第2111回 ダンシングバード
①YouTubeより引用のマイケルジャクソンのムーンウォーク
①のタイトル写真の一世風靡致しましたマイケルジャクソンといいますと、写真でも披露していますようにムーンウォークがあります。足を交互に滑らせ、前に歩いているように見せながら後ろに滑る技法は、ストリートダンスやブレイクダンスのジャンルであるポッピングで用いられていまして、バックスライドと呼ばれているようです。元来ムーンウォークと呼ばれる技法は、宇宙飛行士が月面を歩くように、ゆっくりとしたモーションでの歩行のことを指しています。マイケル・ジャクソンも「ビリー・ジーン」終盤などで、ゆっくりとしたモーションでの歩行のムーンウォークを披露しています。鳥にもマイケルがいる様です。
②-1.https://store.ponparemall.com/acomes/goods/34756/より引用のマイケルジャクソンの赤と黒の衣装
②-2.manabu-biology.comより引用のムーンウォークするキモモマイコドリ(体長約10㌢)
②-1.の写真はマイケルジャクソンがスリラーで着用した赤と黒の衣装です。このダンスが終盤に差し掛かる頃にはマイケルの顔は魔物に変身しているのです。そんなマイケルの衣装を纏って、ムーンウォークを演じますのが、②-2.のGIFのキモモマイコドリです。分布は月ではなく、中南米のベリーズ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマなどの熱帯雨林に生息します。GIFはオスの特徴的な求愛行動で、木の枝の上でムーンウォークのような動きをすることで知られています。尾を素早く震わせ、その振動を足に伝え後ろに移動します。鳥のマイケルの生写しでしょ。
③-1.https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10950928377.htmlより引用のつがいのキガタヒメマイコドリ(左がオス、右がメス共に体長約9〜16㌢)
③-2.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120515/308844/?ST=m_wallpaperより引用のキガタヒメマイコドリの求愛ダンス
②の項のキモモマイコドリは赤と黒の衣装で、マイケルジャクソン気取りでムーンウォークを披露してくれますが、③-1.の写真のキガタヒメマイコドリはこの鳥も名が示すますようにマイコドリの仲間であり、やはり繁殖期の求愛に舞を見せる訳ですが、キモモマイコドリよりひとつ上をいきます。この鳥は南米エクアドルとコロンビアの森に生息し、メスへの求愛ディスプレイで南米アンデス山脈の森に響く不思議な音を響かせます。それは③-2.の写真のように、翼を使って奏でる「音楽」でメスを魅了します。羽を震わせて鳴らしている音です。その姿はまるでスズムシ。音はメスへのラブソング。オスたちは多彩な求愛作戦を繰り広げて繁殖相手を呼び込む、森の演奏家です。
④-1.https://za.pinterest.com/pin/146789269090039241/より引用のオナガセアオマイコドリ(体長約10㌢)
④-2.YouTubeより引用のオナガセアオマイコドリの求愛ダンス(雌雄登場の動画視聴可能)
④-1.と-2.のオナガセアオマイコドリは亜熱帯か熱帯の乾燥林や熱帯の湿った低地にある林などに生息して、分布している国はコスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、エルサルバドルなどです。この鳥も繁殖期の求愛行動で、メスが来るとオスはメスに求愛するために、師弟関係の二羽が息をぴったし合わせダンスを披露します。メスの反応を見ながら、シーソーやチョウなど個性的なダンスを披露をします(オナガセアオマイコドリでYouTubeで公開中)。求愛に成功しても師匠の一羽だけカップルが成立します。弟子である一羽は、師匠になるまでずっと練習をし続け、早く弟子を構えないと苦労します。
⑤-1.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/112400051/?SS=imgview_smart&FD=1422774646より引用のタップダンスを踊るつがいのルリガシラセイキチョウ(左がオス、右がメス共に体長約12.5〜13㌢)
⑤-2.https://video.mainichi.jp/detail/video/5714073025001より引用のルリガシラセイキチョウのタップダンスの動画(毎日動画より視聴可能)
最後のタップダンスは、モダンダンスの一つ。タップスと呼ばれる金属板を靴底の爪先であるボウルと踵のヒールにつけて床を踏み鳴らしながら踊るダンスで、こんなお洒落なダンスで繁殖期に求愛するのが、⑤-1.と-2.のセイキチョウの仲間のルリガシラセイキチョウです。アフリカの中央部から東部に生息致しますセイキチョウの仲間たちは求愛の際にはさえずりながら足を高速でステップするとてもお洒落な鳥で、求愛行動の小道具の巣材をくわえるオスはとても芸達者でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?