第1151回 引越しする野鳥
①https://www.sozailab.jp/sozai/detail/12688/より引用の引越しのイラスト
すごく昔から、その野鳥の生息地からすごく離れた土地に新しい生活環境を求めて、その地に新しく生息するものや、またその移入者によって、今までの縄張りを侵され、ほかの生息地に追いやられた先住のもの。その時に今まで主食としていたものを変えなければならなくなったもの。イエスズメは本来の分布域と考えられている中東かナイル川下流域からユーラシアの広い地域に分布を広げ、その先住者のスズメを山野に追いやり、スズメは日本でニュウナイスズメを追いやりました。
②https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-1b/01.pdfより引用のハシブトガラスとハシボソガラスの棲み分け
②のイラストは現在の二種いる樹上の街中に引越ししたハシブトガラスとその採餌場である街中から山野に引越せざるを得なくなった地上で採餌するハシボソガラスのイラストです。私が子供の頃に、元々頻繁ではなく時たま街中に出現していたのはハシボソガラスでした。英名の"Carrion Crow"は「死肉を食うカラス」を意味します。今では植物食が主ですが、街中でどぶネズミなどを採餌していたのが、ゴミを採餌するハシブトガラスにその縄張りを奪われ、山野に引越しました。
③YouTubeより引用のドバトに混じって採餌する右端のキジバト
私が物心ついた時から、私をお寺や公園に連れて行ってくれた祖母が、その場所に集団で群がるドバトに③の写真のように餌をあげ、かけよってくるドバトに喜ぶ私に、餌をあげさせるのでした。その時の鳩はドバトだけで、③の写真のようなキジバトは影も形もありませんでした。別名をヤマバトというくらい山野にいた鳩が生息地が開発された為に街中に引っ越して来たのです。集団行動や人から餌をもらう食生活のドバトに対して、単独行動主体のキジバト。馴染んできたのかも。
④https://www.pinterest.co.uk/pin/835699274578353693/より引用の街中を歩くハクセキレイ
セキレイといえば、セグロセキレイやハクセキレイ、キセキレイと三種いて、みんな河沿いの水辺に住んでいました。河辺にいる虫などをほじくり捕食する地上採餌の野鳥です。このハクセキレイは川だけでなく用水路、水辺が近くにある場所や畑や市街地などでもよく観察されるようになりました。河川の下流域など比較的低地を好む傾向があります。他のセキレイが攻めてきたとか、開発による引越しではなく、増殖によるものと思います。街中のコンビニ前なんかに歩いています。
⑤https://www.google.co.jp/amp/s/sanpobito.exblog.jp/amp/10745732/より引用の街中進出のイソヒヨドリ
本当にこの⑤の写真のイソヒヨドリが街中に現れたのは、そんなに遠い昔ではありません。十数年前から、春先のまだ明けやらぬ暗い外から「ヒーチュリツチーチュルリル」となんともいえない、澄んだ通った鳴き声を雌雄共にさえずるオスだけが⑤の写真の様な美しい鳥です。この鳥は磯に生息しているからイソヒヨドリと言う名前ですが、 ヒヨドリの仲間でなく、ツグミの仲間といいます。その磯辺からコンクリートのマンションとか人工的なものが好きな野鳥で、身近な存在です。