第1234回 改めてヤツガシラ(2回目)
①https://gendai.media/articles/-/64386?page=3より引用のヤツガシラのつがい?(左側がメス、右側がオス共に体長約28㌢)
①の写真は大変珍しい野鳥のヤツガシラの写真です。ヤツガシラは漢字表記で「戴勝」「八頭」で、二つ目の漢字は里芋の品種の八頭と同じです。またサイチョウの仲間でもあります。ヨーロッパ南部および中部、アフリカ、南アジアから、東南アジア、中国、沿海州にかけて分布し、北方で繁殖した個体は、冬季南方へ渡ります。日本では、少数が旅鳥もしくは冬鳥として渡る珍鳥です。漢名は戴勝(たいしょう)。現代中国語では俗に呼哱哱(フーポーポー)、山和尚(シャンホーシャン)
②https://note.com/hiho2351/n/n1ea0e357b35bより引用のヤツガシラ 英名もHoopoe
ヨーロッパ、アフリカ、東南アジア、日本とその生息地は多岐に渡ります。普段では単独行動が多いですが、繁殖期には①のようにつがいのみで、日本のキジバトと同じような行動をします。生息地は、平地の開けた草地や農耕地に生息し、食性は動物食で、地上を歩きながら昆虫類などを捕食します。戦後になり、公式に現れたのは、当時の昭和天皇の皇居のお庭に現れたのを天皇が発見され、侍従に双眼鏡を依頼され、野鳥のヤツガシラを芋の八頭と思ったことから有名になりました。
③https://www.google.co.jp/amp/s/gendai.ismedia.jp/articles/amp/63574より引用の雪の中のヤツガシラ
修行僧が各地を転々と托鉢するように山和尚のヤツガシラは越冬のために、途中に日本に立ち寄る旅鳥か、また日本のその地で越冬する冬鳥か、気にいったのかそのままその地である秋田県や長野県、広島県では繁殖の記録があると言います。ヤツガシラのはっきりしない行動が、私には修行僧のようで各地を転々とし、その地で布教活動が手応えありと思ったら、単独行動でも冬鳥となり、寒さに耐え、また伴侶を得ることもあります。
④http://www7b.biglobe.ne.jp/~ksc-engei15/yatyou-all/yatyou2001-2012/yatyou-2003.files/200330yatugasira-saiji-2.htmlより引用の採餌するヤツガシラ
野鳥の多くにはヤツガシラのような単独行動かつがい行動をする種はいます。例えばキジバトやツグミの仲間はいづれも単独行動が多い地上採餌の野鳥です。地上で採餌するのは危険が伴います。地上にはヘビやキツネ、空からは鷹の仲間の襲来を受けやすいです。リスクを負うから単独行動が多いのかもしれません。採餌の後は決まって高い木の枝に止まり「ポッポッポッ、ポッポッポッ」と低いがよく通る声で鳴き、信者(つがい相手のメス)に托鉢相手(つがい)になるよう呼びかけます。
⑤https://www.istockphoto.com/jp/ストックフォト/upupa-epops自然ヤツガシラの巣-gm1003751488-271156570より引用のヤツガシラの営巣
信者(繁殖相手)を得たヤツガシラは今まで、繁殖地までの渡りに八千㌔の旅を(托鉢修行)して、単独行動をしていたのが嘘のように、繁殖に力を入れます。樹洞や石垣の隙間などに営巣しますが、人が用意した巣箱を利用することもあります。また面白いことにツバメと同じように民家の玄関先ではないですが、繁殖期のひとつのオーストラリアでは、敷地内にある納屋に営巣するという、ツバメが天敵の襲来を防ぐために、人と共生を組むように、修行僧から高僧のヤツガシラも行います。