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第2215回 仲良くない鳥

①https://www.cinematoday.jp/news/N0093858より引用の犬猿の仲を仲裁する鳥

    ①のタイトル写真には左から犬、キジ、猿の三匹が写っています。この三匹で思い起こしますのは、昔話の「桃太郎」です。主人公の桃太郎のお供として、吉備団子をご褒美にされ、忠実心の高い犬、勇敢なキジ、知恵がある猿と共に鬼ヶ島に出向き、悪き赤鬼青鬼を成敗してお爺さん、お婆さんの元に凱旋するというものです。しかし、この三匹の中には犬と猿と言う、世間では犬猿の仲と言われる二匹がいます。そして干支の中の十二支でも、子丑寅から始まり、最後の方は猿酉犬と「猿」と「犬」の間に「酉」が入ります。これは「犬猿の仲」の「犬」と「猿」の間に仲介役の「酉」が入ったと思います。桃太郎では勇敢なキジとなっていますが、犬と猿の才能を是非とも欲しかった桃太郎はキジに仲介役を頼んだのです。

②-1.YouTubeより引用の仲が悪い?ウグイス(体長約14〜16㌢)とメジロ(体長約12㌢)

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②-2.https://store.shopping.yahoo.co.jp/gallery-uchida/j9-1608-k5.htmlより引用の「梅に鶯」

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   ②-1.の写真は春先に、生息しています藪中を抜け出して、人間が設置してくれた餌台で、ご馳走を食べようとしていましたら、写真のように甘いもの好きのメジロウグイスが出会しました。ちなみに世間さまでは②-2.の日本画のように「梅に鶯」でいかにも、ウグイスが梅を好きと紹介しているようなものです。しかし、この背景は春先に遠くの藪中から、大きな透き通る鳴き声で「ホー、ホケキョ」とさえずり、家人が障子を開けてみいやったところ、そこには梅の木の花の蜜を吸いにやってきたメジロがそこにいて、昔のことですから「うちの庭の梅の木にウグイスが花の蜜を吸いにやってきた」とウグイスの姿を知らないひとは、生半可に知っている絵描きさんに頼んで、描かれたのが、この日本画です。詳しく知らない証拠にはウグイスの色が鮮やかな黄緑色のメジロになっています。ウグイスは自分ではないと思うでしょうし、またメジロにしても梅の木に止まっているのが自分なのに、ウグイスと間違えられ、さぞ不愉快な想いをしていることだと思われます。そんな二羽が餌台で出会い仲良くしているのか、はたまた睨み合うのかは本人たち次第です。

③-1.https://www.birdfan.net/2003/05/07/1005/より引用のスズメ(体長約15㌢)を蹴散らすヒヨドリ(体長約27㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2015/03/06/33372/より引用の気が強いメジロ(体長12㌢)

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   ③-1.の写真は桜の蜜を吸おうとやって来たスズメに対して、ヒヨドリがここは縄張り内だから出ていけとばかりに蹴散らしている映像です。本当はヒヨドリメジロが絡む写真なりイラストを載せようとネットで探しましたが、該当しますような絵は出てこず、写真のようになったわけです。ヒヨドリメジロも甘いものが大好きで、どんな餌台の設置してあるところに、ミカンやりんごが置かれていましたら、必ず現れる二種です。よく例に出されるのが、甘いものを設置して色んな小鳥がやって来ますが、その顔ぶれが多いのはその設置された民家に住むスズメ、そして最近では住宅街に多いシジュウカラ、甘いもの好きのメジロヒヨドリとなるようです。まずは慎重なシジュウカラは電線から様子見をし、次には③-2.の写真の表情をご覧頂いてもわかりますように、気の強いメジロが餌台に降り立ちます。そして脇目もくれず、食べ始めますと、ここは縄張りとばかりにスズメがやってきて、威嚇しながら食べ始めるもメジロは知らん顔。そこへ生意気とばかりにヒヨドリが突撃して、スズメであろうが、メジロであろうが、暴れん坊のヒヨドリは二種共に蹴散らします。しかし、最後まで負けるのは解っていましても、抵抗続けるメジロ。そんなやりとりを横目で見ながら、ヒヨドリが暴れた際に散らばった餌をポツポツ食べ始めるのは、必ずシジュウカラ。やはり、甘い物好きの二種は譲り合いなしです。

④-1.https://tpong.hatenablog.com/entry/2019/06/23/144519lより引用のハクセキレイ(体長約21㌢)同士の縄張り争い

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④-2.https://ganref.jp/m/minto-/portfolios/photo_detail/388762より引用のつがいのイソヒヨドリ(左がオス、右がメス共に体長約25㌢)同士の喧嘩

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   ヒヨドリメジロの仲が悪い理由は暴れん坊で甘いもの好きのヒヨドリと、小さいのに気が強い甘いもの好きのメジロと言うお互いに甘いものには目がないもの同士には、メジロにとってはヒヨドリは身体も大きく勝てる要素はありませんが、それでも甘いものの奪い合いでは共に仲は良くありません。同じように最近では街中に進出中の④-1.のハクセキレイも、同じくビル街にも進出中の④-2.のイソヒヨドリも、写真のように身内同士でも縄張り争いで、激しくやり合います。こんな二種のライバル関係はやはり双方とも主食が動物食で、なおかつ採餌は地上でします。両種とも留鳥で、時には同じ動物食の夏鳥のツバメともやりあいます。特にイソヒヨドリとセキレイの仲間はともに気が強いという共通点があり、私は何度もハクセキレイが捕食しようとする虫をイソヒヨドリが追いかけ回して、奪った事を目撃しています。

⑤-1.https://acafe.msc.sony.jp/photo/detail/item/000031557643bjより引用の上側がハシボソガラス(体長約50㌢)と下側のトビ(体長約59〜69㌢)

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⑤-2.https://mazba.com/52773/より引用のトビハシボソガラスが仲良く羽休め

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   今まで紹介させて頂きましたような仲の悪さより、この項の仲の悪さは多分に何人かの方は実際にご覧になられたことがあると思われます。⑤-1.の写真はご存知の鳥の中でも知能の高いハシボソガラスと猛禽類のなかでは大型のトビとの空中戦です。皆さんも海水浴で海辺や、キャンプをするのに川辺などの水辺にいる時に、空を見上げて見ますと、黒い鳥と茶色いタカが空中で喧嘩しているのを目撃されたことかあると思います。普段は「トンビがクルリと輪を描いた、ピーヒョロロ」のトビと写真はハシボソガラスですが、時にはハシブトガラスともやり合います。なぜでしょうか。反省しているのか⑤-2.の写真では、両種が仲良く羽休めをしています。そうなんです。ほかの鳥にしろ、餌が絡むと喧嘩になります。双方ともにお腹が空いてなく、満たされた状況なら、この写真の様に、喧嘩相手にも知らんぷりできるのです。これが双方空腹時になれば、双方の食性が似通っているので、縄張り争いも絡み喧嘩にはなります。同じく満腹時にはいつもは捕食相手のハトと共にハヤブサが電線に仲良く止まったりです。

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