第2107回 光り輝く鳥
①https://www.google.co.jp/amp/s/na.finalfantasyxiv.com/lodestone/amp/character/2858105/blog/4093266より引用の光る鳥のイラスト
①のタイトルイラストは闇夜に、自ら発光している鳥が、夜空を飛んでいます。小さくぼかしてありますので、はっきりは分かりませんが、どうやら「火の鳥」のようにも思えます。私が知る限りで発光する生き物は、初夏の夕涼みの代名詞の源氏蛍と平家蛍の二種のホタルに、その名前を頂いた富山産が有名なホタルイカ、ウミホタルという、ロマンチックな夜光虫に、刺激を受けると生殖腺を青白く発光させるオワンクラゲと、水辺や海の生物がなんと多い事でしょう。その中でも私たちの目に止まりますのが、やはりホタルです。飛び交いながら、光りますので印象的な事です。
②https://news.yahoo.co.jp/articles/208b20bab06b65ad774c7be9ca676642cf9cdbf8より引用の幻想的なホタルの舞
②の写真は源氏蛍の光の舞いです。日本に生息しているのは、源氏蛍や平家蛍、姫蛍など、約50種が生息してかいわれ、世界的にみましたら、約1900種のホタルが生息しているといいます。ホタルが発光するしくみは、化学反応によるもので、体内の『ルシフェリン』という物質が酸素と結びついて光を出し、ルシフェラーゼという酵素がその反応を手助けしているのです。源氏蛍の成虫の場合、ルシフェリンは身体全体に、ルシフェラーゼは尻の部分に白く見える『発光器』の中に存在します。ルシフェラーゼは蛍によって性質に違いがあり、よく見られる黄緑色以外にも、黄色や赤色などの色を発光する種もいます。そんなホタルでも舞うことをせずに、草木等に止まっているだけでは、魅力は半減したに決まっているのです。
③https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E9%B7%BA%E7%81%ABより引用の妖怪「蒼鷺火」の水墨画
では、この広くて大きな地球に夜空に舞うホタルのような、発光するような鳥が存在するかといいますと、答えはノーです。①のイラストのような鳥は存在致しません。以前に秋ふかし11月の後半に日没後の6時過ぎに、空を舞っているカモかガンの渡りのV字形編成の群れが光って見えるというような問い合わせがあり、ネットで話題になりましたが、この場合は太陽が西付近の地平線に沈んでも、しばらくの間は太陽は上空に光を送りますので、そのため、空を鳥の下部が光ると結論されました。今は科学的な判明がありますが、その昔には「青鷺火(あおさぎのひ)」は、サギの体が夜間などに青白く発光するという日本の怪現象で、別名五位の火または五位の光といい「青鷺火」の青鷺はアオサギではなく、同じ色合いのゴイサギだといいます。ゴイサギやカモ、キジなどの山鳥は夜飛ぶときに羽が光るという伝承があり、目撃例も少なくなく、何らかの形で青白く見えたのです。
④https://mochico25.hatenablog.com/entry/2020/12/14/171613より引用の「清流の宝石」カワセミ(体長約17㌢)
④-2.https://imakibi.com/?p=195より引用の「森の宝石」ブッポウソウ
鳥には自らホタルみたいに発光する鳥はいませんが、太陽の光を浴びて、光り輝く鳥はいます。日本では構造色という色素をもっています「清流の宝石」と言われる④-1.の写真のカワセミです。写真をご覧になられてお分かりになるように、青い羽の色が陽を浴びて、光り輝きます。緑っぽく見えたり、青々しく見えたりと、シャボン玉の輝きと同じく光り輝きます。こんな構造色の色合いを持つ鳥は、このカワセミが属するブッポウソウ科の④-2.の写真の「森の宝石」ブッポウソウがいます。やはり、写真をご覧になられてお分かりになりますように、光り輝く色合いです。またこの二種以外の鳥では、濡れ羽色の輝く構造色のカラスや、構造色の輝く緑の頭のマガモもきれいです。
⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/girlschannel.net/topics/amp/2210451/より引用の光り輝くライラックニシブッポウソウ(体長約36〜40㌢)
⑤-2.https://tabi-labo.com/image/275720/47594より引用の光り輝くミノバト(体長約40㌢)
日本でも、世界的にも自らが発光するような鳥はいませんが、太陽の光を浴びで光り輝く鳥はいます。世界には⑤-1.の写真はアフリカ南部のサハラ以南、およびアラビア半島に生息致しますブッポウソウの仲間で、体色が14色もあり、特に胸部の紫色、腹から尾羽にかけての青色は美しい構造色で、光り輝きます。しかし何も構造色はブッポウソウの仲間だけではありません。その鳥はハトの仲間にもいます。日本にもアオバトというオリーブ色のハトがいますが、それどころの色合いではなく、⑤-2.の写真のミノバトは東南アジアのインドネシアやニューギニア、ミャンマー沖にあるニコバル諸島、ソロモン諸島などに分布し、七色の虹色を持つハトの仲間です。写真をご覧のように虹色ですから、当然構造色に光り輝く鳥です。
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