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第2268回 二種のカラスの違い

①https://yuzumiso.hatenadiary.jp/entry/2019/07/06/190233より引用の左がハシボソガラスと右のハシブトガラスのクチバシの違い

   前回に続いての身近なカラスの紹介となります。ハシブトガラスハシボソガラスの身体の特徴としましては前回でも紹介致しましたように、名前の由来となります①のタイトル写真のようにクチバシが太いハシブトガラス、反対に細いハシボソガラスとこのことだけを見ましたら簡単に思えてしまいます。しかしこの二種は全身が真っ黒い容姿ですので、現場で出会ったとしても間違うことはあると思います。おでこが出っぱっているか、いないか「カー」と澄んだ鳴き声か、「ガー」と濁った鳴き声などが、三大特徴となるようです。

②https://kotori-pastry.com/karasu-miwakekata/735/#i-4より引用の二種のカラスの歩き方

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   私が二種のカラスのどちらかが、歩いているならば、その歩行の仕方でハシブトガラスハシボソガラスかを特定は可能であると思います。②のイラストにはその二種の歩き方を示してくれています。街中でよく見かけるハシブトガラスは、皆さんもご存知のように、町内に設置されたゴミ収穫所に置いてあります彼らにとって大好物の脂肪分がありそうな生ゴミを採食するために、電線や屋根の上から降りてきます時には、トントンとホッピングして、いざ目の前にあるゴミ袋に近づくときにはウォーキングで歩きます。また殆どが地上生活のハシボソガラスは、地上採餌が多く「権兵衛さんが種子撒きゃ、カラスがほじくる」を字で行く為に、トコトコ歩くウォーキングなのです。

③-1.https://www.sankei.com/article/20220228-3HDHDNNBYJKFLFX6DNTHUJXPYY/より引用のハシブトガラスの生ゴミ漁り

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③-2.https://www.birdfan.net/2019/02/01/67813/より引用のハシボソガラスの食事風景

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   この二種のカラスの食性はどうかということだと思います。カラスという鳥は共に雑食ということになります。ではこの二種のカラスの生息域はということになりますと、皆さんもご存知のように街中でよく見かけるのが、③-1.の写真のハシブトガラスで、生ゴミの中から動物性の脂肪分や、マヨネーズ、動物性タンパク質のような油脂を好むため、森林から街中に進出してきました。他にもパンなどの植物性の食べ物も食しますが、どちらかというと、動物食の強い雑食です。安全な場所に移動して、貯食を良くします。対する河川敷や農耕地などに生息する③-2.の写真のハシボソガラスは農作物を好み、草の実や種子などの地上採餌の植物性が強いです。くるみを車道に置き、わざと車に轢かせ、硬い殻を割り中身を食べる話は有名です。周りに食糧が多く、貯食はしないです。

④-1.https://asitahuku.exblog.jp/6919145/より引用の綺麗な濡羽色のハシブトガラス

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④-2.https://net1010.net/2014/08/id_10096/より引用の裏地が白い羽のハシボソガラス

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   一般的なカラスの体色は、黒い羽は光を吸収してしまうので、表面温度こそ上がるものの、羽毛の断熱性で体温自体はあまり上がらないようです。二種共に、雌雄同色のカラスですが、よく見ますと、二種ともに真っ黒ではありません。④-1.の写真のハシブトガラスや④-2.の写真のハシボソガラスの体色は普段は「漆黒」や「紫黒」で、光の当たり具合で変わりますし、カラスの行水では「濡羽色」に変わります。この変化も「構造色」の一つと言えるでしょう。では二種のカラスの体色は同じかといいますとそうではありません。変わっていますのは、写真のハシボソガラスをご覧になられて白い羽が垣間見ることができます。皮膚の近くには白く、短い毛があります。ハシボソガラスは二種類の羽毛を持つことで、冬でも水浴びをする事ができるあ、寒さにとても強くなっています。郊外の寒さに耐えられる防寒着のようです。

⑤-1.https://www.asahi.com/sp/articles/ASP4Q7R3GP4NUOHB009.htmlより引用の電柱のハシブトガラスの営巣

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⑤-2.https://www.snowpeak.co.jp/spc/index-mode=keyword&id=748284.htmlより引用のハシボソガラスの営巣

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   二種のカラスの子育てはどうかといいますと、ハシブトガラスの生活域は街中でありますので、当然⑤-1.の写真のように電柱の上や公園などの樹木ということになり、営巣時期は春先でも樹木が芽吹き葉が茂った頃で、またハシボソガラスの営巣は早くて早くて葉が芽吹く前の郊外の樹木の上ということになります。同じ樹木に営巣するにしても、ハシブトガラスは樹上が多く、ハシボソガラスは中腹ということです。産卵は両種とも平均して3〜5個くらいで、育って巣立つのは一羽か二羽です。人が近づくことが多い街中で営巣しますハシブトガラスは巣に近づく人を襲ったりしますが、ハシボソガラスは致しません。また「七つの子」という童謡のカラスはハシボソガラスです。

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