第1832回 不思議なモズ
①https://www.google.co.jp/amp/s/nlab.itmedia.co.jp/nl/amp/1905/15/news119.htmlより引用の見返りモズ(体長約20㌢)
きっと、お前は何回も同じような内容の「モズ」の話しばかりを掲載して、回数稼ぎも甚だしいといわれるかもしれませんが、それだけ、この「モズ」の何かしれない魅力に取り憑かれているのだと思います。モズの生息地うんぬんより、モズが現れますのは秋口に、我が街のお寺の裏の草地や植林のある小さな公園の電線に②-1.の「高鳴き」を披露して、この辺りは自分の縄張りであるかを「キチ、キチ、キチ」と高らかに鳴きあげます。秋が来て、かっこいい不思議なモズの登場です。
②-1.https://ganref.jp/m/sawanoishi/portfolios/photo_detail/3167771より引用の高鳴きするモズ
②-2.https://ruu8713.at.webry.info/200703/article_7.htmlより引用の仲睦まじかったつがいのモズのメスがオスを威嚇
春先の殆どの野鳥が繁殖期を迎え、つがいになり、営巣し、子育てが終わり、ヒナが成鳥になって、秋を迎えた頃、モズは②-1.のように雌雄バラバラに高鳴きをして、つがいは解消されます。他の野鳥たちはそれで冬支度をするだけなのですが、肉食のモズにとっては食料確保の縄張り確保のための戦線布告となります。特に昆虫やカエル、トカゲなどを食すモズにとっては来春に向けての命がけの越冬です。②-2.の様に求愛給餌していたメスからも戦線布告を受ける事になります。
③-1.https://www.birdfan.net/2013/04/12/22115/より引用のノネズミを捕獲したモズ
③-2.https://karapaia.com/archives/51516824.htmlより引用の速贄にされたノネズミ
秋口に「高鳴き」を行った瞬間から、モズの越冬への準備が始まります。その越冬で一番大事なことが、❶食糧確保です。雑食の鳥なら虫など冬にはいない動物がいないときには植物性の食糧が少ないといえどもあります。しかし、肉食性のモズは動物食しか食べません。秋の食糧確保には、❷縄張りを確保する必要があるわけです。そこでモズしかしない「速贄(はやにえ)」という③-1.のように捕獲した獲物を、③-2.の様に木の枝などを利用して串刺しにします。それは、❶と❷の理由とか、❸縄張りへの侵入者への威嚇などと色々研究されていますが、決定的な事は判りません。
④https://www.google.co.jp/amp/s/hitakijo.exblog.jp/amp/14380106/より引用の尾羽を振る野鳥として左がモズ右がセキレイの挿絵
このようにモズには不思議なことがあります。しかし、私は初めてモズを見た時に「鷹になれなかった雀」と揶揄されるようにスズメのような大きな鳥と感じました。また肉食なのに可愛いらしい顔で④の挿絵のように、セキレイなら歩くたびに尾羽を縦に振りますが、モズは木の枝に留まり、尾羽をくるりと回します。また、ある大学の研究で、速贄を多く行うオスのモズほど早口でさえずり、繁殖期にはメスにもてるようです。モズの漢字表記は一文字の「鵙」や二文字の「伯労」がありますが二音なのに三文字の「百舌鳥」が一般的です。百の舌を持つ鳥。その意味の様に他の小鳥であるウグイスやヒバリ等の鳴き真似をします。
⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/tek-tek930/e/f4ed8ae81852551aaa543df18452c9f0より引用の他の小鳥の物真似をするモズ
⑤-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32172000050より引用のつがいで子育てするモズ
繁殖期になりますと「高鳴き」の季節に自分より大きなカラス相手に威嚇したり、謎の行動ともいわれる「速贄」をしたりと食糧確保のためにモズ雌雄も別れ、やり合って縄張り争いをしていたのが嘘のように、新しいつがい相手を求めて、さえずりや⑤-1.のように他の小鳥の鳴き真似などを多用して、相手を見つけてつがい相手に今度は求愛給餌を繰り返します。また営巣で産まれたヒナに対して、⑤-2.の様に雌雄共々に郁雛を幼鳥になっても続けます。本当に魅力あるモズの生態です。
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