第1369回 鳥の詩
①https://blog.goo.ne.jp/fuyu_kamome/e/85984423393acd539471e33578bc4681より引用の野鳥の詩
②https://www.picuki.com/tag/シラサギより引用の日の出とシラサギ
⑴ 大手悼夫(詳細不明)
白鷺は さうれいの気をつらぬいて啼く、地平をのぼる陽とともに。
白鷺は 羽ばたき、羽ばたく、蘆の葉をふるはせて
水のしずくを、真珠のやうにふりまく。
それも束の間、白鷺は、ひかりのなかへ 影のやうに消えてしまふ。 (白鷺) ⑵ 大手 拓次(おおて たくじ、1887年11月3日〔ただし戸籍では12月3日〕- 1934年4月18日)は、日本の詩人。群馬県出身。1936年「藍色の墓」刊行
手をのばす薔薇 「はねをなくした駒鳥のやうに おまへは影をよみながらあるいてゐ (藍色の墓) ⑶ 河井 酔茗(かわい すいめい、1874年5月7日 - 1965年1月17日)は、日本の詩人。本名、又平。大阪府堺市生まれ。口語自由詩を提唱した。
1. 森に木伝ふ山鳥の 七彩の尾の美くし (塔影)
2. 宙に砕けし白銀の 星の塵こそ地に積れ 帝座を降りし雷鳥は 真白き鳥と変じけり (塔影)
3. 霧に包まれて「つがひの岳雀(たけすずめ=イワヒバリ)が人も恐れずに雪の上を歩いてゐます」 (紫羅欄花)
③https://rcreation.jp/stockphoto/de735より引用の仲睦まじいオシドリのつがい
⑷ 北原白秋(きたはら はくしゅう、1885年1月25日 - 1942年11月2日)は、日本の詩人、童謡作家、歌人。本名は北原 隆吉(きたはら りゅうきち)
1. 〔白き花鳥図・鴛鴦〕・「つれづれと、頬(ほ)に並ぶ 番ひ鳥、薄日、鴛鴦」 (海豹と雲)
2. 〔古代新領・早春〕・「槇のこずゑに、青鷺の 群れて巣をもつ幽(かけ)けさよ」 (海豹と雲) ⑸ 草野心平(くさのしんぺい 1903年5月12日 - 1988年11月12日)は日本の詩人。福島県石城郡上小川村(現・いわき市小川町)出身。 作品第肆(第四) 川面に春の光はまぶしく溢れ。そよ風が吹けば光りたちの鬼ごっこ。葦の葉のささやき。行々子は鳴く。行々子の舌にも春のひかり (富士山) ⑹ 金子 みすゞ(かねこ みすず、1903年4月11日 - 1930年3月10日)は、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した日本の童謡詩人。本名 金子 テル 西條八十からは「若き童謡詩人の中の巨星」と 「私と小鳥と鈴と」 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが 飛べる小鳥は私のやうに、 地面を速くは走れない。 私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のやうに たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 (代表作)
④急降下で獲物に襲いかかるハヤブサ
⑺ 島崎藤村(しまざき とうそん、1872年3月25日- 1943年〈昭和18年〉8月22日)は、日本の詩人、小説家。本名は島崎 春樹(しまざき はるき)。信州木曾の中山道馬籠[1](現在の岐阜県中津川市馬籠)生まれ。
1. をきぬ「みそらをかける猛鷲(あらわし)の人の処女(をとめ)の身に落ちて 花の姿に宿かれば」
(若菜集)
2. かもめ「波に生まれて波に死ぬ 情の海のかもめどり 恋の激浪(おほなみ)たちさわぎ 夢むすぶべきひまもなし」 (若菜集)
3. おえふ「都鳥浮く大川に 流れてそそぐ川添の 白菫さく若草に 夢多かりし吾身かな」 (若菜集)
4. 新潮 「羽袖うちふる鶻隼は 彩なす雲を舞ひ出でて 翔(つばさ)の塵を払ひつつ 物にかかはる風情なし」 (夏草) ⑻ 薄田泣菫(すすきだ きゅうきん、1877年5月19日 - 1945年10月9日)は、日本の詩人・随筆家。本名、淳介(じゅんすけ) 鷦鷯の歌「なう鷦鷯木づたひに ひとり興がる歌きけば 夏の日なかの野の鳥の 誇る羽振も忘れはて 蓑蟲啄みて飛びてゆく 汝が姿をぞ愛でしるる」 (暮笛集)
⑼ 高村光太郎(たかむら こうたろう、1883年3月13日 - 1956年4月2日)は、日本の詩人・歌人・彫刻家・画家。東京府東京市下谷区(現在の東京都台東区)出身。本名は光太郎と書いて「みつたろう」と読む。
1. 風にのる智恵子 「尾長や千鳥が智恵子の友だち もう人間であることをやめた智恵子に 恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩道 智恵子飛ぶ」 (智恵子抄)
2. 千鳥と遊ぶ智恵子 「無数の友だちが智恵子の名をよぶ。ちい、ちい、ちい、ちい、ちい 砂に小さな趾あとつけて 千鳥が智恵子に寄って来る」 (智恵子抄)
⑤飛翔しながらさえずるヒバリ(体長約17㌢)
(10) 中勘助(なか かんすけ、1885年5月22日 - 1965年5月3日)は、日本の小説家・詩人・随筆家
春なれど赤はらつぐみきて鳴けば葛飾野べはいとどさびしき (飛鳥〔ひてう〕)
(11) 中原中也(なかはら ちゅうや、1907年4月29日 - 1937年10月22日)は、日本の詩人、歌人、翻訳家。旧姓は柏村。
閑寂 「土は薔薇色、空には雲雀、空はきれいな四月です」 (在りし日の歌)
(12) 萩原朔太郎(はぎわら さくたろう、1886年11月1日 - 1942年5月11日)は、日本の詩人。大正時代に近代詩の新しい地平を拓き「日本近代詩の父」と称される。
1. 閑雅な食慾・笛の音のする里へ行かうよ 「俥に乗ってはしって行くとき 野も 山も ぼうぜんとして霞んでみえる 柳は風にふきながされ 燕も 歌も ひよ鳥も かすみの中に消えさる」 (青猫)
2. さびしい青猫・題のない歌 「わたしは鶉のやうに羽ばたきながら さうして丈の高い野茨の上を飛びまはった」 (青猫)
⑥谷合でさえずるカッコウ
(13) 三木露風(みき ろふう、1889年6月23日 - 1964年12月29日)は日本の詩人、童謡作家、歌人、随筆家。本名は三木 操(みき みさお)。異父弟に映画カメラマンの碧川道夫がいる。国木田独歩の曾祖母が三木家出身。その縁もあり明治45年『独歩詩集』を刊行した。
廿歳までの抒情詩・朝空 「いづこかもほのに聞えて 閑古鳥谷の彼方に ほう、ほうと鳴く音もうるむ」 (廃園)
(14) 宮沢賢治(みやざわ けんじ、正字: 宮澤 賢治、1896年8月27日 - 1933年9月21日)は、日本の詩人、童話作家。
休息 「よしきりはなく なく それにぐみの木だってあるのだ」 (春と修羅)
(15) 三好達治(みよし たつじ、1900年8月23日 - 1964年4月5日)は、大阪府大阪市出身の詩人、翻訳家、文芸評論家。日蓮宗本山本満寺貫首を務めた三好龍紳は実弟。
1. 木兎 「木兎が鳴いてゐる 古い歌 聴きなれた昔の歌 お前の歌を聴くために 私は都にかへってきたのか・・・」 (一点鐘)
2. 雉 「道は川に沿ひ、翳り易い日向に、鶺鴒が淡い黄色を流してとぶ」 (測量船)
3. 春の岬 「春の岬 旅のをはりの鷗どり 浮きつつ遠くなりにけるかも」 (測量船)
4. 秋夜弄筆 「日かず経て呼子鳥啼かずなりしを、そてかとききあやしみて外のもに出づれば、音に澄みて鳴けるは遠き蟋蟀なりけり」 (測量船)