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第2026回 雀始巣(すずめはじめてすくう)

①https://micane.jp/72kou-10より引用の巣作りの材料集めするスズメ(体長約15㌢)

   七十二候とは、古代中国で考案された季節を表す方式のひとつです。二十四節気をさらに約5日ずつの三つに分けた期間のこととなります。①のタイトル写真のタイトル名の「雀始巣」とは、雀が巣をつくりはじめる頃で、毎年3月20日から24日頃になります。 人家の壁の隙間や瓦の下、交通標識のパイプなどに、枯れ草やワラ、動物の毛などで器用に巣をつくります。 人の生活の近くに巣をつくりますが、人への警戒心が強く、人の身長よりも高い位置に巣を造ることが多い身近な鳥です。

②https://blog.goo.ne.jp/echigobijinatsuko2824/e/f31684a54621f69e8214592d092fa43aより引用の春先に騒がしく鳴くスズメ

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   ①の七十二候での「雀始巣」は、すでに恋の季節も終わり、つがいになり、さあ人間ではいうなら新婚で新居を建築中みたいに、子孫繁栄のための子育てを致します巣作りのことです。それに至りますには、その過程というものが存在いたします。その最初の春が来ての繁殖行動は、繁殖の宣言だと思います。色んな野鳥がさえずりというつがい相手を探す一つの武器として使うのですが、それと同時に縄張り宣言も行うわけです。スズメは、本当に私たちに一番身近な鳥だと思います。さえずりは「チュン、チュン」で、朝早くから鳴きます。もうひとつは地鳴きの「ジジジジジー」とか「ジュク、ジュク」「ジッジッ」とかの警戒の鳴き声があります。さえずりは求愛行動のひとつといいますが「チュン、チュン」は毎朝聴こえてきます。私は挨拶なんだと思います。春先に地鳴きの「ジジジジジー」を飛んでいる時も、近くの電線に止まっている時も泣き続ける時が縄張り宣言で、求愛行動は繁殖期に、オスがメスの前で、翼を少し下にさげ、振るわせる様な求愛行動を致します。身近な鳥のスズメの春先行動です。

③https://blog.goo.ne.jp/shikokusaburou-4157/e/328ec60c7d85b9a38471d9ba1b7b9fe2より引用のスズメの交尾

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    ③の写真はスズメの交尾行動です。スズメは樹上生活者なので、基本的には食事も、交尾も枝の上や電線で行われます。繁殖期は春から夏頃の主に3〜8月にかけて行われる。一年に2〜3回程度繁殖すると考えられています。人に対する警戒心は強いですが、人の生活の傍で繁殖を行うことで天敵などから身を守る効果があると推測されます。そんなこの鳥は集団で繁殖する習性があり、20つがい以上がいないと繁殖しないといいます。これは昔は多かった親戚縁者が固まって住んでいると何かあった時にもみんなで面倒を見られるという考えかたで、人に寄り添う様に生息しているスズメも、日常に見ていた風景を取り入れた物かもしれません。真実は分かりませんがそう思います。

④-1.https://entame-lab.com/suzume-no-su/より引用の従来の民家の屋根の隙間に作られたスズメの巣

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④-2.https://ameblo.jp/aogeralove/entry-12492534012.htmlより引用の電柱の角柱に作られたスズメの巣

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④-3.https://kyomotoribiyori.at.webry.info/201204/article_18.htmlより引用のイワツバメの古巣を利用したスズメの巣

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   スズメの一回の子育てには平均して、産卵に五卵産むのに一日一個、抱卵に12日、子育てに約二週間、巣立ち後の10日間を含めて全体で40日かかると言われます。巣は地面近くには作らず、人の身長よりも高い位置に作ることが多いです。見た目には無理と思われるような隙間でも擦り抜けられるので、スズメの巣そのものは普段目に付かないが、巣の真下付近には枯草や動物の毛などの巣材の残骸が散らかっていることが多いので、それを頼りに見付け出すことができます。また、ヒナが餌をねだる高い周波数のチリチリという鳴き声で巣の存在に気付くこともあります。木造家屋が少なくなり、スズメの営巣事情も人間同様大変かもしれません。色んな巣が各写真の様にあります。

⑤-1.https://hiroshisj.hatenablog.com/entry/20140602/1401698126より引用の幼鳥を教育しているスズメのお母さん

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⑤-2.Twitterより引用のスズメの集まり 

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   スズメは巣立ち幼鳥になっても、約十日間は親鳥から給餌を受けます。⑤-1.の写真はその様子をあらわしています。給餌だけなら驚かないのですが、その十日間の時期に親鳥は色んなところに幼鳥を連れて行くみたいです。植物の種子や虫の取り方、巣材の選び方などを教えているのだと思います。若鳥となる秋になりますと、やはり親鳥は巣立った若鳥であろうとも心配なのでしょう。「秋の釣瓶落とし」というように、秋の日の入りは早く落ち、よく職場に迷いスズメが鳴き叫んでいることが年に一二度はあります。そんなとき、親鳥が現れ誘導していきます。また、⑤-2.の写真のようにスズメが数羽から数十羽集まり、何か集会でもあるのかと思うときでも、よく見るとキャリアの積んだリーダー格がいることに気付きます。昔から「雀の学校」という唱歌や「勧学院の雀は蒙求を囀る」ではありませんが、集団性の高いスズメたちにとっては、この育て方こそ、人間の近くに住んでいるスズメたちの知恵で、私たち人間もこのスズメのように原点に戻るべきです。


※  「勧学院の雀は蒙求を囀る」とは、勧学院に棲むスズメたちは、この学校に通う学生たちの勉強を見聞きしているうちに、自然と常に見たり聞き慣れたりしていると自然に覚えるということわざ

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