第692回 鳥の先祖
①https://www.kaseki7.com/z_column/dinosaur_bird.htmlより引用のイラスト
鳥の先祖となると、①二足歩行で骨が中空 ②左右の鎖骨が癒合した叉骨を持ち、尻尾がピンと張ります。 ③手の指が細長く、手の指は三本で繊維状の羽毛を持ちます。④肩が上下に動き、手首が上下左右に動いて羽軸のある羽毛を持つ。この四点までが獣脚類のティラノサウルスで、⑤非対称形の風切羽を持ち、足の親指が後ろを向く ⑥羽ばたいて飛行します。⑦尻尾が短く尾羽を持ち ⑧胸骨に竜骨突起が発達しているのが鳥類です。
②https://jp.123rf.com/photo_31402535_ティラノサウルス恐竜イラスト.htmlより引用のティラノサウルスのイラスト
主な派生形質とその主な種は⑴中空の骨は獣脚類のコエロフィシス ⑵叉骨はテタヌラ類のアロサウルス ⑶羽毛はコエルロサウルス類の中華竜鳥 ⑷尾椎の減少と半月形の手根骨はマニラプトル形類のオビラプトルと尾羽鳥 ⑸長い手と腕と
後ろを向いた恥骨はマニラプトル類のシノルニトサウルスとベロキラプトル ⑹飛翔能力は鳥類の始祖鳥 ⑺歯の喪失も鳥類の孔子鳥 ※鳥の骨は中空なので、化石として残りにくい。
③http://www.dd-lib.net/sort/index.htmlより引用の尾羽鳥のイラスト
獣脚類と鳥の共通点は、⑴叉骨と胸骨→獣脚類の多くは二つの鎖骨が付着した叉骨と胸骨があって、現在の鳥にも見られます。⑵肩甲骨→鳥も獣脚類も長くて薄い肩甲骨があります。⑶骨の質量→鳥も鳥に似た獣脚類も中空で薄い壁のある骨を持ち、体重が比較的軽い。⑷回転する手首→半月形をした手首の骨のおかげで、ドアのノブを回すよに手首を外に回すことができます。⑸手→鳥も、鳥に似た獣脚類も指を二本失っていて、残りの三本の指では中指が一番長い。⑹恥骨→多くの恐竜では恥骨は前に突き出ているが、鳥や一部の獣脚類では後ろを向いています。⑺脚→鳥と獣脚類は、筋肉と骨の構造により、後ろ脚二本での歩行となります。⑻足指→鳥と獣脚類は、前を向いた三本の指と第一趾を持ちます。 ※相違点:鳥類は卵巣は一つ、恐竜は二つです。
④http://paleontology.sakura.ne.jp/kousityou.htmlより引用の孔子鳥
その鳥類発生の起源は、⑴恐竜地上性仮説→樹上性の恐竜から進化したという説もありますが、樹上性のムササビなどは前脚と後脚を結ぶ皮膚が発達しています。コウモリにも前脚と後脚の間に膜があり、そして四足性であります。しかし鳥には前脚と後脚の間に膜などはなく二足性であります。また地上性より、走行性を暗示し、初期の鳥類では、後ろ向きの指がありません。⑵恐竜樹上性仮説→昆虫、翼竜、コウモリなど滑空が飛行の始まりで、恐竜は早成性で鳥も原始的な種は早成性。
⑤https://sp.seiga.nicovideo.jp/seiga/#!/im1238030より引用の始祖鳥のイラスト
孔子鳥→上腕骨に気嚢孔があり、胸骨が始祖鳥より発達。羽の色は黒で、羽の部分から銅が多く検出され、ユーメラニンの存在を示します。 始祖鳥→カラスやニワトリと同大。左右非対称の風切羽を備え、飛翔能力を持ち、初列風切羽6枚、次列風切羽10枚。歯は上顎に13本、下顎に6本列生していて、トカゲに似ます。尾椎骨は21個。鳥と共通点は風切羽と大きな胸骨、手首の半月状の骨、肩甲骨と烏甲骨が急角度で接する三放射型の後眼窩骨。相違点は歯を持つ(恐竜と違い鋸歯状の溝がない)、手に爪を持ち、手の指が癒合していません。恥骨の先が接触して尻尾が長いです。死んだ鳥の多くは翼が折りたたまれていますが、化石の鳥も折りたたまれていることが多いです。しかし始祖鳥は開いています。