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第2251回 鳥対虫 ⑵
※http://yamaguchi-takuro.com/?p=1251より引用の鳥対虫の見方のイラスト
①-1.https://www.google.co.jp/amp/s/www.cnn.co.jp/amp/article/35130965.htmlより引用の毒を持つオオカバマダラ
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①-2.https://www.shirane.ac.jp/09b_d/10zukan/06_2mushi/tsuchihann.htmより引用の有毒のツチハンミョウ
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毒を持つ者は、派手な警告色をしているものが多く、記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的。 ⑴ オオカバマダラ(①-1.の写真)
❶ 餌 トウワタ属の仲間に含まれるカルデノライド型強心配糖体を身体に備えている
❷ 食べると心悸亢進と鬱血性心不全を引き起こす
❸ チャバライカルは毒蝶であるオオカバマダラを食べても平気
⑵ ジャコウアゲハ
→ウマノスズクサ等の有毒成分を蓄積するが、厳冬期にはヒヨドリなどが食べることも
⑶ スズメバチ→様々な有毒成分
⑷ ツチハンミョウ
→有毒成分カンタリジン 翅が退化し、飛べない
②-1.https://photohito.com/photo/3760768/より引用のミューラー型擬態のスズメバチ似のPennisetiamarginata
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②-3.https://ganref.jp/m/yumisuke/portfolios/photo_detail/1420734より引用のベイツ型擬態のテントウムシ似のクロボシツツハムシ
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②-3.https://www.goo.ne.jp/green/life/unno/diary/200610/1161768778.htmlより引用の隠蔽型擬態の花のハイイロセダカモクメの幼虫
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擬態には
⑴ ミューラー型擬態
❶ 自分たちのグループは有毒であると、同じような警告色で自らの存在をアピールする種が多い
記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的
❷ スズメバチ類とテントウムシ科
⑵ ベイツ型擬態
❶ 有毒生物に姿を似せ、天敵から身を守る。
記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的
❷ 毒蝶(ジャコウアゲハ)似、アゲハモドキ
スズメバチ似、スカシバガ科、テントウムシ似
キボシマルウンカ、蟻、ホソクビアリモドキ
⑶ 隠蔽擬態
枯葉→コノハチョウ、葉→ゴマダラチョウ幼虫
ゴマダラチョウ蛹、花→ハイイロセダカモクメ幼虫、芽→カギシロスジアオシャク幼虫、枝→ナナフシ、樹皮→キノカワガ、苔→コヤガ幼虫、 糞→アゲハチョウ幼虫、石→カワラバッタ
③-1.http://index.catocala.jp/sub1.htmlより引用のフレッシュカラーのカトカラ属のムハサキシキバ
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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/romisan/2016/09/04/15131.htmlより引用の身体を覆うアメリカシロヒトリの幼虫
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③-3.https://www.nature-engineer.com/entry/2018/12/12/233025より引用の悪臭を放つマルカメムシ
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威嚇誇示の手段は
❶ フラッシュカラー→カトカラ属
目玉模様→ウチスズメ、アケビコノハ幼虫
❷ 体を覆う
毛虫→アメリカシロヒトリ幼虫
棘→ルリタテハ幼虫
綿→アゲハモドキ幼虫
泡→アワフキムシ ❸ 悪臭 臭角
→アゲハ幼虫(酪酸)、カメムシ ❹ 大声→セミ ※ 隠蔽色と警告色の生存率は季節によって変化。
警告色では季節が進むにつれ生存率が上昇し、シーズン中期になると隠蔽色の生存率がより高い。
警告色は、鳥が「この色は毒がある」と知っていることで効果を発揮する。中期というのは、鳥の巣立ち期で、経験のない若鳥が多く、目立つ警告色の生存率は隠蔽色より劣る。逆に、成鳥だけが活動する前期と、若鳥が経験を積んだ後期では警告色は生存率が高くなる。
④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/kimagurenakaze/diary/201705160000-amp/より引用のナミアゲハの若、中齢幼虫
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④-2.https://www.ne.jp/asahi/hokkaido/swanbay/ageha/ki/index.htmlより引用のキアゲハの終齢幼虫
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ナミアゲハとキアゲハの場合
⑴ ナミアゲハ→❶ 若、中齢幼虫 鳥の糞に似る
❷ 終齢幼虫 柑橘類の葉に似る
⑵ キアゲハ→❶ 鳥の糞に似る
❷ セリ科の葉に似る
※1. 終齢幼虫は大きいが、鳥の糞は小さいので無理がある。糞に擬態した場合、大きな幼虫が動くと目立つ ※2. 鳥糞イモムシ→スカシカギバなど、体を曲げて静止する幼虫も多い。真っすぐな姿勢と、折り曲げた姿勢で実験すると、緑色の場合は攻撃に差がなかったが、鳥糞色の場合には折り曲げた姿勢の方が攻撃率が低かった
⑴ カトカラ属(蝶の一種)
普段見える前翅は地味で、後翅が派手。
地味な前翅で見つからないようにするが、見つかってしまったら、派手な後翅を見せ驚かせる
(フラッシュカラー)
⑤-1.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32258003013より引用のカイコ蛾の幼虫の目玉
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⑤-2.https://jp.quora.com/より引用の目玉模様のフクロウ蝶の一種
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⑵ 目玉模様 ❶ 大きい
普段見える前翅は地味で、後翅に目玉模様
地味な前翅で見つからないようにするが、見つかってしまったら、目玉模様の後翅を見せ驚かせる
カイコ幼虫とムクドリの実験では、目玉模様が大きいほど襲う確率が低下した
また、四角や三角と比べても目玉模様の攻撃は少ない。フクロウに似て見える種もいる
⑤-3.http://butterflyandsky.fan.coocan.jp/shubetsu/shijimi/uranami/uranami.htmlより引用のウラナミシジミのピークマーク
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❷ 小さい
ウラナミシジミなど、翅の後ろのほうに目玉模様がある種では、体の前後を見誤らせ、目玉模様の部分だけつつかれ、逃げられることもある
ビークマーク(蝶の翅についたくちばしの跡)
ナミアゲハ蛹は本来緑色だが、蛹化する場所がざらざらしていると茶色になる
⑤-4.https://kurashi-no.jp/I0030382より引用のシャクトリムシ
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シャクトリムシは、多くの鳥は、シャクトリムシを偶然発見すると、その後似た形のものをつつく。小枝しか見つからない状態が続くとつつかなくなる。鳥が枝に止まると揺れるが、枝と虫では揺れ方が異なる。それに気が付いた鳥はシャクトリムシを専門に狙う
⑤-5.https://www.goo.ne.jp/green/life/unno/diary/200612/1165380142.htmlより引用のルリオビタテハチョウの翅の派手な表と地味な裏
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蝶は蛾と異なり、休息時に翅を閉じる種が多い
翅の裏が地味な種が多い。仲間の認知を視覚で行うので、翅の表は美しい種が多い
メスだけ擬態
蝶ではシロオビアゲハなど、メスだけが擬態する種が多い。メスは体が重く、産卵するのに時間がかかるため、敵に狙われやすい。また、産卵するメスはオスより種にとって重要。そのために、鳥に襲われにくい擬態型がメスに進化。
蟻に擬態
蟻は鋭い大あごを持ち、攻撃性が強い。臭い蟻酸を出す。針を持つ種もある。群れで行動。
鳥に好まれない。
テントウムシは有毒。またらハムシ、ゴミムシ、キノコムシ、テントウダマシなどがテントウムシに擬態する虫は多い
鳥の糞は、鳥にとって栄養がなく、感染症のリスクもある。
光というのは、シロチョウの仲間など多くの幼虫は、腹側の色が薄い。腹側の色が薄い幼虫は背中を上にして止まるものが多い。腹側が陰になり、濃くなるが、腹側の色が薄いと立体感がなくなり目立ちにくい。背中を下に止まる種では、背中側が淡色
群れることで警告色により天敵を遠ざけている種では効果が大きくなる。悪臭を出す種では群れると効果が大きくなる(希釈効果)
鳥の糞に擬態した幼虫は動くと目立つので、体を曲げていると襲われにくいが、まっすぐだと襲われやすい
ただ緑色なだけの幼虫は動いてもあまり目立たない。立体的だと、自分の影が目立つ