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第819回 樹上の忍者鳥(キバシリとゴジュウカラ)

①https://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10131077973より引用の忍者のイラスト

   以前にも第189回忍者のような野鳥で、葦の穂に擬態したり、水上のハスの葉の上を駆け走るヨシゴイや、また同じ仲間の笹などの葉に擬態するササゴイ、樹木の枝に幼鳥が集まって擬態するミゾゴイ。これらのサギの変身術を使う野鳥に対して、カワガラスは全身濃い茶色で本当の忍者のような格好をしています。天敵に見つかると、速い羽ばたきで川面の上を一直線に飛翔し、頑丈な脚で岩をつかみ潜水をして、水流の圧力を利用して川底を歩いて水中で捕食を行うことができます。

②https://sapporo-wbsj.org/archives/category/blogより引用のキバシリ(体長約14㌢)

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   今回は樹上を身軽に動き回り、ヨシゴイササゴイのような擬態になったり、周りの景色に溶け込む補色で樹木と一体化になって、天敵に悟られないようにしたり、蛇や猫などの天敵から樹木を自由自在に動き回って姿をくらましたり、忍者さながらの動きをします。その一種が②の写真のキバシリです。名前の由来はその名前のまんまで、木の幹に縦にとまり登る姿から、漢字表記も「木走」です。日本では北海道、本州、四国、九州の亜高山帯の針葉樹林に留鳥として生息します。

③http://動物.jp/gojukara/より引用のゴジュウカラ(体長約13㌢)

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   また③の写真のゴジュウカラは、そんなにシジュウカラに近い種でないのに「四十雀」に対して「五十雀」の漢字表記です。日本では九州から北海道にかけて分布してキバシリ同様に留鳥です。また身体の形状も、キバシリのクチバシが下の方向に向いてまるこく見えるのに対して、このゴジュウカラは上向きに沿って、身体もそれに反って見えます。平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息します。非繁殖期は、シジュウカラなどの他のカラ類やコゲラと混群を形成します。

④http://sarobetsu.or.jp/blog/2019/02/13/豊富自然公園にキバシリ/より引用の木の幹の中にいる虫を捕食するキバシリ

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   ④の写真の止まり方のようにキバシリは、キツツキの仲間しか出来なかった尾羽を木の幹に当てて、身体を縦に止まることができます。また写真でもお分かりのように、四本ある趾(あしゆび)の外対趾足の後ろの一本が前趾より大きく発達して、この趾を使って縦に止まったり、木の枝のは下にしがみついたり、自由自在に樹木を駆け回ることができます。ジグザグにも螺旋状にもちょこまかちょこまか動き回り、虫を捕食します。そしてまた、飛び上がり隣の樹木の下から登ります。

⑤http://home.r07.itscom.net/miyazaki/bird-risu/yatu-bird/yatu-bird.htmlより引用の逆さまに木を降りるゴジュウカラ

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   対するゴジュウカラの忍者ぶりは、このゴジュウカラの趾もキバシリ同様にキツツキと同じ趾の形状になっていて、木の幹に縦にもとまれ、キバシリと殆ど体長が同じでちょこまかちょこまか動き周り、忍者のようでもあります。またキツツキの巣穴に営巣することもあります。しかしキバシリのように尾羽で身体を支えることはなく、よほど趾の力が強いのか、木の枝の下にしがみついたり、またキバシリには出来ませんが、⑤の写真のように真っ逆さまに木を降りることができます。

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