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第1318回 鳥がさえずるということ ⑵

①https://hiyokoyarou.com/kasyu-female-hiyoko/より引用のイラスト

②https://note.com/wakaba_yaiba/n/n54b65103bc55より引用の鳴管のイラスト

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    ②のイラストはひとの声帯と鳥類の声帯の代わりの鳴管の違いを表したイラストです。鳴管は鳥の発声器官で、気管支の左右にあります。図のように左右に二つあります。したがって、鳥では音源が二つ有ることになります。鳥によっては二つ別々に振動させ、振動数の異なる独立した音を同時に出せるので、一羽でデュエットを歌えます。スズメの仲間で特に発達していま。大きな意味で、ウグイスモズも仲間となります。普通鳴き声にはさえずりと地鳴きの二種類があります。

③http://www.hachijo-vc.com/topics/archives/2020/05/post_1593.phpより引用のホオジロ(体長約16㌢)のさえずり

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   さえずりには、オスがメスに対して行う愛の歌のラブソングがあり、縄張宣言の歌としてのテリトリーソングがあります。どちらも野鳥が生きていく上での大切なことですが、ホオジロなどはジョイソング(浮かれ歌)と呼ばれ、10~11月ごろにさえずることがあります。小春日和に浮かれ歌と軽く考えられていたが、翌春の縄張り確保と、つがい相手の確保のための大切な行為。繁殖期が終了してもホオジロのつがいは、同じ縄張に残ります。

④-1.https://bird1220hy.exblog.jp/i148/より引用のタマシギのつがい(左がオス体長約22㌢、右がメス体長約26㌢)

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④-2.https://www.musashinojoen.jp/archives/6396より引用のメスのモズ(体長約20㌢)のさえずり

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   オスだけでなく、メスもさえずりの意味は、⑴  つがいの絆を強める  ⑵  ライバルのメスに対する威嚇が挙げられます。フクロウアオバズク、コジュケイ、④-1.のタマシギ、-2.モズヤイロチョウカヤクグリイワヒバリカワガラスミソサザイイソヒヨドリマミジロコルリオオルリコマドリサンコウチョウイカルウソなどです。雌雄ともにさえずる鳥は、一年中縄張りを守り、渡りをしない一夫一妻制の種が多い。

⑤http://blog.livedoor.jp/aoirotoridori/archives/33440565.htmlより引用のサンコウチョウ(左がオス体長約45㌢、右がメス体長約17㌢)のつがいの子育て

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⑤-2.http://nf-world.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-ca74.htmlより引用のメスのコマドリのさえずり(写真は左がオス、右がメス共に体長約14㌢)

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⑤-3.http://www.kobe-sizennoie.com/p/detail/2ca420b2ae8379d2d069e91ffc63715a/より巣に敵が近づくと鳴くメスのコルリ(体長約14㌢)

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   ⑤-1.のサンコウチョウマミジロヤイロチョウの夏鳥三種は、雌雄が抱卵を交代する前後にさえずりが交わされます。巣の周辺の安全を伝えたり、つがいの絆を維持する役目を果たしているようです。またやはり夏鳥の⑤-2.のコマドリはメスが造巣中にさえずります。抱卵中のメスが大きなとさえずりを交わしたという例もあります。同じく⑤-3.の夏鳥のコルリは巣に敵が近づいたときにメスが小声でさえずります。このよう性的二型の野鳥は目立たないメスに何かあった時にさえずるようです。やはり子育ての時期だからです。

⑥https://blog.goo.ne.jp/yashiki2008/e/7b8f72f7eb0abf4dfb6e8cc6752a1798より引用の唄を忘れるカナリア(体長約10〜12㌢)

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  カナリアは「ピューイ」や「ピィ」「ピピピ」と鳴きます。気管でカナリアは一秒間に三十回のフレーズで、鳴くときも吐く息だけで鳴いています。幼鳥の時から歌を聞かせて学習させることで、成鳥になって上手に歌を歌えることができます。カナリアは成鳥になってから、その歌を変えて歌えるような能力も持っています。カナリアは繁殖ごとに歌を忘れ、次の頃になると新しく覚え直すということを行い、毎年、鳴き方が違っています。「唄を忘れた金糸雀」はそのことです。


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