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第2257回 どこかの夫婦みたいな鳥 ⑸

①https://dressy.pla-cole.wedding/illustrator/より引用の結婚式のイラスト

   人にしろ、鳥にしろ、繁殖とは生物が世代を重ねて新しい個体の数を増すことをいいます。生物学上の繁殖とは、繁殖の方法は、二分裂、出芽あるいは胞子形成などによって増える無性生殖と、卵と精子が合体して、また特殊な場合は卵だけで発生します単為生殖があり、新個体となる有性生殖とがあります。卵と精子が合体して繁殖する場合、動物においては交尾、受精、妊娠、出産、産卵、育児など、植物においては受粉、結実、種子散布などの現象を伴います。そしてこれらの現象は多くの種類のホルモンによって非常に巧妙に統御されていて、繁殖を行う時期の繁殖期はほとんどの野生生物では一年のほぼ一定の時期に限られていますが、これには日照時間、温度、降雨などの環境要因や、各種ホルモンが関与します。従って、これらのことを応用して繁殖期を人為的に変化させることが出来ます。なお、この時期には動物ではホルモンの作用により、卵巣や精巣の肥大のほか、しばしば特別な婚姻色、体臭、行動などの性徴が現れます。一方、飼育動物、例えば実験室で飼育されているラットは一年中が繁殖期です。また、動物により一定の繁殖地をもつものがあります。よく知られた例として、一定の場所に移動して繁殖する渡り鳥や、生まれ故郷の川に帰って産卵するサケ等がその繁殖形態と言えます。

②https://hamamatsu-sci-museum.note.jp/n/nb8a3ba97797c?gs=0cf422cd5b68より引用の色んな鳥の繁殖

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   繁殖形態は                                                             ⑴  一夫一妻
   多くの鳥の92%                                                   1.  進化した鳥に多い   2.  晩成性の鳥に多い
3.  樹上、崖などで営巣する鳥に多い
4.  生きた魚を捕る鳥に多い
⑵  一夫多妻
   全体の2%                                                            1.  湿地帯に多い(縄張の質に差が大)
2.  早成性の鳥に比較的多い
3.  育雛の手間がかからないので片親で可(干潟、低湿地の鳥は晩成性でも)
※1.  雄も繁殖を手伝う→オオヨシキリ、ミソサザイ
※2.  雄は手伝わない→ウグイス、セッカ
⑶  一妻多夫
   1%以下
1.  激しく変動する環境で見られる
2.  雌の繁殖能力をフルに引き出すためのシステム
ヒレアシシギ、オジロトウネン、ミフウズラ、
タマシギ
⑷  多夫多妻
イワヒバリ、ツメナガホオジロ
1.  つがいの絆が成立   2.  メスが世話をする
3.  雌雄とも順位がある
⑸  乱婚
カッコウ科、キジ
1.  原始的な鳥に多い   2.  早成性の鳥に多い
3.  地上で営巣する鳥に多い                                   4.  つがいの絆が成立しない
⑹  レック
エリマキシギ、コモンシギ、ライチョウ類            1.  集団求愛場(アリーナ)→集団見合い場
2.  オスが造巣、抱卵、育雛を行わない
3.  オスが繁殖に必要な食物源を防衛しない
4.  性的二型が著しい

③-1.https://www.birdfan.net/2008/03/21/2323/より引用のつがいのタンチョウ(左がメス体長約130㌢、右がオス体長約140㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2007/07/13/1666/より引用のつがいのキジバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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③-3.https://www.birdfan.net/2015/02/27/33205/より引用のつがいのメジロ(左がオス、右がメス共に体長約12㌢)

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③-4.https://ameblo.jp/babatorizuki/entry-12585872822.htmlより引用のつがいのコゲラ(左がオス、右がメス共に体長約15㌢)

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   一夫一妻の番い関係を何年も続ける鳥と致しましては、分類としまして、ツル、ハクチョウ、ガン、ワシ、フクロウカモメ、アホウドリ、ペンギンなど大型の鳥や、アジサシオグロシギケイマフリ、ハト類、ヤンバルクイナコガラエボシガラメグロメジロミヤマシトドヤマガラヒメアマツバメイエスズメカササギハシボソカラスコクマルガラスハシブトガラス、フエフキガモ類、オウム類などがあがります。一年中つがいで行動する鳥では、コゲラハシブトガラミヤマシトド、セキレイなどです。

④-1.http://blog.livedoor.jp/rh1-manyo/archives/52788404.htmlより引用の性差が激しいつがいのキジ(左がオス体長約80㌢、右がメス体長約60㌢)

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④-2.https://article.dososhin.com/2021-07-03-bird-watching-2/amp/より引用のより長い繁殖期の尾羽が持てるつがいのサンコウチョウ(左がメス体長約17㌢、右がオス体長約45㌢)

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   つがいになる鳥は基本的に雌雄同色と性的二型のふたつねタイプがあります。その性差が激しい    ⑴  ハンディキャップ仮説
   たとえば色彩の派手なオスは敵に襲われやすいのに、無事成鳥になれたのはそれだけ高い能力を持つので、メスはハンディキャップの大きさで相手を選ぶ。
⑵  ランナウェイ仮説
   たとえば尾が少し長い方が生存に有利なとき、メスは尾の長いオスを選ぶ。必要以上に尾が長くなっても、長い尾を選ぶメスの形質は変わらず、結果的に尾の長いオスの遺伝子が受け継がれる。     基本的な性的二型                                                     ⑴  オスが綺麗でメスが地味
   →オスは繁殖場所を他のオスから守り、メスをひきつけることが重要。メスは巣や卵を守るため、外的に対して目立たないことが重要。
⑵  雌雄共に綺麗
   →カワセミ、キツツキ、ブッポウソウ、シジュウカラ、ツクシガモなど、樹洞や土手の穴などで繁殖するので、抱卵中も目立たない。
⑶  雌雄共に地味
   →ガン類は厳密な一夫一妻で、一生添い遂げる。
越冬地でも同じ種だけで群れを作る。オスも巣を守ったり、ヒナの世話をする。派手な羽を持つ必要が少ない。                                                            ⑷  性差が大きい→乱婚の鳥
⑸  性差が小さい→単婚の鳥

⑤-1.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/wallpaper/0606/wallpaper.shtmlより引用の左メスを追い払う右のオスのアオサギ(雌雄共に体長約93㌢)

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⑤-2.https://blog.goo.ne.jp/koumisuzume/e/a3da7e177e1d786fa65eb7ea583985c4より引用の交尾するスズメ(体長約15㌢)

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   ⑤-1.のアオサギも当たり前ですが、繁殖期になり、相手が見つかりましたらつがいになり、当然に交尾もするのですが、メスがオスの背に乗って交尾する場合もあるといいます。ただ、考えてみれば、そもそもオスが上でなければならないというようなことはありませんが、非常に珍しい事です。また幼鳥が若鳥になり、独り立ち致しますと餌の乏しい冬がやってきますので、今までの協力したって子育てが嘘のように、お互いの縄張り争いで時には、強烈な決別をします。これに対して、⑤-2.の私たちに最も身近な、スズメはひとに一番近く外的に襲われることはほかの鳥に比べると非常に少ないのに、集団生活をします。スズメは必ず人がいる民家の近くに20つがい以上ないとつがい形成をしないくらい、警戒心の強い鳥です。またひとに近いゆえにスズメの交尾も良く目にすることになります。又集団生活の習性ゆえに種内托卵多く、繁殖期には2〜3回の産卵をしますので最初に孵化した兄弟が子育てを手伝います。

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