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第1949回 青い鳥と赤い鳥 ⑵
①http://www.temawashi.org/kamishibai.htmlより引用の青い鳥と赤い鳥
世界には原色の青や赤、黄色、緑、橙、桃色などなど、派手な体色の鳥はいるものです。それも寒い地域より暖かい、いや暑いくらいの地域に、目立つ体色をした派手な鳥は現れます。私たちが住むこの日本は熱帯地域はありません。一年には春夏秋冬の季節が巡ります。そんなに派手過ぎるような鳥はいません。頭の中を巡らせ浮かんできますのは、派手な鳥がいそうにもない水鳥に留鳥としてオシドリを思い浮かべるだけです。しかし青い鳥と赤い鳥は日本人感覚の色彩で生息します。
②http://opipo.blog.fc2.com/blog-category-82.htmlより引用の子育て中のイソヒヨドリ(な左がオス、右がメス共に体長約25㌢)
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身体の色が青い鳥でも三つに分かれると思います。その代表例が私たちに最も身近な②の写真の性的二型の鳥で、子育てをつがいでしているイソヒヨドリです。最近では街中に進出して、私の街でもよく見かけることができる鳥でしたが、ちょっと前までは、名前の由来となった磯辺などの海の近くにしかいなかった「青い鳥」が家の近くで直ぐに見られて、またその雌雄揃ってのさえずりを家にいながら聴けます。人工物が大好きです。私の住むマンションでも最近では子育てします。
③-1.https://www.birdfan.net/2016/05/13/43136/より引用のつがいのカワセミ(左がオス、右がメス共に体長約17㌢)
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③-2.https://www.birdfan.net/2019/06/07/71281/より引用のつがいのブッポウソウ(左がメス、右がオス共に体長約29㌢)
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そして「青い鳥」の代表例ではないかもしれませんが、③-1.の写真は「清流の宝石」と言われるカワセミです。私にとってのこの鳥の一番の魅力は、写真のように雌雄同色であるにも関わらず、雌雄の区別が可能です。左のオスのクチバシは上下が黒いですが、右のメスのクチバシの下の部分だけは口紅を塗ったように赤いです。この違いによって見分けることがわかります。そして③-2.の写真はカワセミと同じ属であるブッポウソウです。前述の二種は留鳥ですが、この鳥は夏になれば高山の森林にやってきます夏鳥です。カワセミの「清流の宝石」に対し「森林の宝石」と呼ばれる程、カワセミと同様に青い構造色です。こちらは雌雄同色です。コノハズクと間違われました。
④-1.https://www.birdfan.net/2021/03/05/81684/より引用のルリビタキ(体長約14㌢)
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④-2.https://www.birdfan.net/2005/07/06/386/より引用のコルリ(体長約14㌢)
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④-3.https://www.birdfan.net/2015/05/01/34774/より引用のオオルリ(体長約16㌢)
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前の③の項では「青」という漢字は付いてはいなかったのですが、身体が青い鳥を紹介致しました。この④の項では、また青いという漢字は付いてはいませんが、その意味を持つ「瑠璃」という漢字が付いています鳥の三種を紹介致します。三種すべては性的二型で、写真はオスを紹介しています。④-1.の写真のルリビタキ(瑠璃鶲)は日本の本州では夏は高い山で生息して冬になると低山地に降りてきて越冬する漂鳥です。森林に生息し、群れは形成せず、単独で生活します。このルリビタキを筆頭に三種はヒタキの仲間です。④-2.の写真は日本では繁殖のため北海道、本州中部以北に飛来する夏鳥のコルリ(小瑠璃)です。低山地から亜高山帯にかけての笹などの下草が生い茂った落葉広葉樹林や混交林に生息し、群れは形成せず単独で生活します。最後のヒタキの仲間は日本へは夏鳥として渡来、繁殖します。高い木の上で朗らかにさえずります。姿も囀りも美しいウグイスやコマドリと並ぶ三鳴鳥のオオルリ(大瑠璃)です。オスが美しい青の色彩になるには2〜3年を要します。このコルリ、オオルリは光沢のある青色です。
⑤-1.https://www.birdfan.net/2014/09/19/30277/より引用のアオゲラ(体長約29㌢)
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⑤-2.https://www.birdfan.net/2017/09/15/55422/より引用のアオバト(体長約33㌢)
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前回で日本人の色彩感覚は優秀であると申しました。虹は世界中では七色ではなく、日本、オランダ、イタリア、韓国で7色で、6色がアメリカ、イギリス、5色がドイツ、フランス、中国、メキシコ
4色がロシア、インドネシアなどとなるようですが、日本人は「青」と発言しながら、それは若葉の色のことであり、また信号機の緑のことだったりしますので、野鳥の名前に「青」と付いても、キツツキの仲間の⑤-1.の写真のアオゲラも漢字表記は「緑啄木鳥」で「青」と発言しながら表記は「緑」のキツツキということになり、実際のこの鳥の身体の色は緑です。同じように別名がヤマバトである⑤-2.の写真のアオバトは漢字表記も「緑鳩」と漢字表記され、やはり身体の色は緑です。日本の昔には「緑」はなかったのでしょうかね。