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第2254回 どこかの夫婦みたいな鳥 ⑵
①https://www.dreamstime.com/polygamy-arabic-family-girl-hijab-man-many-wifes-polygamy-arabic-family-girl-hijab-man-many-wifes-muslim-image134012679より引用のハーレムな夫婦
最近ではマスコミに露出しなくなりましたボビー・オロゴンは、ナイジェリア系日本人のタレント、格闘家、実業家でナイジェリア・イバダン出身のヨルバ人です。貿易会社を経営する父親のもと、34人兄弟の三番目として生まれました。ナイジェリアでは法的には一夫多妻制は認められていないが父親には六人の妻がいるという一夫多妻な夫婦みたいです。これをハーレムと呼ぶことはいまの社会では許さない事でしょうから、この話しを鳥の繁殖に照らし合わせますと、この様な一夫多妻の鳥は沢山いますし、あの鳥がもあります。
②http://initial-m.jp/wp/2010/01/15/550より引用のつがいのウグイス(左がオス体長約16㌢、右がメス体長約14㌢)
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ナイジェリアのオロゴンの実家の父親が一夫多妻のハーレム状態を現地の自宅で実践されていたことは、法律では禁止されていることを現地の風習か何かわかりませんが、一軒家でされていたことは驚きです。鳥の世界に眼をやりましても、一夫多妻を実践しています鳥となりますと、②の写真の全国何処にでも、春先になりますと「ホー、ホケキョ」のさえずりで、日本の三鳴鳥のひとつとなりましたウグイスがいます。ウグイスは普段から藪中の隠遁生活を送っていますが、繁殖期ともなりますと、今までの藪中の縄張りの数を広げて、繁殖相手のメスを複数受け入れます。本妻かどうかはわかりませんが、いまある縄張りに営巣し、複数いるつがい相手は他の縄張りに、それぞれ違った形の巣作りを致します。本妻と違う別々のつがい相手を色んな場所に巣作りさせます。
③-1.https://www.birdfan.net/2009/08/07/4220/より引用のコヨシキリ(体長約13㌢)
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③-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32053000320より引用のつがいのオオヨシキリ(上がオス、下がメス共に体長約18㌢)
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③-3.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/ooyoshikiri-koyoshikiri-chigai/より引用の右の赤い口の中のオオヨシキリ(体長約18㌢)と左の黄色い口の中のコヨシキリ
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世界に約1万種類の鳥が知られていますが、その90%以上は一夫一妻なのですが、ウグイスによく似た大きな透き通るさえずりのヨシキリの仲間で、ウグイスのような一夫多妻の鳥といいましたら、③-1.の写真のコヨシキリと③-2.の写真のオオヨシキリがいます。まるでこの二種は兄弟みたいな仲間で、両種とも夏鳥で繁殖のためにやってきます。また同じく草原、葦原等に生息しますことと両種の体長の違いも、名前の由来になっています。両種の決定的な違いは③-3.の写真のような口の中の色がコヨシキリは黄色、オオヨシキリは赤。繁殖期にはコヨシキリは一夫多妻で、最初のヒナが孵化したメスの育雛を手伝いますが、ほかのつがうメスの郁雛は致しません。オオヨシキリはそのオスの20〜30%は2〜3羽のメスをつがいますが、約15 %のオスは縄張りを形成しますがメスとつがいを形成できない事もあり独身です。一緒なのはコヨシキリ同様初めのヒナに郁雛します。
④https://www.birdfan.net/2019/09/13/73375/より引用の繁殖期のセッカ(体長約12㌢)
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④の写真のセッカはチガヤ、ススキなどの生える平地から山地の草原、河原、水田に生息し、昆虫やクモを食べる動物食で、一部の北日本に生息する個体は越冬時は南下します漂鳥ですが、他は留鳥です。紹介の一夫多妻の中では一番体長は小さな鳥です。さえずりは飛行しながら行い「ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ」と上昇し、下降時に「チャッ」あるいは「ジャッ ジャッ」と続けます。何かその鳴き声が羨ましいだろうとも思っているかのようです。繁殖期のコヨシキリの口の中が黄色く、オオヨシキリが赤くなるのに対して、セッカは写真のように黒いです。一夫多妻ですがメスが特に多いわけではなく、沢山作った巣に、連続的に一夫多妻になる様です。オスが繁殖できますのは生まれた翌年手ですが、メスは巣立ち後一ヶ月で性成熟し、その年二回目の繁殖が始まります。子だくさんの一夫多妻の鳥はセッカだけかです、
⑤-1.https://www.birdfan.net/2015/05/15/34991/より引用の一夫多妻のキジ(左一羽がオス体長約80㌢、ほかの二羽がメス体長約60㌢)
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⑤-2.http://nh3j-stu-nasu.blog.jp/archives/37110348.htmlより引用のオス同士のキジの喧嘩
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昔話の「桃太郎」や、その話しの中での勇敢さが讃えられたか、お札にもつがいで起用され、国鳥にまでなりました⑤-1.の写真は、英雄がどうかは別にして、人間には「英雄、色を好む」とありますが、このキジも写真のように、複数のメスとつがう一夫多妻です。もちろん、全国何処にでも分布し、山地から平地の林、農耕地、河川敷などの明るい草地に生息しています。地上生活が強い習性で、外敵も多いです。つがったメスを守るためにはそれ相応の勇敢さが必要となります。繁殖期のオスは赤い肉腫が肥大し、縄張り争いのために赤いものに対して攻撃的になり、「ケーン」と大声で鳴き縄張り宣言し、侵入してきたよそもののオス相手に⑤-2.の写真のように「母衣うち」をし合い、縄張りを争います。この時にメスはケヅメの長いオスを選びます。ケヅメの長いオスは喧嘩が強いオスとされ、複数のメスをつがえます。