見出し画像

第1040回 野鳥のオスとメス

①http://takakis.la.coocan.jp/keisyu.htmより引用のハクショクレグホンの雌雄

   私が鳥の雌雄がわかったのは、確か中学一年の頃だと思います。初めて今では、動物虐待だとして、なくなってしまった「ひよこ釣り」で、ひよこを二羽貰ってきて、鳥好きの父親から「この二羽はみんなオス」と断言されました。あとでわかったのですが「ひよこ釣り」のひよこは、卵を産むメスは除けられているからオスしかいないらしいです。鶏まで育てた私を悩ませたのは、夜明け前から「コケコッコー」と元気良く鳴く、親からうるさがられながら、オスを育てていました。

②-1.https://ganref.jp/m/konpo3/portfolios/photo_detail/43637よりスズメのつがい(左側がオス、右側がメス共に体長約15㌢)

画像3

   その時に鶏は成鳥になれば雌雄の区別が、鶏冠の大きな方がオスで、明け方前から鳴くということを知ったのです。身近な野鳥の一番はなんと言ってもスズメです。スズメは②-1.の写真の通りに、雌雄同色の典型的な鳥です。どうやって区別出来るかというと、顔の下辺りの首元に黒班があり、その色が濃いものがオスとされています。同じスズメの仲間であるニュウナイスズメは雌雄同色ではなく、明らかにオスの体色が濃くて、誰もがそのことを知っていると、すぐに判ると思います。

②-2.キジのつがい(左側がオス体長約80㌢、右側がメス体長約60㌢)

画像4

   私たちの身近にいる野鳥は、このスズメにしろ、ドバトキジバトハシブトガラスハシボソガラスハクセキレイセグロセキレイヒヨドリムクドリメジロシジュウカラなどは雌雄同色で、外で不意に出逢って、さぁどちらだと尋ねられると、プロなら分かるかも知れませんが、とっさには応えられるはずがありません。それに比べると、ちょっと身近とは言えないこの②-2.の写真のキジは雌雄の区別もしっかりしていて、オスの方が身体のサイズも大きく、一目瞭然です。

カワセミのつがい(左側がオス、右側がメス、体長約17㌢)

画像1

   雌雄の区別が大変判りやすいので、キジを例に挙げましたが、殆どの野鳥はオスが派手な色で、メスが地味な色をしているのが普通です。ヒタキの仲間のジョウビタキキビタキルリビタキ、カモの仲間のマガモオシドリミコアイサベニマシコイソヒヨドリなどがいます。またメスが派手、オスが地味な色のタマシギなどなど、オスが派手な種はメスが地味な色合いで、反対にメスが派手な種はオスが地味な色合いになります。

④https://1946kato.at.webry.info/201803/article_3.htmlより引用のモズのつがい(左側がメス、右側がオス)

画像2

   次に③の写真のカワセミは雌雄が派手な色合いをしています。「清流の宝石」と言われるだけの事はあります。漢字表記の「翡翠」の「翡」はオスを現し「翠」はメスを表します。雌雄共に同色で綺麗ですが、よく見ると右側のメスのクチバシ下が口紅を塗ったような紅さです。右のオスは上下ともクチバシは黒いです。また④の写真のモズも雌雄同色です。これらの種の雌雄の違いは、オスの方の体色がメスに比べて濃い色であったり、少しオスの方がメスより大きかったりします。 

⑤https://note.com/hiho2351/n/n19e2c927e3bfより引用のトビのつがい(上側がオス体長約59㌢、下側がメス体長約69㌢)

画像5

   ⑤の写真はトビのつがいです。一般的に猛禽類のワシタカの雌雄はオスよりメスの方が大きいのが普通です。猛禽類は繁殖率が高くはありません。ワシタカはほかの野鳥を捕獲するので、多いと生態系が崩れます。そのワシタカが一番生命を落とすのはヒナの時に、ほかのワシタカやカラスに、襲われる時、メスが営巣していることが多いので、なるべく大きな身体の方が良いのです。同じ猛禽類でもフクロウ類は雌雄同色で、身体の大きさも雌雄同じが多いので、判別は難しいです。

いいなと思ったら応援しよう!