第1759回 渡鳥の中の旅鳥
①https://www.amunet.co.jp/character/sasurai_tabikarasu.htmlより引用の旅ガラスや旅鳥のイラスト
今回の旅鳥という鳥は日本ではツバメやカモの仲間と同じく渡り鳥の部類に入ります。渡り鳥という言葉は大抵の方がご存知だと思います。冬や夏になると何処からか飛んできて見かける季節の鳥というふうに認識されていることでしょう。もう少し詳しく説明すると、季節による、食糧や繁殖などの環境変化に対応するために長い距離を移動する鳥の事です。渡り鳥はどの季節によく見かけるかで、夏鳥や冬鳥などと呼ばれています。短距離を季節に応じて移動するのは漂鳥といいます。
②https://tabihon.jp/birdwatching/basic/watari/より引用の日本に於ける旅鳥の代表的なルート
日本に於ける旅鳥はある地域に定期的に渡る途中、日本よりも北の繁殖地と南の越冬地を往復し、春と秋に日本を中継する鳥を旅鳥と言います。また中継地の日本では繁殖も越冬もしない鳥のことをいい、その種はシギやチドリが代表種です。チョウシャクシギ、オオソリハシシギ、ハマシギ、ダイゼンなどが代表的です。またカモメの仲間のアジサシやヤマショウビン、ハイイロミズナギドリ、チゴハヤブサなども種別は少ないですが長旅の途中に日本各地に訪れ身体を休めます。
③https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/uchounotawagoto/diary/201903050000-amp/より引用の旅鳥の訪問イラスト
旅鳥にはシギチと呼ばれるシギとチドリの仲間が多いのは、この③のイラストでもムナグロだけがチドリの仲間で、ヘラシギもエリマキシギや②で紹介の四種もシギの仲間です。チドリの仲間ではコチドリとイカルチドリなどが有名です。その中でもアジサシはユーラシア大陸中部以北と北アメリカ大陸中部から東部の広い地域で繁殖し、冬はアフリカやオーストラリア、南アメリカ等の熱帯から南半球にかけての沿岸部で越冬します。その途中の休憩として春秋二回各地で観察出来ます。
④-1.https://www.kitakyushu-museum.jp/resources/1983より引用の関門海峡でのヒヨドリ(体長約28㌢)の渡り
④-2.https://hiyokoyarou.com/ohuro-hiyoko/より引用の温泉に浸かる鳥のイラスト
④-1.の写真はヒヨドリの関門海峡での渡りです。ハヤブサなどの猛禽類に襲われないように海面すれすれで飛行することで有名です。ヒヨドリは留鳥ではないのかと仰る方もあると思います。しかしそんな留鳥も生息域が寒冷地の場合、人でいうなら、温まるために④-2.のイラストのように、近場でいいから温泉地に行こうかというように、冬場に生息域より暖かく餌があるところに移動する鳥を漂鳥といいます。ヒヨドリだけでなく猛禽類はハイタカも餌を求める漂鳥の仲間です。
⑤https://buncho.in/photo/347630より引用の迷鳥のイラスト
まだまだ渡り鳥の仲間がいます。迷鳥(まよいどり、めいちょう)は悪天候などの特殊な事情で本来の生息地ではないところに飛来した鳥のことをいいます。いわゆる人でいう⑤のようなイラストの迷子になった渡鳥の事をいいます。群れからはぐれた渡り鳥の個体などが多いが、まれに他の地域の留鳥が迷鳥になることがあります。それがいくら国内でも迷鳥です。迷鳥で有名なのはアネハヅル、クロウタドリ、オオグンカンドリなどで、びっくりなのはアフリカのクロハゲワシがいます。