第2129回 元祖ペンギン
①-1.https://www.aquamarine.or.jp/animals/common-murre/より引用の元祖ペンギンと呼ばれるオオウミガラス(体長約80㌢)の仲間のウミガラス(体長約42㌢)
①-2.http://town-g.net/shop/hokkyoku/より引用の「北極のアイスキャンディー」の店舗
唐突に申し上げますが、4月25日は世界ペンギンの日で、南極大陸に生息するアデリーペンギンが海へ移動する途中に、毎年この日前後にアメリカの南極観測基地「マクマード基地」を通過する事を祝い、ペンギン研究者が記念日と致しました。私の住む大阪には写真が前後しますが、①-2.の写真のアイスキャンディー専門店の「北極のアイスキャンディー」があります。店舗看板にペンギンらしき鳥が二羽並んでいます。なぜなんでしょうか、ペンギンは南極には生息致しますが、北極には白熊は生息致しますが、ペンギンはいません。ではこの店の看板はペンギンでないと致しましたら、どんな鳥という事になりますが、それはもしかしたら①-1.の写真のウミガラスの仲間であり、絶滅致しましたオオウミガラスかもしれません。
②https://www.hoshizaki.co.jp/penguin_island/penguin/sp/より引用の「人鳥」のモデルとなった?ジャイアントペンギン(体長約140〜160㌢)の予想イラスト
②のイラストは人間の身長と対比致しましたオオウミガラスとこれも絶滅致しましたジャイアントペンギン、いまも生息しています最大級の大きさのエンペラーペンギンです。よく難読漢字の出題で「人鳥」とか「企鵝」があり、前者はイラストのジャイアントペンギンの体長と人の身長がほぼ同じと言うことで、人間のように二足歩行する鳥と言うことで名付けられ、また後者は、爪先立つつまり爪先立って遠くを望むという意味の漢字が『企』とガチョウのような鳥という意味の『鵝』で、後者の「企鵝」の想像させる容姿は、私には、ペンギンではなく、ウミガラスの仲間かも。
③-1.https://www.hoshizaki.co.jp/penguin_island/penguin/sp/html/adelie.htmlより引用のアデリーペンギン(体長約70㌢)
③-2.https://www.hoshizaki.co.jp/penguin_island/penguin/sp/より引用のマカロニペンギン(体長約70㌢)
北極に生息していました唯一のペンギンとも言えるオオウミガラスがこのお店のキャラクターかもしれません。このオオウミガラスの学名Pinguinus impennisがペンギンの語源となった名を冠しています。19世紀半ばに乱獲によって絶滅し、今では標本と絵でしか見ることができませんが、その姿はペンギンそのもの。通常、ウミガラス類は普通に飛べるのですが、オオウミガラスだけは飛ぶことができず、そうした点までペンギンによく似ていました。そんなオオウミガラスと同じような体型をしていますのが、南極に生息するコウテイペンギン(エンペラーペンギン)と③-1.のアデリーペンギンと南極を取り囲むように分布しています③-2.のマカロニペンギンが当たります。顔の形からすれば、やっぱりアデリーペンギンが似ます。
④-1.https://blog.goo.ne.jp/torikichi14/e/9d3bceccbdc1a163ffafeccbd2f47fd8より引用の飛翔する右がウミガラスとハシブトウミガラス(体長約45㌢)
④-2https://manyamou02.exblog.jp/30187632/より引用の潜水するウミガラス
オオウミガラスは乱獲によって絶滅致しましたが、その遺伝子を持っています①-1.の写真のウミガラスもペンギンによく似た海鳥です。鳴き声が「オロロン」と聴こえることからオロロン鳥とも呼ばれています。北半球にのみ生息し、日本では北海道の天売島で、十数羽がつがいを作り繁殖しているのみで、日本では絶滅危惧種に指定されています。しかし、世界的にはまだ数十万羽が生息しています。絶滅したオオウミガラスはペンギンと同じように飛ぶことが出来なかったことが大きな要因です。しかし同じ仲間のハシブトウミガラスとウミガラスは③-1.の写真のように一般の鳥同様に飛ぶことが出来ます。またペンギンも潜水して泳げるように、ウミガラスやハシブトウミガラスも③-2.の写真のように、水掻きで水上を泳ぎ、獲物を狩に水中に潜る時には翼を羽ばたきます。
⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/taka_owl_bb/e/cb05e99b45192cefe409945afa2c2ad6より引用の抱卵中のハシブトウミガラス
⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/mainichi.jp/articles/20191108/k00/00m/040/018000c.ampより引用のウミガラスの子育て
絶滅が心配されるウミガラスの仲間ですが、繁殖は崖の上で行い、巣は作らず岩の上に直接卵を産み温めます。卵は青い色をしていて、形は鶏の卵より細長く一端が尖っています。これは岩の上で転がっても、下まで転がっていかない様にするためです。狭い崖ぶちでの抱卵は緊張を伴いますので、雌雄交代で行います。目の後ろの白いラインは、大西洋に分布する個体の特徴であり、日本の野生個体には入っていないのは不思議です。国内唯一の繁殖地である北海道羽幌町天売島で2019年ヒナ23羽が巣立った模様。環境省羽幌自然保護官事務所によりますと、巣立ちの成功は9年連続で、巣立数は過去20年の調査で最多となりました。