第2243回 異端児ミサゴ
①https://www.birdfan.net/2020/02/21/77321/より引用の魚を捕獲したミサゴ(体長約55〜63㌢)
自分でもよくこんな①のタイトル写真のような「異端児ミサゴ」とこんな可哀想なことを冠にするなあと思います。ミサゴの漢字表記は「鶚」「雎鳩」「鵃」「魚鷹」と私の好きなカワセミやモズのようにたくさん持っていまして、普通なら、ウオタカが一番ふさわしいように思えます。また英名ではかっこよくOsprey、Fish Hawk、Fish Eagleでオスプレーは日本でも活躍します米軍の軍用機にもミサゴの名前が使われているほど有名です。写真のように魚を両趾でガッチリ掴んで運んでいるタカのような鳥を見ましたら、まずはミサゴと見て良いと思います。ミサゴの分布は繁殖地のヨーロッパ、アフリカ北部、アジア、オーストラリア、北アメリカ、中央アメリカ、太平洋の島々などで、冬になると南アメリカやアフリカ南部まで渡ります。日本では九州以北の海岸、河口、大きな湖沼などの近くで繁殖します。『万葉集』にミサゴの名が登場する歌が六首もあるように、日本では古くから人々にとって身近な鳥であります。『異端児』は魚を主食とするからです。
②https://www.birdfan.net/2019/08/02/72539/より引用の杭に止まるミサゴ
ミサゴの名前がウオタカで有れば、わかりやすい魚を主食とする鷹であることがわかるのですが、それが「ミサゴ」とは名前からしましてもどんな鳥なのか分かりません。また和名の由来は様々な説があり水を探るが転じたとする説や、獲物を捕らえる時の水音が由来とする説で、西日本では水面に突入する音から、本種のことを「ビシャ」または「ビシャゴ」と呼んでいる地域もあるくらいですが、アメリカの有名な垂直離着陸機の愛称でもあるオスプレイはその飛ぶ姿がこの飛行機の発着のスタイルに誠によく似ています。日本ではなくはっきりせず、英名は誠にスッキリしてます。
③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2022090300182&g=intより引用の軍用機オスプレイ
③-2.https://dailynewsagency.com/2020/01/04/osprey-hunt-dive-photos-chen-dg1/より引用の着水直前のミサゴの連写
③-1.の写真の軍用機オスプレイはミサゴの飛行スタイルを真似て作られたことだけあって、ミサゴがあの身体の大きさで、ホバリングすることは、オスプレイもヘリコプターなように空中で一時停止出来るようになっていますし、オスプレイに出来ないことは、③-2.の写真のように翼をダイブ直前で折り畳み、水中の獲物であります魚を捕獲して、そのあとV字ターンで、宙へと舞い上がります。また猛禽類の条件であります鋭い鉤状のクチバシと鋭い鉤爪ももち合わせていますが、タカ科と区別される特徴として、スパイクルと呼ばれる足の外側にあります魚を捕らえるための棘、反転する第一趾は猛禽類ではミサゴだけで、鼻孔の弁、密生し油で耐水された羽毛があげられます。
④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/www.pinterest.com/amp/pin/435582595190861566/より引用の左が正足で右が対趾足のイラスト
④-2.https://plaza.rakuten.co.jp/trial3/diary/201511220000/?scid=wi_blg_amp_diary_nextより引用の可変対趾足のミサゴ
やはり、前項でも少し説明致しました「反転する第一趾は猛禽類ではミサゴだけ」といいますのは、殆どの鳥は④-1.のイラストの正足ですが、猛禽類も正足です。しかし、ミサゴは獲物の魚を捕獲致しましたら、縦に魚を両趾で掴みますので、④-2.の写真の左趾は正足ですが、魚を掴んでいる右趾は第一趾が前にあったものが後ろにまわり、対趾足になります。正足から対趾足に自在に変えることができるのはミサゴだけです。また狩のしかたも、獲物を見つけると素早く翼を羽ばたかせて空中に静止するホバリング飛行を行った後に急降下し、水面近くで脚を伸ばし両足で獲物を捕らえます。猛禽類では唯一ミサゴだけが出来ます。
⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/yukiran0405/entry-12347978145.htmlより引用の獲物を食べるミサゴ
⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/www.cnn.co.jp/amp/article/35114389.htmlより引用の『鶚鮨』に似た「なれずし(鮒鮨)」
「みさご寿司」とネット検索しますと、多大なページが検索されますから、この名を屋号に持つ寿司屋さんが全国に少なからず点在することがわかります。それほど魅力的な「寿司」なのかもしれません。ミサゴは捕らえた魚を貯蔵し、漁が出来ない際にそれを食すという習性があって、その貯蔵された魚が自然発酵することにより『鶚鮨』になると伝えられています。この発酵寿司の事はをなれずしといい、魚を飯に漬けて発酵させたもので、今でも滋賀県の琵琶湖の鮒鮨は癖のある鮨。