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第2267回 身近なカラス
①https://www.gtuber.com/676.htmlより引用の身近なカラスのハシブトガラス(体長約56㌢)とハシボソガラス(体長約50㌢)
いまとなりましたら、この二種の「カラス」は①のタイトル写真のハシブトガラスとハシボソガラスのことを指しています。その昔はこの二種が存在致しますのにひとつの呼び方で「カラス」とし、またその漢字表記には『烏』を当てはめ、また同じく全身が黒い「ウ」の漢字表記も『烏』と致しました。黒い鳥で、眼がどこに有るかわかりませんので、鳥の目の部分を減らしたと言われます。そんな大雑把な時を経て、今では「カラス」と「ウ」を区別する為か、カラスを「鴉」を表記が増えました。それだけ黒い鳥は判別しにくい。
②-1.https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B9%28%E9%B3%A5%29-1519294より引用の日本の七種のカラスのイラスト
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②-2.https://www.birdfan.net/2005/09/05/1149/より引用のカササギ(体長約45㌢)
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この②-1.のイラストの日本のカラス七種には誤りがあります。上部の真ん中のベニハシガラスはアフリカやイギリスや西・南ヨーロッパに分布するカラスで、訂正と致しましては②-2.の写真の別名「カチガラス」ことカササギになります。カササギは日本では北海道、新潟県、長野県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県で繁殖が記録され、分布にはばらつきがあるカラスです。ミヤマガラスとコクマルガラスは越冬のために渡ってくるカラスで、この渡りの中にコクマルガラスが混じって飛来してきます。この七種の中で身体が一番大きなワタリガラスも越冬のために北海道に飛来致します。五種目のホシガラスは日本では四国以北の高山帯から亜高山帯に生息する留鳥です。カラスの仲間には全身黒くない種もいます。ということはミヤマガラス、コクマルガラス、ワタリガラスの三種は渡鳥、カササギは生息地域が限定され、ホシガラスも高山のカラスという事になりましたら、必然的に二種しか残らないです。
③https://www.birdfan.net/2016/04/15/42549/より引用のつがいのハシブトガラス(左がオス、右がメス)
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③の写真はつがいのハシブトガラスですが、街中で見かけるカラスはほとんどこのカラスです。漢字表記には「嘴太烏」が使われ、そのままの「クチバシが太いカラス」となります。日本では留鳥として、小笠原諸島を除き全国で、低地から山地まで幅広く分布致します。ハシボソガラスとの違いは❶ クチバシが太い ❷ おでこが出っぱっている ❸ 「カー」という鳴き声などです。元来は森林に住むカラスであり、現在も山間部など森林地帯に広く分布していますが、近年日本では都市部において急速に分布を拡げました。食性は雑食で、昆虫や木の実、動物の死骸など、あらゆるものを食べます。特に脂質を好み、石鹸や和蝋燭を食べることもあります。また、スズメなどの小鳥やネズミ、リス、昆虫、鳩などの生きた小動物を捕食することもあります。主に電柱や高木上など高所から地上を見下ろして餌を探し、餌を見つけると下りて行ってとり、高所に戻って食べます。
④https://www.birdfan.net/2017/08/18/54866/より引用のつがいのハシボソガラス(左がメス、右がオス)
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日本では、ほぼ全域の平地から低山に分布する留鳥が④の写真のハシボソガラスです。ハシブトガラスと同じく雌雄同色で、外から見える羽は黒いですが、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットのように白く柔らかな羽毛で、寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをします。❶ クチバシが細く上クチバシがすっきりしている ❷ クチバシの上額が出っ張っていない ❸ 鳴き声が「ガーガー」と少し濁っていること の三点で、鳴く際にはハシブトガラスは尾を上下に振るのに対し、こちらは下腹や背の羽毛を逆立て、頭部を突き出して鳴き声に合わせてお辞儀のように頭を上下に動かすことなどで判別できます。食性は雑食で、昆虫類、鳥類の卵や雛、小動物、動物の死骸、果実、種子などを食べます。ハシブトガラスよりも比較的植物質を好む傾向で、ハシブトガラスと違って地面を交互に脚を出して歩くウォーキングする時間が長いため、地上採食も致します鳥です。
⑤https://note.com/hiho2351/n/ncfed8e6148e8より引用の左がハシボソガラスと右がハシブトガラス
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⑤の写真をまじまじと見ますと、仲は決して悪くはないと思われるはずです。一緒に肩を並べて歩いているのですから。しかし、実態は仲は良くないことは事実ですから、この写真は非常に貴重な一枚となります。ハシブトガラスは以前には森林に住むカラスで、木の天辺から周りを見渡し、餌を探すタイプで、別に一個体やつがいで縄張りを持つということはなしに、森林から街中のビル街の屋上からでも、辺りを見渡し、生ゴミを漁ることができますから、森林からやって来た侵入者なのです。なぜ二種のカラスは仲が良くないかといいますと、先に述べたようにハシブトガラスは侵略性の強いカラスで、反対にハシボソガラスは河川敷や農耕地など開けた環境に生息します。極度に都市化が進んだ地域や高山帯ではあまり見られません。つがいで年間を通して縄張りを持ちます。年中に縄張りを持つハシボソガラスが、侵略性の強いハシブトガラスと反りが合うはずがありません。しかし、両種とも知能が高く、鳥の世界では身体の大きなほうが強く、喧嘩は避けます。しかし、田園風景での鉄塔での営巣を巡る争いては常にハシブトガラスが優っていると思います。