第1751回 羽を使い音を出す鳥
①-1.https://c1upp.info/how-to-drawing-wing-be-aware-of-jointsより引用の羽を擦り音を出す鳥
①-2.http://www.vivere.jp/life/2020/09/---4.htmlより引用の翅を震わせ鳴くスズムシ
毎年のことになりますが、九月も半ば近くになりますと、街中でのツバメの姿はなくなり、最後まで朝から鳴いていたツクツクボウシの声や明け方前から鳴いていた小鳥の鳴き声も聴こえなくなり、朝晩があんなに寝苦しい暑さがいつの間にやら消え失せて、半袖パジャマと肌布団がそろそろ肌寒く感じてくる明け方。今まで夏の風物詩であった近所の音色の良い風鈴も早く外した方がいいと思う頃に、日中はまだまだ暑いのですが、夕方になりますと、コオロギなどの秋の虫の鳴き声。
②-1.http://0845.boo.jp/times/archives/19548より引用のコゲラ(体長約15㌢)のドラミング
②-2.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/imuski/diary/200702080000-amp/より引用のアオサギ(体長約93㌢)のクラッタリング
今まで夏に鳴いていたキリギリスを除くと、夏に鳴く虫の代表はミンミンゼミやヒグラシ、ツクツクボウシなどのセミが挙げられます。一分の鳥を除いて、虫の世界でも鳴くのはオスです。しかしその鳴き方はふた通りあり、一つはセミたちのように鳴き袋で鳴くものと、翅を擦り合わせて鳴くものの大体二種類だと思います。鳥は基本的には口から鳴管筋から織りなす鳴き声を発して鳴きますが、②-1.のコゲラ等のキツツキのドラミングや②-2.のアオサギ等の仲間のクラッタリングは…
③-1.https://acafe.msc.sony.jp/photo/detail/item/000004070069aL?ltyp=05&lalb=000000002581&lpag=4&device=PCより引用の母衣打ちするオスのキジ(体長約80㌢)
③-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32218001980より引用の母衣打ちするオスのヤマドリ(体長約125㌢)
鳥が鳴くことが出来ますのは、鳴管筋と言う鳴き声を発する器官があるからです。しかし、鳥の中にはそれがない種も多いです。キツツキもコゲラのように「ギー」とか、アオサギ等のコウノトリの仲間は「ギャー」とか濁音しか出せないのでクチバシを幹に打ちつけてのドラミングか、クチバシを鳴らすクラッタリングをします。同じようにキジの仲間の③-1のキジや、③-2.のヤマドリなんかも求愛ディスプレイに「母衣打ち」という翼を地面に叩きつけ音を出す一種のドラミングです。
④-1.http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/hozen/red/group2/39/より引用のオオジシギ(体長約30㌢)
④-2.https://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/e/0009fe3e38342a97fa8d48ddb39dc1aeより引用のオオジシギの求愛ディスプレイ
④-1.のタシギと間違えそうなオオジシギは、姿を見てもそこらへんにいるシギチの仲間とどんな風に違うのかって思うほど普通のシギです。しかし別名を知ればどうしてって誰もが尋ねます。顔を見たって雷を落とすような怖い顔をしていませんが「カミナリシギ」と頑固親父のようです。この謂れは、④-2.は突如大きく飛び回っていたオスが小さな羽ばたきをみせ、急降下を繰り返します。激しい声と音は繁殖期にオスが見せる、メスへの求愛行動です。鳴かず羽音で惹きつけます。
⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10950928377.htmlより引用の雌雄のキガタヒメマイコドリ(左がオス、右がメス共に体長約9〜16㌢)
⑤-2.https://www.pinterest.jp/pin/146789269091876506/より引用の羽を震わせ求愛ディスプレイするキガタヒメマイコドリのオス
⑤-1.のキガタヒメマイコドリを漢字表記致しましたら「黄肩姫舞子鳥」となり『黄色い肩の姫のように可愛い舞子の鳥』です。この鳥は⑤-2.のように、秋の虫に例えるならスズムシのように羽を振り上げ、その羽をスズムシの翅を擦り合わせて音を奏でます。ハチドリが1秒間に80回羽ばたくのに比べ、マイコドリ科のキガタヒメマイコドリは1秒間に107回羽ばたくことで独特な音を発し、メスを誘う求愛ディスプレイです。羽が発する音は1500Hzで、機械のビープ音であるかのようです。
※ https://m.facebook.com/piipoponoogata/videos/581310795962141/よりキガタヒメマイコドリの羽を擦り合わせる音が聴けます。