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第1610回 托卵って

①https://thewonder.it/movie/42/character/583/description/より引用の托卵を紹介したアニメ

   『托卵』という言葉をWikipediaで検査しますと「巣作りや抱卵、子育てなどを仮親に托す行為である。一種の寄生といってもよい。他の種に対して行う場合を種間托卵、同種に対して行う場合を種内托卵という」とあり、鳥類がという言葉はありません。『托卵』は鳥類だけではなく、爬虫類フロリダアカハラガメはアメリカアリゲーターの巣に托卵し、魚類の魚類のナマズ類シノドンティス・ムルティプンクタートスはベラのシクリッドに、昆虫類の昆虫類のモンシデムシもします。

②https://wapipi.net/home/より引用の代表的な托卵するカッコウオオヨシキリのイラスト

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   人間でも、托卵に近いような浮気相手の男性の子供を産み、結婚相手が浮気相手の子供に愛着がついたと確認した時に育児を放棄して浮気相手に走るというのも一種の托卵です。こんなに色んな生き物に托卵は存在する中、鳥類では②の写真のように日本では代表的な『托卵鳥』としてカッコウが描かれ、その代表的な『托卵先』として、オオヨシキリが描かれています。日本の『托卵鳥』としては他には「特許許可局」のききなしのホトトギスツツドリジュウイチの計四種がいます。

③https://www.birdfan.net/2016/09/30/46497/より引用のカッコウ(体長約35㌢)

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   七十二候に季節を表す霜止出苗(しもやみてなえいずる)という、霜も降りなくなり、さあ農作物の植え付けだという春から初夏にかかるこの時期にカッコウは「種まき鳥」とも呼ばれ、農作業の開始時期を知らせにやってくる鳥とされています。カッコウは自分の卵を他の鳥の巣に産みつけて、そのまま巣立ちまで子育てさせてしまうという究極の子育て方法です。しかも、生まれたカッコウのヒナは、自分だけがエサをもらえるように仮親の卵やヒナを皆殺しにする恐ろしさを持ちます。

④http://rakudocm158t.blog.jp/archives/1019247837.htmlより引用のカッコウのヒナが育て親の卵を巣から排除

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   カッコウオオヨシキリモズ、セキレイ、ノビタキ、信州ではオナガも托卵されることがあります。産卵の時期や数の多さ、そして「だまされやすさ」によっても選ばれるといいますから大変です。カッコウは、狙った巣を辛抱強く見張って親鳥が離れたほんの一瞬の隙に、巣に飛び込み、卵を一個咥えて抜き取り、すぐさま産卵。たちまち飛び去り、取り出した卵は食べるようです。カッコウは卵を体内で予め「抱卵」して、孵化の促進させて、産みますのでそのぶん早く生まれます。

⑤-1.http://blog.livedoor.jp/k99rihama/archives/2510454.htmlより引用のカッコウのヒナに給餌するオナガ

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/happysunsun/diary/201405280000-amp/より引用のカッコウと闘うノビタキ

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⑤-3.https://www.google.co.jp/amp/s/www.afpbb.com/articles/amp/3141710より引用の托卵の変化としてハイタカの鳴き声を真似る

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   ④の項に今までは托卵対象でなかったオナガカッコウは托卵相手にして、それでも存続が危ぶまれる生息数が減ってきています。こんなふうにカッコウが托卵相手を新しくするのは、⑤-2.のノビタキの様に、托卵されてカッコウが巣に近寄れば牽制してモビングで追い払うとか、青い自分の卵に対して、カッコウの白い卵を逆に排除します。それにめげずにカッコウは托卵相手の卵の大きさに自分の卵を調節したり、⑤-3.のようにカッコウハイタカの鳴き真似をして巣から追払います。

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