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第2029回 ♪ はと ♪

①YouTubeより引用の童謡のはと

   いままで、紹介致していました鳥の童謡には、スズメの「雀の学校」やカラスの「七つの子」などがあり、今回のタイトルイラストにもなっていますようにハトにも「はと」という童謡があります。カラスと同じようにハトにも身近なハトがいまして、カラスはハシブトガラスハシボソガラスの二種に対して、ハトには公園や駅のロータリーで良く見かけるドバトと、最近では街中にも生息してきましたキジバトの二種がいます。タイトルイラストは一番身近なドバトです。この鳥が私達も子供の頃に習った童謡「はと」の主役です。

②https://sumical.com/hato/pair/より引用のつがいのドバト(左がメス、右がオス共に体長約33㌢)

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   この童謡のハトは②の写真のドバトです。写真では雌雄同色のつがいが写っています。この鳥の愛情表現は相互毛繕いが多いです。まずオスがメスに対して仕掛けて、いまそのお返しにメスがオスにお返しをしています。身近な鳥のドバトは群れることが多いです。公園や駅のロータリーなとに集団でいます。以前中世ヨーロッパから飼鳥でありましたこの鳥は、自然界にいる時の名前をカワラバトといいました。しかし、あまりにも飼鳥の歴史が長すぎて、伝書鳩やレース鳩といった飼鳥の役目が終わり、野に放たれたと言っては自由を得たように思われがちですが、実際には捨てられたので、他の鳥のように自らが採餌することがなく、群れて公園などに集まり、人の足下に擦り寄りパンやスナック菓子等を求める事になります。

③https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%B8%E3%83%90%E3%83%88より引用のキジバトのオスのさえずり声の音階

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   そのドバトの歌であります童謡「鳩」の歌詞は「ぽっぽっぽ  はとぽっぽ  豆がほしいか  そらやるぞ  みんなでいっしょに  食べに来い                     ぽっぽっぽ  はとぽっぽ  豆はうまいか  食べたなら
みんなでなかよく遊ぼうよ
(一度にそろって飛んで行け)」                                 『鳩』は、1911年刊行の『尋常小学唱歌』に掲載された童謡であり、唱歌でもあります。しかし他の「雀の学校」や「七つの子」の歌詞と比べましたら何か、このドバトの場合はやや、蔑まされているような感じが私にはします。既にお腹を空かして歩み寄るハトに対して「豆が欲しいなら、皆んなで集合してから来い、美味しく食べたなら、皆んな揃って立ち去れ」となぜか上から目線のよな気がします。自分で餌を見つけて食べるスズメやカラスにはこんな歌詞はつかないはずです。

④https://www.birdfan.net/2007/07/13/1666/より引用のつがいのキジバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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   最近になって良く街中で見かけるのが④の写真のキジバトです。以前の名前はドバトがカワラバトだったように、山中に生息しているハトですからヤマバトと呼ばれていました。以前は身近な鳥ではなかったのですが、雄のさえずり声はかなり特徴的であり、伝統的には「デーデー ポッポー」と表現され、③のような音階まで記されるほど馴染んできました。キジのメスに似ているのでキジバトと名づけられたようです。同じハトの仲間なんで、繁殖も良く似ています。ハトの繁殖時期は春と秋で、年に7〜8回産卵します。鳩は10〜20年も寿命があり、生後半年で繁殖期に入ってしまうため、繁殖数が非常に多いです。両種はも一回に産む卵は通常二つです。ハトは年に多く産卵致しますので、巣作りは簡単で巣材は全てオスが運んで、メスが組み上げます。抱卵して孵化したヒナには、つがい双方がピジョンミルクを与えます。つがい揃ってピジョンミルクでヒナを育てられるおかげで、ハトは昆虫など動物性タンパク源となるエサを採る必要がなくなり、一年中、エサの少ない冬でも育雛することが可能なのです。このことはハト類の繁殖に大きな影響を与えています。

⑤https://www.birdfan.net/2007/07/13/1666/より引用の左のドバトと右のキジバト

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   では一番身近なハトのドバトと、近頃街中にやってきたキジバトにはどんな違いがあるのでしょう。まずはドバトの性格といいますと、いつも群れなして集団行動を取ります。前述のように飼鳥の時期があまりにも長期に及び、自分で餌を探す能力が小さくなってしまい、いつも人のいる所に集まって、人から餌を貰うのが日常的になってしまいました。これに対してキジバトは野生のハトなので、自分で餌を探し捕食します。またドバトのような集団性はなく、非繁殖期は一羽だけ、繁殖期につがい相手がみつかったなら、つがいで行動するのが普通です。繁殖期の時期や営巣の仕方も似ていますし、郁雛に必要な餌もピジョンミルクです。また、繁殖形態も雌雄同色の一夫一妻形式のつがい相手をこよなく愛するところまでは一緒ですが、生活場所と行動性の違いにより、ドバトにはつがい相手となるメスが沢山いる集団性と、出会いのメスと相性が合えば、つがえるキジバトの差はこれと決めたキジバトのメスとの繁殖が上手くいかなかった時にはオスは離婚します。


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