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第1502回 野鳥が行う共生
①https://www.wbsj.org/activity/conservation/research-study/hibari/より引用の野鳥ひばりとの共生を目指すイラスト
前回の投稿記事の「鷺と鵜の関係」で、私自身が気になったのが、いろんなサギがカワウに受けている恩恵はもしかしたら、今回のタイトルの『共生』ではないかと思いましたが、よく考えてみましたら、サギは恩恵を受けますが、カワウは何にも恩恵はうけてはいません。これは『共生』ではなく、カワウがサギたちへの施しだと思います。タイトル画のように、かつては良く畦道などで見られたヒバリが姿を消してしまったので、野鳥鳥共生を叫びますが、野鳥からの共生もあります。
②-1.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/a/072500045/?ST=m_newsより引用のノドグロミツオシエ(体長約20㌢)の共生
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②-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/oldworld/entry-10129733609.htmlより引用のミツオシエに共生させられるラーテルのイラスト
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「野鳥の共生」とネット検索して、一番早く表れるのが、ミツオシエというアフリカの野鳥です。ノドグロミツオシエは蜜蜂の巣の中の蝋膜や幼鳥が欲しくて、②-1.の写真のように、蜜取りを生業とする人に対し、蜜蜂の巣のあるところに鳴き声で、人を導いて蜂の巣を捕獲して貰い、人は蜜を採取、ミツオシエは蝋膜や幼鳥を捕食します。また、人でなくとも、皮膚は分厚く、怖いもの知らずの②-2.の写真のラーテルにも同じことをして、蜜を与えて、蜂の巣の蝋と幼虫を貰う共生です。
③-1.https://www.vario-media.net/cute/20170329_20964/より引用の草食動物とアカハシウシツツキ(体長約18㌢)の共生
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③-2.http://snnantn.blog115.fc2.com/blog-entry-2131.htmlより引用のナイルチドリ(体長約22㌢)とナイルワニの共生
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野鳥の共生は人間と哺乳類のこの二つと共生を図っていますミツオシエというアフリカの鳥が話題を掻っ攫いますが、ミツオシエばかりが動物と共生しているわけではありません。③-1.の写真ではウシツツキの仲間のアカハシウシツツキが、草食動物の皮膚につくダニやハエの幼虫や寄生虫を食べます。なんと気持ち良さそうな表情でしょう。③-2.の写真のナイルチドリは、ナイルワニの口の中で歯に着いた肉片や食物のかすを食べます。ワニも大きく口を開けて、掃除屋さんに従います。
④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/sdknz610.exblog.jp/amp/17315676/より引用のレンジャクとヤドリギの実
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④-2.http://www.hana300.com/yadori.htmlより引用のヤドリギ
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野鳥が 何も人間や動物と共生を行っているのは外国の鳥ばかりではありません。この日本に於いても、④-1.の写真のキレンジャクやヒレンジャクは、④-2.のミズナラなどの樹木に寄生するヤドリギの繁殖にひと役買っています。ヤドリギの実は消化が悪く、他の野鳥は敬遠するのですが、レンジャクだけはこの実が好物で、排斥物にネバネバした種子を飛行しながら、樹木の枝に落として、ネバネバ故に、その樹木肌に引っ付き繁殖します。ヤドリギにとりレンジャクは救いの手です。
⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/a3dea4.exblog.jp/amp/30697639/より引用のオナガ(体長約36㌢)の子育て
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⑤-2.https://www.m-ecokosha.or.jp/ikimono-bird-tsumi/より引用のツミ(体長約27〜30)の子育て
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⑤-3.https://midorinotori.com/?p=10257より引用のツミのメスがオナガを捕食
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野鳥の共生は、鳥類同士、それも異種の鳥の間でも行われています。⑤-1.の写真はカラスの仲間のオナガの子育て風景です。この鳥は複数のつがいが集まり、⑤-2.の写真の猛禽類のツミのやはり繁殖期で子育て中の営巣の周辺に、わざわざ営巣します。オナガの天敵のひとつはカラスです。ヒナを狙ってやってきます。周りの仲間のオナガが鳴けば、同じく郁雛中のツミがカラスを追い払います。よって、オナガも自分のヒナを守ることが出来ます。しかし⑤-3.みたいに犠牲になることも。