第1457回 ルースコロニー
①https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/woodpipop/entry-12521434648.htmlより引用のカワラヒワ(体長約14㌢)のルースコロニー
ルースコロニーのルースとは「ゆるい、ルーズと発言するとだらしない」となります。ルースコロニーとは、数つがいが集まって繁殖し、テリトリーは巣の周辺、食物を得るのは共通の場所をもつ繁殖形態をいいます。この形態は集団性の高い生活をする野鳥に多いと言います。その集団で行動する野鳥はと頭に思い浮かべてみると、身近な野鳥にいつも群がって公園や寺社仏閣などで、人から貰ったスナック菓子やパンなどを啄むあの何処にでもいるドバトを思い浮かべてしまいます。
②https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32053005163より引用のサギのコロニー
やはり、それはドバトのことではありません。また、ルースコロニーのルースはなんとなくわかったと思いますが、それではコロニーとはなんでしょう。コロニーとは、②の写真のようにコサギやダイサギ、アオサギなどのサギの仲間たちの、集団営巣が有名です。他にはイワツバメなどのツバメの仲間などがいます。大きな集団の営巣で共同生活することの利点は、郁雛中の親鳥がヒナを残して、餌を探しに巣を離れて、ヒナだけになった時でも、周りに仲間がおり、外敵から守れます。
③https://www.picuki.com/tag/鳥のねぐらより引用の鳥のねぐら
ルースコロニーはサギたちのコロニーでもありません。大きな括りで言うと『コロニー』は集団生活でありますから、③の写真のようなねぐらとはどう違うのかということになります。コロニーは集団行動性の高い野鳥が行うことが多いと言いますが、集団ねぐらはどうなんでしょうか。身近なにねぐらは多いです。スズメのお宿と揶揄されるくらいスズメは集団で寝ます。あの集団行動が過ぎる群れをなして宿入りを果たすムクドリ、ハシブトガラスとハシボソガラスの混成群もいます。
④https://www.birdfan.net/2018/07/20/64029/より引用のカワラヒワ
これで、大集団のコロニーも、夜の安全防備のためのねぐらも、ルースコロニーとは目的が違うことがお分かり頂けたと思います。ルースコロニーは、人間で言うと、本当に仲が良いもの同志が協力しあって、グループでの縄張りを形成し、数組のつがいが安全に産卵、郁雛をできる環境を作っているのが、ルースコロニーなんです。積極的に行うのが、④の写真のカワラヒワです。このカワラヒワはルースコロニーを作るつがい相手を見つける為、人でいう合コン、集団見合いをします。
⑤http://www.forest-akita.jp/data/bird/46-kawara/kawara.htmlより引用のカワラヒワのつがい(手前がメス、奥側がオス)
カワラヒワの仲間には怖い顔で知られるシメがいます。その仲間ですから④の写真を見てもやはり怖い顔に見えます。カワラヒワの漢字表記は「河原鶸」で『鶸』は弱い鳥と書きます。よって「河原にいるか弱い鳥」ということになるのでしょう。顔と心情は別物と思います。その証拠にカワラヒワはルースコロニーでのつがい関係を構築するために、オスメス数羽が一同に集まり、集団見合いを行います。一対一は気が弱いので行えず、グループでつがい相手を見つけるやり方です。