見出し画像

第702回 水辺の野鳥の趾(あしゆび)

①https://ota-fam.at.webry.info/201203/article_2.htmlより引用の水鳥の趾

   「第701回 山野の野鳥の趾」で1.や7.〜10.はすでに説明しましたが、今回は「水辺の野鳥の趾」を説明したいと思います。2.蹼足(標準蹼)→第一趾を除く三本の趾に蹼(みずかき)があるもの。3-1.全蹼足→四本の趾すべてに蹼があるもの。3-2.欠全蹼足→蹼が不完全で趾の間に切れ込みがあり、第四趾が外方と前方に可動。4.半蹼足→蹼が退化して痕跡状態となったもの。5-1.辨足→葉状のひれがあるもの。5-2.→膜が趾の半分以下のもの。6.缺蹼足→蹼の切れ込みが深いもの。

②https://ota-fam.at.webry.info/201203/article_2.htmlより引用のカモ類の蹼(みずかき)

画像1

  大きく分類しますとこのような2.〜6.の5分類となります。水鳥の中で最も多いのは②の蹼足です。カモの仲間は大きく分類しますと淡水ガモと海ガモ(潜水ガモ)に分かれます。水に浮いているとき尾が水面の上にあるのが淡水ガモで、下になるのが海ガモです。淡水ガモは別名水面採餌ガモとも呼ばれていて、オナガガモハシビロガモマガモオシドリなどです。また潜水ガモは海上を主な生活の場にしているのでこの名があり、キンクロハジロホシハジロなどです。

   ③https://ja.m.wikipedia.org/wiki/趾_(鳥類)より引用の水鳥の趾

画像2

   また④ような全蹼足の野鳥はカツオドリの仲間のカワウウミウ、ペリカンの仲間などが挙げられます。私は夏になるとよく身近にカワウが溜池で潜って採餌していたり、水辺の樹木の枝に止まっているのを見ると、蹼足のマガモは枝にとまれませんが、カワウは泳ぎも潜水も歩行も、飛行もできる私からみたら羨ましい鳥だと思います。また欠全蹼足はグンカンドリがそうです。

④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/趾_(鳥類)より引用の全蹼足

画像3

   半蹼足の野鳥は指の間に半分くらいしか蹼が無いのは意外だと思うのですが、コウノトリらしいです。そのほかにはコサギをはじめとしたサギの仲間とか。また辨足の野鳥はよく小さなカモと間違われる「鳰」ことカイツブリです。カイツブリはこの辨足を船の櫂のように使って潜水します。その趾がお尻から出ているので歩行は苦手。またこの⑤の写真のチドリの仲間のムナグロです。カイツブリと違って泳ぎや潜水のためでなく、干潟の泥の上をスムーズに歩行するためのものです。

⑤https://ja.m.wikipedia.org/wiki/趾_(鳥類)より引用の瓣足

画像4

⑥https://ota-fam.at.webry.info/201203/article_2.htmlより引用の缺蹼足

画像5

   缺蹼足の野鳥といえば、シロアジサシがいます。非繁殖期は、外洋上で生活するものが多く、繁殖期は集団でコロニーを形成します。また⑥の写真のバンなんかもそうです。バンの仲間のオオバンカイツブリと同じく辨足です。同じバンの仲間でも違うのです。また電線に止まった記録の無い水鳥はアビカイツブリミズナギドリ、ペリカン、ガン、カモの六種みたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?