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第1477回 かつては旅するハトがいた

①https://ja.pngtree.com/illustration-design/ハトより引用の旅するハトのイラスト

   「ハト」と二文字で簡単に言ってしまいますが、あなたは、この世界にどのくらいの種類のハトがいると思っておられますでしょうか。「ハト」と言えば、日常でもよく見かけるごくありふれた鳥なので、真剣に考えたことがない方は多いはずです。全世界に生息している「ハト」は321種類いると言います。その中に日本に生息している「ハト」はドバト(カワラバト)、キジバトアオバトカラスバトキンバトシコラバトベニバトの七種類です。亜種まで含めると13種になります。

②-1.https://db3.bird-research.jp/news/201603-no3/より引用のドバト(体長約33㌢)

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②-2.https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/docs/pages/rika/guide/bird/kijibato.htmlより引用のキジバト(体長約33㌢)

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②-3.https://zukan.com/jbirds/internal15218より引用のアオバト(体長約33㌢)

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   いま現在のところ、この日本に於いて『ハト』と言えば、公園や駅のロータリーなどの人の集まる所にいる②-1.の写真のドバトや、かつてはヤマバトと別名があり、その名の通り、山の麓に生息していましたが、開発の疎き目に遭い、今では街中に進出してきた②-2.の写真のキジバト、三番目はキジバトと同じく別名をヤマバトと名付けられた、鳩の仲間でただ一つの果実食である②-3.の写真のアオバトの三種が『ハト』と総称される馴染みのハトです。かつては渡鳥のハトもいました。

③http://labaq.com/archives/50930142.htmlより引用の鳥の大群

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   いま、この③の写真の鳥の大群をご覧になられた鳥の知識をお持ちの方は「これはムクドリの大群かもしれない」と思われると思います。また古い映画ファンなら、ヒッチコック監督の『鳥』の一場面かとも思われたりするかもしれません。今回の主役のリョコウバトは、アメリカ大陸開拓時代に、北アメリカには史上最多の渡り鳥がいました。それが今回のリョコウバトで、漢字表記は察しの通り「旅行鳩」です。鳩の仲間に渡りをするものはいませんが、この鳩だけは渡鳥でした。

④https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9671/?ST=m_newsより引用のリョコウバト(白黒写真、体長約40㌢)

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   もうその渡鳥のリョコウバトはこの世には存在いたしません。夏の営巣地のニューヨークから五大湖周辺にかけて、越冬地はメキシコ湾岸が主で、移動速度は時速約96kmにも及んだといいます。巨大な群れを作るのが特徴で、ウィスコンシン州の営巣地で、約2200平方kmに1億3600万羽が確認された例もあるようです。その全盛期の生息数は約50億羽いたといいます。また頭上を通過中のリョコウバトの群れが、まるで空を覆い尽くすかのように三日間途切れることなく飛び続きました。

⑤https://ja.m.wikipedia.org/wiki/リョコウバトより引用のリョコウバトのイラスト

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   そんな沢山いたリョコウバトは、何故絶滅してしまったのでしょう。特徴として❶  大群を形成するので、色んな被害続出  ❷  食肉にして美味  ❸  産卵数は一年に一個  が三大原因と言われます。この原因に加えて、さらに追い討ちをかけるかのように他の理由もありました。❹  アメリカ大陸への移住者の増加  ❺  リョコウバト狩りの流行  ❻  人口増加による土地開発による生息地の減少。この六つが原因とされます。大変珍しかった渡鳥のリョコウバト。今、ゲノム解析で復活の研究指導中。

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