第1043回 オス鳥の決めポーズ
①http://irasutoya.blogspot.com/2014/02/blog-post_25.html?m=1より引用のプロポーズのイラスト
人間たちの世の中には、①のようなプロポーズの際に、自分が貰っている給料の半年分だとかを、付き合ってこの人と思って「結婚してください!」とこんな指輪を贈る人がいます。しかし、鳥たちには、そんな人間みたいにお金を稼いで指輪を手に入れる事が出来ない故に、鳥たちが出来ることを、繁殖期につがいにしたい相手に想いの丈を行動で示す。それが美しいさえずりであったり、母衣打ちやドラミング、クラッタリングだったり、指輪の代わりの求愛給餌だったりします。
②http://wakakusa3.sakura.ne.jp/HP8171.htmより引用のカワセミの求愛
②の写真はカワセミのつがいです。冬は単独行動が多いカワセミは早春の三月~四月には繁殖期に入り、巣づくり、求愛給餌、交尾と大変忙しい時期を迎えます。繁殖期にはオスがメスへ獲物をプレゼントする「求愛給餌」がみられつがいができます。ご覧の通りカワセミのメスはクチバシの下の部分が口紅を塗ったように赤く、雌雄はお互いにクチバシを突き上げて鳴き交わします。そしてオスが持ってきたサカナの求愛給餌を、お相手となるメスが受けた時につがいが成立するのです。
③http://89bird.blog.fc2.com/blog-entry-11.htmlより引用のキジバトの求愛
最近では街中で見かけないことはない、かってはヤマバトの別名の③の写真のキジバトのつがいです。繁殖期以外では単独行動が多く、ドバトのように集団で群がり、人から餌を貰うことなしに自分で採餌します。その群れる事をしないキジバトが繁殖期に、つがい相手を探し、求愛する時は、メスを呼ぶ「のデデーポポー」と鳴き、翼を水平に保ち旋回する飛翔ディスプレイをしながら、写真のようにオスがお辞儀しながらつがいにしたいメスの周りを回る求愛行動を繰り返します。
④https://www.google.co.jp/amp/s/gigen.exblog.jp/amp/20079751/より引用のセグロセキレイの求愛
私はこの④の写真のセグロセキレイの求愛行動を見て、なんとオスは健気に繁殖相手のメスに対してお願いをしているのだとショックを受けました。他の野鳥を見渡すと、桃太郎でお馴染みのキジが想い浮かびます。キジのオスは繁殖相手のメスに対して、ライバルのオスと母衣打ちという求愛行動で対決をし、それでも決まらない時はお互いの蹴爪で勝負を決めます。それに比べてこのセキレイは尾羽や翼を広げて、地面に平伏して、どうかつがい相手になってくださいとばかりです。
⑤https://www.google.co.jp/amp/s/pegasus12.exblog.jp/amp/19966593/より引用のモズの求愛
またも登場した⑤の写真のモズは、非繁殖期には相手にもせず、メスでも高鳴きにて追い出し、相手にしなかったのが、いざ繁殖期になると、手のひらを返したように縄張り内にメス引き入れ、沢山の自分が作った早贄(はやにえ)をどうだというふうに誇示したと思ったら、繁殖相手のメスをもっと自分に惹きつけようと、さえずりよりもほかの野鳥のレパートリーの多い物真似をして、最後はこんなに濃厚な求愛給餌で、なんとか繁殖相手になってもらいたくあの手この手で仕組みます。
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