第627回 赤色の野鳥五選
①https://muryousozai.yoidezain.com/tori01/より引用の赤い鳥イラスト
②紅いベニマシコ(体長約15㌢)
私は未だに赤い色の野鳥には自然界では会ってはいません。アカショウビンを京都市動物園のバードゲージで見ただけです。そういう意味では身近な野鳥ではないのかもしれません。このベニマシコは漢字表記で「紅猿子」。紅い猿の子、そんな訳はありません。『猿子』はアトリ科の野鳥で顔が紅いものをそう呼ぶみたいです。その顔が紅い『猿子』に更に紅が付くのですから、非常に濃い赤、つまり紅なのです。オオマシコもいます。
③これも紅いベニヒワ(体長約16㌢)
③の写真のベニヒワもやはり紅色の体色をしています。②のベニマシコより頭のてっぺんも紅色をしています。また漢字表記は「紅鶸」で紅い弱い鳥と表記されるのに、この面構え…そういえば、このベニヒワはカワラヒワの仲間です。あの怖い顔したシメの向こうを張るようないかつい顔の野鳥です。やはりベニマシコと同じようにアトリ科の野鳥です。メスや幼鳥は褐色みを帯び、幼鳥はより顕著で胸部が白いです。やはり紅い色は天敵に目立つから、成鳥になると紅くなります。
④赤いイスカ(体長約17㌢)
④のイスカにこう言っては失礼かも知れませんが紅い野鳥のひとつというより、野鳥の中では唯一のクチバシがはすになっている野鳥として有名です。なぜはすになっているかというと、イスカの主食である松の実を効率よく外して食すのに、このようなはすになっているクチバシが松の実を外しやすいからです。イスカの漢字表記は「交喙」「鶍」で、前述の交わった喙(クチバシ)という名付けの方がはっきりします。でもタイトルの赤色の野鳥にふさわしい色の赤色イスカです。
⑤http://photozou.jp/photo/show/1703518/166597420より引用のピンク系の赤?アカウソ(体長約16㌢)
⑤の写真はピンク系の赤色のアカウソです。ウソの亜種みたいです。ウソの胸元もほんのりピンクが綺麗ですが、このアカウソは胸元からお腹に掛けて赤っぽいです。アカウソの漢字表記は「赤鷽」で『鷽』の和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来て、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられました。天満宮の鷽替えは鷽が嘘に通じることから、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることを祈念して行われます。真っ赤なアカウソです。
⑥真打ち赤茶系のアカショウビン(体長約27㌢)
冒頭にも述べましたように、私は赤い色の野鳥はこのアカショウビンしか現物を見ていません。ご存知のようにアカショウビンはカワセミの仲間でもあり、漢字表記は「赤翡翠」です。『翡翠』はカワセミの色で青色と決まっているのに…そんな疑問も浮かんできます。「翡翠」は本来青いカワセミを示しますが、色の異なるショウビンにも熟字訓として用いられているようです。このアカショウビンはクチバシと真っ赤な色をしていて、身体の赤と共に『火の鳥』の異名を持ちます。