第881回 夫婦の鑑の『ツル』と『ハクチョウ』も調べよう
①http://tajimamori.com/roppo/roppo1903-01.htmlより引用の『ツル』と『ハクチョウ』(左側はマナヅル体長約127㌢、右側オオハクチョウ体長約140㌢)
『ツル』とか『ハクチョウ』という身体の大きな野鳥こそ、一度つがいになると死ぬまで、そのつがい関係を一生続けるといいます。『ツル』にしろ『ハクチョウ』にしろ1mを超える野鳥ですし、大きな身体ゆえに、昔からいろんな人や所で観察されています。『ツル』は「たづ」でタンチョウ、マナヅル、ナベヅル、クロヅル、アネハヅル、ソデグロヅル、カナダヅルの七種。『ハクチョウ』は「クグイ」で、オオハクチョウ、コハクチョウ、コブハクチョウ、コクチョウの四種。
②身近な『ハクチョウ』のコブハクチョウ(左側がオス、右側がメス、体長約142㌢)
『ツル』は地上生活で地上に営巣します。長寿命で知られることから「鶴は千年、亀は万年」のことわざさえあります。日本では北海道の釧路湿原とその周辺に留鳥として生息するタンチョウのほか、山口県周南市や鹿児島県出水市などに冬鳥として渡来するナベヅル、マナヅルがいて、いずれも天然記念物に指定されていて、この他、クロヅル、アネハヅル、ソデグロヅル、カナダヅルなどがごく稀に飛来します。『ツル』は後趾が短く枝には止まれません。コウノトリと間違われます。
③「鶴の恩返し」の『ツル』のタンチョウ(左側がメス体長約130㌢、右側がオス体長約140㌢)
ただ単に水鳥と思われがちのカ『ハクチョウ』は実は『カモ』の仲間で、マガンやガチョウとも仲間です。『ハクチョウ』は今現在で、空を飛ぶ鳥の中では最大級の重量を有しています。おとなしい印象もありますが、子育て中の野生種は警戒心が強くなっており、ヒナを捕まえようとした人間を追い払う例も報告されています。日本語の『ハクチョウ』は、文字通り「白い鳥」という意味ですが、総称に反してその仲間には「黒い鳥」であるコクチョウも存在します。渡鳥が基本です。
④オオハクチョウとよく似たコハクチョウ(奥側がオス、手前側がメス、共に体長約120㌢)
『ツル』といえばタンチョウが思い浮かびます。 『ツル』で最大級の大きさです。頭頂の赤い部分は肉瘤という小さな肉の瘤の集まりが裸出したもので、この瘤は表層にある無数の毛細血管が流れているため赤く見えます。興奮すると大きく2~3倍に色鮮やかになります。この肉瘤は幼鳥にはありません。風切羽は2~3年に一度、一斉に抜け、
一ヶ月ほど飛べなくなりますが、大きい故なのでしょう。足指の裏は黒か肌色。雌雄で抱卵しますが、夜はメスのみ。日中はオス六割です。
⑤https://blog.nissan.co.jp/DEALER/UPLOADS/2600/18/4325444695c318241ce9ab.jpgより引用のナベヅルのつがい(手前側がオス、奥側がメス、共に体長約96㌢)
『ハクチョウ』は日本には最大級のオオハクチョウとコハクチョウが越冬のために渡来し、北海道や本州の湖沼、河川等で過ごします。晩秋から初冬に渡来し、春には飛去します。もう一種のコブハクチョウは外来種で日本に持ち込まれ、各地の公園の池に飼われていましたが野生化しました。身近な外来種のドバトと同じです。現在は「白鳥」という漢名が一般的ですが「くぐい」の古称をもち「日本書紀」垂仁天皇の条などに記載があり、ヤマトタケルは、死後に白鳥になりました。
⑥https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32236002068より引用のクロヅルのつがい(左側がオス、右側がメス、共に体長約114㌢)とヒナ
『ツル』と『ハクチョウ』の素晴らしさは、つがいになると、二種とも一夫一妻を守ります。多くの鳥の約92%がそれに当たるといいます。進化した鳥に多く、晩成性の鳥に多いです。普通は樹上、崖などで営巣する鳥に多く、生きた魚を捕る鳥に多いといいますが『ツル』の食性は雑食性で小動物から植物の果実まで、いろいろなものを食べ、巣は地上です。食性は主に水生植物の葉や茎・根を食べますが、昆虫や貝類などの無脊椎動物を食べます。地上の岸辺や中洲に営巣します。