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第803回 水鳥の秘密

①https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/2465789/entry-12347952297.htmlより引用の氷の張った湖でも平気な水鳥

   以前にも同じようにペンギンの寒さに強い身体の構造の秘密を語りましたが、この回は身近にいる水鳥たちの水辺の生活での秘密を語りたく思います。この場合の水鳥とは、フラミンゴやサギなどの水上を歩いて採餌する水鳥ではなく、水上を蹼(みずかき)を使って泳いでいる水鳥や、水中に潜って採餌する野鳥のことを示します。水鳥はオシドリをはじめとして、カルガモカイツブリカワウなどの留鳥たちや、マガモヒドリガモの淡水ガモ、スズガモなどの海ガモが対象です。

②https://www.istockphoto.com/jp/ベクター/セットの発汗と熱い夏の黒ペンギン-gm1006499624-271637403より引用のイラスト

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   ②のイラストはペンギンが発熱した様子ですが、実際には鳥は汗腺がないので、汗をかいて熱を下げることはありません。ペンギンの平熱は40°近くありますし、また南極の冷たい海水に最長27分間も潜る際には、体温をわざと上昇させたり、下げたりとコントロールできるみたいてす。これはあくまで、極寒の地に住むペンギンだけのことであって、私たちの身近に住んでいるマガモをはじめとする水鳥たちには、別の秘密があって、氷上を歩いても水上を泳いでも何時も大丈夫です。

③https://biome.co.jp/biome_blog_055/より引用の水の中のマガモ(体長約59㌢)

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    ③と④はマガモのオスの成鳥とそのヒナたちです。マガモは越冬地の日本では繁殖しませんが、カルガモなどの留鳥は春から夏でまだ幼鳥の時期に寒い冬を迎えるわけです。カモなどの水鳥は撥水性の高い良い羽毛を持っていて、その仲間の家禽であるアヒルなどの羽毛は私たちのダウンジャケットとして採用されています。その羽毛を持った張本人の水鳥たちの上半身の保温はわかりますが、水鳥たちには鷲鷹のように脚に毛が生えていないし、もしあったとしても水中では不要です。

④https://omoshiro-zatsugaku.com/ikimono/カモはずっと水上にいるけど、冷たくないの?/より引用のマガモのヒナ

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   鳥類まで含めた恒温動物は、体温を一定に保つ機能が備わっています。外気温が低いときは、体をブルブル震わせて、体温が下がらないようにします。しかし、もっと寒い場合は、それだけでは対処できないため、手先や足先など体の末端部分の血管を収縮させることによって、外気の影響を受けやすい、体の末端部分を流れる血液の量を少なくし、体温が下がるのを防ぎます。しかし長時間続けていると、血行不良になりしもやけを起こします。そして組織が破壊され凍傷になります。

⑤https://biome.co.jp/biome_blog_055/より引用のワンダーネットの図解

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   カモをはじめとする水鳥には、胴から足先に向かう血液を運ぶ動脈に、足先から胴に向かう血液を運ぶ静脈が絡んだ構造になっています。この部分で、足先から胴へいく血液は暖められ、胴から足先へ向かう血液は、冷やされます。この構造により、外気に奪われる熱量を減らすことができるのです。この機能があるために、カモは、冷たい水に足をつけていても、体の深部まで冷やされにくくなっていて、体温を正常に保つことができるのです。この身体の構造がワンダーネットです。

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