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第715回 バンパイヤバード

①https://matome.naver.jp/m/odai/2140790188277977801より引用の吸血鳥ハシボソガラパゴスフィンチ(体長約20㌢)

   この①の写真をご覧になって、ああこの小さそうな野鳥は何か真っ赤な木の実を食べて、その果汁か何かで、クチバシが赤く染まっているのだと思っておられる方は普通の考え方をお持ちだと思います。しかしそれは事実に反しており、実際はこの野鳥のクチバシが赤く染まっているのは、ほかの野鳥から血を吸っていたので、こんなに赤く染まったクチバシになってしまったのです。えっそんなこの世の中に、吸血コウモリやマダニや蚊なんかはご存じでしょうが、吸血鳥がいます。

②https://dic.pixiv.net/a/ピトフーイより引用の毒鳥ピトフーイの一種ズグロモリモズ(体長約25㌢)

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   いままでいろんな野鳥を語ってきましたが、日本にも生息するものから、世界にはこんなにって思う野鳥までいました。自分の周りに警戒心を張り巡らせて、その感覚がピークに達すると、その強力な脚力で人まで蹴り殺すことのできる殺傷力を持つヒクイドリとか、天敵に自分がどれだけ危険な餌であるかということを羽毛に含ませた猛毒で示すこの②の写真のピトフーイ。この野鳥は六種からなる毒鳥の総称で、この仲間たちは非常に身体の色が派手に出来ている危険な野鳥です。

③https://blog.goo.ne.jp/fagus06/e/b00e2a07a21d34e9f08b0be55df86131より引用の冬眠する野鳥プアウィル(体長約20㌢)

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   また天敵に害や危険を及ぼすのではなく、野鳥の常識としては有り得ない形態をとっている野鳥も数多くいます。野鳥にはどうしても産まれた地が寒冷なために越冬するためにやってくる冬鳥と反対に暑い地に生まれて繁殖のためにやってくる夏鳥などの渡り鳥。あの夏鳥のツバメや冬鳥のツグミみたいな。しかし世界にはその移動には危険が伴なうとして、哲学者アリストテレスは『動物誌』の中で「ある種の鳥は冬ごもりする」と言います。それが③の写真のプアウィルです。

④https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/235552/blog/37625912/より引用の蛇に擬態するアリスイ

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    なんだ世界のことではないかって思っていますと、実は日本にも変わった野鳥いや珍鳥がいるのです。本当のこの野鳥の前世が爬虫類だったけど、何故か野鳥に産まれてきて、その爬虫類、特に蛇の恐ろしさを知り尽くしているから、野鳥でありながら、蛇の姿に擬態していたら、天敵も驚いて逃げだしてしまうだろうって思ったのかは知りませんが、この④写真のように、身体の模様も爬虫類そっくり、舌もチョロチョロ。この野鳥はキツツキの仲間のアリスイです。

⑤https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32258001351より引用の吸血鳥ハシボソガラパゴスフィンチ

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   この①と⑤の写真の野鳥は長い名前のハシボソガラパゴスフィンチです。文鳥の仲間です。本来なら樹木の実や植物の種を食べていましたが、地球温暖化の影響で起きたエルニーニョ現象で食べ物が一気に減ってしまいました。日本でも食べ物が少なくなる秋口には植物食のスズメメジロなんかでも、虫などのタンパク質を摂取します。このハシボソガラパゴスフィンチカツオドリの体についた寄生虫を食べようとして、傷ついた身体から出た血を吸ってその味を覚えたと言います。

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