第1231回 鳥の詩
①http://www.kangin.or.jp/learning/text/poetry/s_D3_07.htmlより引用の草枕(抜粋) 島崎藤村
②https://book.asahi.com/article/13478945より北原白秋
⑴ 北原白秋 885年1月25日〜 1942年11月2日は詩人、童謡作家
❶ 白き花鳥図・鴛鴦 「つれづれと、頬(ほ)に並ぶ 番ひ鳥、薄日、鴛鴦」 海豹と雲 ❷ 古代新領・早春 「槇のこずゑに、青鷺の 群れて巣をもつ幽(かけ)けさよ」 海豹と雲 ⑵ 大手悼夫 情報不足
❶ 白鷺は さうれいの気をつらぬいて啼く、地平をのぼる陽とともに
白鷺は 羽ばたき、羽ばたく、蘆(あし)の葉をふるはせて
水のしずくを、真珠のやうにふりまく
それも束の間、白鷺は、ひかりのなかへ 影のやうに消えてしまふ 白鷺
⑶ 大手拓次 日本の詩人 1887年11月3日〜1934年4月18日
❶ 手をのばす薔薇 「はねをなくした駒鳥のやうに おまへは影をよみながらあるいてゐる」
③https://www.city.komoro.lg.jp/official/kanko_sangyo/kanko/rekishi_bunka/2/9039.htmlより引用の島崎藤村
⑷ 草野心平 日本の詩人 1903年5月12日〜1988年11月12日
❶ 作品第肆「川面に春の光はまぶしく溢れ。そよ風が吹けば光りたちの鬼ごっこ。葦の葉のささやき。行々子は鳴く。行々子の舌にも春のひかり」
富士山
⑸ 島崎藤村 日本の詩人、小説家 1872年3月25日〜1943年8月22日
❶ をきぬ 「みそらをかける猛鷲(あらわし)の人の処女(をとめ)の身に落ちて 花の姿に宿かれば」
若菜集
❷ かもめ 「波に生まれて波に死ぬ 情の海のかもめどり 恋の激浪(おほなみ)たちさわぎ 夢むすぶべきひまもなし」 若菜集
❸ おえふ 「都鳥浮く大川に 流れてそそぐ川添の 白菫さく若草に 夢多かりし吾身かな」
若菜集
❹ 新潮 「羽袖うちふる鶻隼(はやぶさ)は 彩なす雲を舞ひ出でて 翔(つばさ)の塵を払ひつつ 物にかかはる風情なし」 夏草 ⑹ 薄田泣菫 日本の詩人・随筆家 1877年5月19日〜1945年10月9日
鷦鷯(みそさざい)の歌「なう鷦鷯木づたひに ひとり興がる歌きけば 夏の日なかの野の鳥の 誇る羽振も忘れはて 蓑蟲(みのむし)啄みて飛びてゆく 汝が姿をぞ愛でしるる」 暮笛集
④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/高村光太郎より引用の高村光太郎
⑺ 河井酔茗(かわいすいめい) 日本の詩人 1874年5月7日〜1965年1月17日
❶ 森に木伝ふ山鳥の 七彩の尾の美くしき 塔影
❷ 宙に砕けし白銀の 星の塵こそ地に積れ 帝座を降りし雷鳥は 真白き鳥と変じけり 塔影
❸ 霧に包まれて 「つがひの岳雀(たけすずめ=イワヒバリ)が人も恐れずに雪の上を歩いてゐます」 紫羅欄花 ⑻ 高村光太郎 日本の詩人・歌人・彫刻家・画家 1883年3月13日〜1956年4月2日
❶ 風にのる智恵子 「尾長や千鳥が智恵子の友だち もう人間であることをやめた智恵子に 恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩道 智恵子飛ぶ」 智恵子抄
❷ 千鳥と遊ぶ智恵子 「無数の友だちが智恵子の名をよぶ。ちい、ちい、ちい、ちい、ちい 砂に小さな趾あとつけて 千鳥が智恵子に寄って来る」 智恵子抄
⑼ 中勘助 日本の小説家・詩人・随筆家 1885年5月22日〜1965年5月3日
❶ 春なれど赤はらつぐみきて鳴けば葛飾野べはいとどさびしき 飛鳥(ひてう)
⑤https://www.pinterest.jp/pin/551409548118539655/より引用の萩原朔太郎
⑽ 中原中也 日本の詩人、歌人、翻訳家 1907年4月29日〜1937年10月22日
❶ 閑寂 「土は薔薇色、空には雲雀、空はきれいな四月です」 在りし日の歌
(11) 萩原朔太郎 日本の詩人 1886年11月1日〜1942年5月11日
❶ 閑雅な食慾・笛の音のする里へ行かうよ 「俥(くるま)に乗ってはしって行くとき 野も 山も ぼうぜんとして霞んでみえる 柳は風にふきながされ 燕も 歌も ひよ鳥も かすみの中に消えさる」
青猫
❷ さびしい青猫・題のない歌 「わたしは鶉のやうに羽ばたきながら さうして丈の高い野茨の上を飛びまはった」 青猫
(12) 三木露風 日本の詩人、童謡作家、歌人、随筆家 1889年6月23日〜1964年12月29日
廿歳までの抒情詩・朝空 「いづこかもほのに聞えて 閑古鳥谷の彼方に ほう、ほうと鳴く音もうるむ」 廃園
⑥https://blog.goo.ne.jp/cr1108/e/0ca8e0030c73893ec8545ccd9de63d8cより引用の三好達治
(13) 宮沢賢治 日本の詩人、童話作家 1896年8月27日〜1933年9月21日
❶ 休息 「よしきりはなく なく それにぐみの木だってあるのだ」 春と修羅
(14) 三好達治 大阪府大阪市出身の詩人、翻訳家、文芸評論家 1900年8月23日〜1964年4月5日
❶ 木兎 「木兎が鳴いてゐる 古い歌 聴きなれた昔の歌 お前の歌を聴くために 私は都にかへってきたのか・・・」 一点鐘
❷ 雉 「道は川に沿ひ、翳り易い日向に、鶺鴒が淡い黄色を流してとぶ」 測量船
❸ 春の岬 「春の岬 旅のをはりの鷗どり 浮きつつ遠くなりにけるかも」 測量船
❹ 秋夜弄筆 「日かず経て呼子鳥啼かずなりしを、そてかとききあやしみて外のもに出づれば、音に澄みて鳴けるは遠き蟋蟀なりけり」 測量船
(15) マクシム・ゴーリキー ロシアの作家 1868年3月28日〜1936年6月18日
❶ 海の灰色の平面を、風が風雲を集める。雲と海の間を、海燕が誇らしく飛ぶ、黒い稲妻のひらめきのように
その鳴き声の中に、嵐の快楽が! 怒りの力、熱烈に燃えさかる炎、勝利の確信を、雲はその鳴き声に聞く 海つばめの歌