第1515回 カウボーイの鳥それともマフィア?
①https://www.istockphoto.com/jpより引用の野鳥のカウボーイのイラスト
以前にも紹介致しましたが、コウウチョウという名の鳥がいます。和名を漢字表記致しますと「香雨鳥」で、日本に生息しているウグイスの仲間のヤブサメ(漢字表記「藪雨」)とよく似た雨好きの野鳥かと思ってしまいます。コウウチョウの名前の由来は英名の"cowbird”が、"cow”(雌牛)と”bird “(鳥)を合わせた造語で「牛の群れについて回る」習性から、創られたものだと思われます。彼らは、牛が歩くときに草むらから虫など飛び出すので、それを捕食する『カウボーイ』共生鳥です。
②-1.https://www.pinterest.cl/pin/146789269093878146/より引用のコウウチョウのオス(体長約19㌢)
②-2.https://www.pinterest.cl/pin/146789269093878146/より引用のコウウチョウのメス(体長約19㌢)
この"cowbird”とこと、コウウチョウは何故か頭に引っかかるものがありました。漢字表記の名前も雨が香る鳥で「香雨鳥」ですし、また"cowbird" の名前よろしく、移動する雌牛の後ろから、草中から飛び出す虫を捕食するなんて、日本の野鳥に例えましたら、田植えの前後に田んぼを耕運機で耕したあと、アマサギが集団で、土中から穿り出された虫を捕食する姿に似ているからです。また、オスが派手な色合いで、メスが地味な色合いという性的二型はやはり日本のある鳥に似ます。
③http://opipo.blog.fc2.com/blog-entry-139.htmlより引用のイソヒヨドリのつがい(左がオス、右がメス、共に体長約25㌢)
③の写真は最近では、街中に進出している野鳥のイソヒヨドリ。イソヒヨドリの名前の由来は「磯辺のヒヨドリに似た鳥」で漢字表記が「磯鵯」です。コウウチョウと同じく、オスが派手な色合いで、メスが地味な色合いの性的二型です。また、コウウチョウが地上性の採餌に対して、やはりイソヒヨドリも同じく地上採餌して、肉食の野鳥です。イソヒヨドリは「ヒヨドリ」とは付きますがヒヨドリの仲間ではありません。ヒヨドリは歌の上手なクロウタドリと同じツグミの仲間です。
④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/オオクロムクドリモドキより引用のオオクロムクドリモドキ(写真はオス体長約33㌢)
私はパソコンでなく、スマホで色んなことを調べたり、写真やイラストをお借りしています。いくらスマホで潜っても、コウウチョウのさえずりは現れません。もしイソヒヨドリみたいに雌雄揃ってさえずりが上手ならと思います。しかしコウウチョウはツグミの仲間ではなく、④の写真のオオクロムクドリモドキのようなムクドリモドキの仲間です。種属はホオジロと遠縁みたいです。ホオジロのききなし「一筆啓上仕り候」があります様に何故かコウウチョウの鳴き声が気になります。
⑤https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=01808019248より引用のコウウチョウに托卵されたキイロアメリカムシクイ(体長約13㌢)
日本のホトトギスが文学の世界で有名な野鳥でもあり、ききなしでも「特許許可局」でも有名ですが、カッコウなどの仲間と自分達だけで子育てをせず、他の野鳥に我が子を育てさせる托卵をこのコウウチョウも企てます。⑤の写真はやはり自分達より小さな日本でいう遠縁のウグイスの仲間のキイロアメリカムシクイの営巣に托卵を仕掛けます。雌牛を追いかけ採餌する生活ですから、いちいち営巣など出来ないとでもいいたげです。しかも托卵を排除されるとその巣を破壊する様です。