第865回 雌雄ともにさえずる野鳥は?
①https://sozai-good.com/illust/free-background/cute/37952より引用のつがいでさえずる野鳥
一般的な野鳥は身近なスズメやカラスのような雌雄同色でさえずるものから、ジョウビタキやキビタキ、ベニマシコなんかはオスが派手な体色をして、メスは反対に地味な体色のもの。また鳴管という身体の機能が無く、さえずることが出来ない野鳥もいます。例えばサギの仲間は、この種は繁殖期には「クラッタリング」というクチバシをカスタネットのように鳴らします。またキツツキの仲間は樹木の幹を突き続ける「ドラミング」いろいろ繁殖期の縄張り確保は色々あります。
②https://note.com/hiho2351/n/n41aa0b5a5bb6より引用のイソヒヨドリのつがい(左側がオス、右側がメス、体長共に約25㌢)
タイトルの「雌雄ともにさえずる野鳥は?」に照準を合わせると、一番身近に思えるのが、②の写真のイソヒヨドリがそのままぴったりだと思います。前回の第864回でも登場したイソヒヨドリは春先の暗いまだ明けやらぬ朝からオスが繁殖相手のメスを探すために大きく通る声でさえずります。またそのオスの求愛ディスプレイのひとつに飛びながらメスに向かってさえずります。それに応えるようにメスもさえずりかえします。繁殖期を過ぎても、晴天時に気持ちよくさえずります。
③https://blog.goo.ne.jp/shikokusaburou-4157/e/655facf1cad42c424035b0787377b18bより引用のアオバズク(多分左側がオス、右側がメス共に体長約29㌢)のつがい
③の写真はミミズクの仲間のアオバズクです。アオバズクは夏鳥で、ツバメと同じく夏鳥で日本には繁殖のために帰ってきます。子育てが終わると越冬のために東南アジアへと渡っていきます。毎年のゴールデンウィークになると、ベランダ向こうから「ホッホッ、ホッホッ」と夕方になれば、その鳴き声がするとホッとしたものです。今年も帰ってきたんだと。フクロウの仲間は雌雄の区別が難しく、このアオバズクはオスのほうが翼長が長いといいます。猛禽類も雌雄さえずります。
④http://www.cec-web.co.jp/column/bird/bird119.htmlより引用のコジュケイのつがい(左側がメス、右側がオス共に体長約27㌢)
このコジュケイに関しては、留鳥というより中国より運んでこられたという、移入定着の野鳥ということになります。私のベランダ向こうには竹林もあり、四月から六月にかけて繁殖期に入ります。その鳴き声はききなしそのもので「チョットコイ、チョットコイ」って何か用事をしていてもベランダのほうに耳を傾けてしまいます。その鳴き声からして「警官鳥」と俗称されることがありました。つがいともさえずるコジュケイの雌雄の区別はキジにもある蹴爪があるのがオスです。
⑤http://www.k-fusyoku.jp/yatou/16yatyou/mozunotugai.htmlより引用のモズのつがい(左側がオス、右側がメス共に体長約20㌢)
こうなってくると、雌雄ともにさえずる野鳥は身近に沢山いるではありませんか。イソヒヨドリにアオバズク、コジュケイ、そして私の大好きなモズもそのひとつです。モズは秋になると、縄張り確保の高鳴きをします。「キィー、キィー、キチキチキチ」この鳴き声が聞こえできましたら、その場所の一番高くて当たりを見回せる木の天辺や電線から発します。この時は雌雄とも縄張り宣言です。それが春先になると一変して、つがい相手を求めて求愛ディスプレイ。オスからメスに。
⑥https://nori0429.exblog.jp/iv/view/?i=201808%2F27%2F07%2Fc0213607_22242204.jpgより引用のソウシチョウのつがい(左側がオス、右側がメス共に体長約15㌢)
最後に紹介します⑥の写真のソウシチョウは④の写真のコジュケイと同じく外来種の野鳥です。コジュケイと同じく留鳥ではありませんが、日本に止まっています。そして、不名誉なことに「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定され、逃亡生活を送っています。ソウシチョウは漢字表記は「相思鳥」。そうなんです。『相思相愛』の相思なんです。雌雄ともにさえずり、そして一目瞭然に雌雄とも綺麗です。つがいを別々にした時、雌雄ともに相手を想いさえずりあうのです。
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