の槍 とりげやり (38) 鳥毛藻(とりげも)→イバラモ科の沈水性の一年草 池沼や水田中に生え、二股状に分枝し、葉は糸状 7~9月、雌花と雄花をつける (39) 鳥竿(とりざお)→先に鳥もちをつけて小鳥をとる竿 とりさしざお ※1. 鳥刺(とりさし)→❶ 竹ざおの先に鳥もちを塗って、小鳥をとらえることまたそれを職業とする人 ❷ 鳥肉の刺身 ❸江戸時代、幕府に鷹の餌 (え) にする小鳥を納めた者 またその配下 ❹ ❶を舞踊化した芸能 多くは正月の祝福芸として万歳 (まんざい) ・太神楽 (だいかぐら) 田植え踊りなどの中で行われる 鳥刺舞 (40) 鳥じもの(とりじもの)→副詞的に用いて鳥のように
⑤http://blog.livedoor.jp/halibako/archives/52040167.htmlより引用の鳥襷
(41) 鳥曹司(とりぞうし)→平安時代、宮中で飼育する鷹をつないでおいた所 内裏内郭の回廊の南東の角にあった (42) 鳥襷(とりだすき)→綾 や浮き織物の織り文様のひとつ 花菱を中心に、図案化された尾長鳥が二羽ずつ相対し、輪違いに連なっている文様 指貫 (さしぬき) や屏風の裏などに用いられる (43) 鳥無き里の蝙蝠(とりなきさとのこうもり)→すぐれた者や強い者のいない所で、つまらない者がいばることのたとえ (44) 鳥の脚(とりのあし)→❶ ウミユリ綱ゴカクウミユリ科の棘皮 (きょくひ) 動物 相模湾などの深い海底に固着して生息 外観は鶏の足を逆さにしたようで、多数の腕が冠状につき、全体が薄桃色で、多くの節がある ❷ 海藻のユイキリの別名 ❸シダのイノモトソウの別名 (45) 鳥の跡(とりのあと)→❶ 中国上古、黄帝の時、鳥襷 (そうけつ) が鳥の足跡を見て文字を作ったという故事からの文字 筆跡 また、手紙 「―ひさしくとどまれらば」〈古今・仮名序〉❷へたな文字や筆跡 「陸奥国紙 (みちのくにがみ) 五六枚に、つぶつぶとあやしき―のやうに書きて」源・橋姫〉